2つの穴つながり巨大穴に 救助阻む下水… 埼玉・八潮市の道路陥没から丸2日が経過
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 埼玉・八潮市の交差点で、道路が陥没してトラックが転落した事故から2日が経ちました。運転手の救出活動は難航しています。30日午前2時半ごろには2つの穴の間が崩落し、1つの大きな穴になりました。崩落はさらに進んで穴が拡大しています。

【画像】地下で何が…陥没した穴はすり鉢状に? 運転手の容体不明

■穴がさらに拡大 救助難航

 救出作業が難航するなか、30日午前2時半すぎ、2つの穴の間が一気に崩落し、1つの大きな穴になりました。

 さらにその40分後には再び、亀裂が入った部分が崩落しました。

 そして午前6時すぎ、またしても崩落し、穴がさらに拡大。これらの崩落によるけが人はいないといいます。

約半日ぶりに3人の隊員が穴の中へ
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 難航する救出作業。29日午後4時前、トラック運転手救助のため、およそ半日ぶりに3人の隊員が穴の中へ。しかし10分後、隊員が地上に戻ってきましたが、男性の姿はありません。

 午後5時、現場に再び動きがありました。地上から縄はしごを垂らし、隊員が穴の中に下りていきます。

大量の水が噴出
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 コンクリートと思われる穴の壁面からは、大量の水が滝のように噴き出しています。穴の底は水浸しになっていて、その中に2人の隊員の姿があります。

 地上の隊員は、オレンジ色のホースを慎重に穴の中に下ろしていきます。穴にたまった水を吸い出すためのホースと思われ、ホースを設置した後、穴の中にいた隊員は地上に戻りました。

トラックの運転席のようなもの見えず
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 しかし、穴の中にトラックの運転席のようなものは見えません。現状での救出は難しいと判断したのか、作業は一時中断しました。

運転席部分を探しやすくするため
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 午後8時20分、再び現場に動きがありました。ショベルカーが穴に近づき、穴の縁を広げるように掘り起こしています。複数の隊員が穴の縁に近づき、中の様子をうかがいます。その体には、命綱が付けられています。

 消防によると、この作業は穴の斜面を緩やかにして運転席部分を探しやすくするためだといいます。

■陥没現場近くには市役所なども

トラックの引き上げ作業中に発生した新たな陥没
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 長引く救出作業。その一因となったのが、29日未明のトラックの引き上げ作業中に発生した新たな陥没です。高さ10メートルほどの看板が垂直に地中に埋まっていることから、深さは最初の穴と同じ、10メートルほどと思われます。

第2の穴(赤い矢印)
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 一夜明け、その姿が明らかになると、トラックが落ちた穴のすぐそばにもう1つ大きな穴ができています。最初の穴は直径が最大で10メートル、深さ10メートル。第2の穴の直径は、その2倍程度に見えます。

広がり続けた第2の穴
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 午前7時59分には穴の端が崩れ落ちます。さらにその2分後、別の場所が崩れ落ち、穴が大きくなっていきます。そして、午後3時には最初の穴の4倍ほどの大きさになっていました。午前8時半ごろの映像と比べると、第2の穴がどんどん大きくなっているのが分かります。

最初の穴から見える飲食店の看板
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 さらに、最初の穴から見えるのは、2つ目の穴に落ちた飲食店の看板。2つの穴はつながっているのが分かります。

 そして30日未明、2つの穴の間が崩落し、1つの大きな穴になりました。崩落の直前、近くにいた作業員は何かを感じ取ったのか後ずさりする様子がみられました。

埼玉県 大野元裕知事
「今後、陥没が拡大する可能性を否定できません」

陥没現場近くには市役所なども
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 陥没事故の発生現場近くには、市役所や市民会館などが集まり、1キロほど東には首都高速6号三郷線が通っています。

 2つ目の穴の中の下にはガス管が通っていることから、半径200メートル以内の住民に一時避難指示が出される事態となりました。

■救助阻む下水 近隣で水使用制限

運転手の容体不明
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 転落したトラックの運転手は74歳の男性。当初は会話ができる状態だったといいますが、28日午後以降は救助隊員の呼びかけに応答はなく、容体は不明のままです。

陥没した穴はすり鉢状に?
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 専門家によると、陥没した穴はすり鉢状になっている可能性があるといい、土砂が流れ込み運転席が埋まってしまったとみられます。

近隣で水使用制限
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 穴には下水がたまり、それを排除してからでないと救助が再開できないため、市は周辺の12の市や町の住民に対して可能な範囲で下水に流れる水を制限するよう呼びかけました。

近隣住民
「風呂もきのう入らなかった。一応、少し水はためてあるけど、少しというか、ほんのちょっと」

 現場付近で食堂を営む人はこう話します。

捨てる水の量を減らす
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食堂の社長
「これが今、ラーメンをあげるための鍋なんですけど、きょうは本当に極限まで。普通だったらこんなに(お湯が)汚い状態で使うことはない。極限まで(お湯を)使って捨てるようにして、きょうは何とか3~4回で収まりました」

 普段なら麺をゆでるお湯を10回取り換えるところを3~4回で済ませ、捨てる水の量を減らしているといいます。

食堂の社長
「(お湯を換えないと)麺のゆで具合が変わります」
「(Q.多少味に影響は?)出ますよ」

 さらに、こんな工夫もしているといいます。

紙皿、紙コップに切り替え
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食堂の社長
「お客様に出すグラス、お冷やのグラスだったり、取り皿を紙皿に、紙コップに切り替えていこうかなと思います」

■電話&ネットが不通に

 こちらの会社では陥没の影響で…。

現場付近の会社の社員
「(Q.どういうところがダメに?)先ほど言ってた電話」

 携帯から会社の固定電話にかけると…。

固定電話にかけると…
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音声ガイダンス
「現在おかけになった地域では、ネットワーク設備が故障している…」

 NTT東日本は、陥没による断線の影響でインターネット1300回線、固定電話400回線が利用できなくなったと発表しました。仕事にも影響が出ています。

現場付近の会社の社員
「うちの会社に直接電話してくるお客さんだったり、そういうのが対応できない」

 さらにインターネットの不通により…。

現場付近の会社の社員
「商品(照明器具)を扱っていて、受注が入りましたとかのメールが来るのが一切ストップ。会社からメールを送るのは、社長が一回自宅に帰って(対応)」

インターネットが使えず
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 会社ではインターネットが使えないため、従業員は自宅からやり取りし、対応しているといいます。

渋滞が発生
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 他にも、こんな影響があります。道路が陥没した影響で迂回(うかい)が必要なためか、近くの幹線道路では長い渋滞が発生していました。

(「羽鳥慎一 モーニングショー」2025年1月30日放送分より)

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