未明の崩落で穴拡大 懸命の救助55時間
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 埼玉県八潮市の交差点で陥没が発生してからおよそ55時間です。広がり続ける陥没。中には何が。

【画像】巨大な穴の中…黄色い管や四角い構造物

■発生から55時間 また崩落

1つの巨大な穴に
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 転落したトラックの車内に閉じ込められた74歳男性の救助は困難を極めています。それを示すのが、今や1つの巨大なものとなった現場の穴です。

消防隊員の姿も
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 救助作業は一旦、29日の夕方に再開しました。午後5時すぎには、穴に下した縄梯子をおりる消防隊員の姿も確認できます。ただ、下におりてからおよそ8分で隊員は再び梯子を上り、その後、周囲に集まっていた車両も穴から離れ、作業は中断しました。

 この時点で陥没した穴はまだ2つに分かれていました。その後、内部がいかに崩れやすい状態かはっきり目に見える事態が発生しました。

断歩道が崩れ落ちる
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 29日の夜からは内部の安全性を高めるためショベルカーで土砂を取り除く作業が行われました。ただ、日をまたぎ30日午前2時半を過ぎたころ、横断歩道の白線が見える所が崩れ落ちました。これで穴は1つにつながり、その後も午前3時20分に穴の左端が崩落、午前6時過ぎにもアスファルトの一部とみられるものが穴へと転落しました。

もともと1つだった穴
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崩れて1つの巨大な穴に
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 もともと1つだった穴は、29日になり2つに増え、さらにその2つ目は大きくなり、ついには2つの穴の間の道路も崩れ、1つの巨大な穴になったのです。

■“陥没”中には何が

住民
「やっぱり怖いです。穴の広さがどこまで広がるのか、どこで止まるのか心配」

トラックのキャビンは確認できず
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 穴の内部がどうなっているのか、上空から見てみると、トラックのキャビンのようなものは確認できません。

 転落したトラックの荷台部分はすでに引き上げられています。ただ、残されたキャビン・運転席部分は土砂に埋もれているのか、どこにあるのか分かりません。

地上にあったアスファルトの一部
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 土砂の上には白線がひかれたアスファルト、地上にあったアスファルトの一部がいくつも積み重なっています。

ガス管とみられる黄色い管
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 また、その下には、黄色い管が折れ曲がったような状態であるのが見えます。地元の下水道工事業者によると、ガス管だとみられます。

四角い構造物
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 そして、穴の側面には中が空洞になっている四角い構造物。一部はバラバラの状態で土砂の上にもあります。

 下水道管の維持・管理機器を販売する会社に聞きました。

カンツール 佐々木啓至課長
「四角いのはボックスカルバートという管種で、雨水管では多く見られる管」

大量の水が流れ出る
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 上空からは、その四角い管の辺りから大量の水が流れ出ているのが確認できます。

佐々木課長
「雨水管が陥没、下に落ちて、その下のほうから見えていたので。おそらく、その土砂が流れをせき止めてしまって、その上流からは汚水が流れてきていますので、そこでわきから(汚水が)出ていると推定、想像されます」

 そもそもの陥没の原因は下水道管の破損だとみられています。

下水道事業管理者 北田健夫氏
「丸の形のもの(下水道管)が、上が陥没して無くなっているので、半円形に状態になって、そこを流れているけど、いっぱいの状態で流れていて、流速も早い状況で救出作業には向かない」

 埼玉県では汚水に最低限の処理をして川に流す緊急放流を29日から始めています。

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