ラップスキルのある警察官が、覚醒剤や麻薬などの違法薬物を摘発するためにラッパー集団に潜入捜査を行ったという実話を基に描く、『警視庁麻薬取締課 MOGURA』(ABEMA)。
ラップバトルが描かれた第3話から第4話では一転、怒涛のサスペンスが展開。予想外のバイオレンスも満載で視聴者からは悲鳴のような反響が多く寄せられたが、そのヒリついたサスペンス要素の大部分を担ったのが、風間俊介の演じる市長・安堂誠だ。
安堂は、ラッパーの般若が演じる主人公の警察官・伊弉諾(いざなぎ)らが暮らす焼川市の若き市長。街から違法薬物を一掃すべく裏社会と戦っていて、密売ルートを暴くため極秘の潜入捜査を行っている伊弉諾の影のクライアント的存在であもる。
独特なトークスキルで市民を魅了する若く聡明な市長という設定は、朗らかなイメージの風間と相性ピッタリ。そこに風間が過去に演じてきた“クセモノ”的なバイブスが乗っかることで、笑顔の裏のドロドロが垣間見えてしまうあたりは流石というほかない。
第4話で安堂は、眞木蔵人演じる街の顔役ハルクとの“裏取引”がもつれたことで「だったら何だってんだよ」「面倒くせえなコイツ…」と思わず本音を漏らす。さらに「チョロすぎんだろ市民」「ヒップホップなんて“魔法”のかかってないただの雑音」と罵詈雑言をぶちまけた直後、安堂の側近がハルクをバットでボコボコに……。
視聴者からも「かざぽん怪しすぎるんよ」「安堂市長さん……ドス黒いね」「ドン引きなんだけどw」「面倒くせえなコイツw」といった声が寄せられており、安堂の「ぼくが まほうを かけたから~~~!!!」というシュールな絶叫はドラマ史に残る名ゼリフと言っても過言ではないだろう。喉奥から絞り出すような低音ボイスを披露する風間=安堂は必見だ。
ドラマ前半戦のイメージをガラリと変える演技力で、豊富なキャリアを誇る俳優としての底力を感じさせた風間。混迷化する現代社会を象徴するような安堂市長がこの先どんな“権力による暴力”を見せてくれるのか、震えて待ちたい。(ABEMA/「警視庁麻薬取締課 MOGURA」)

