
18日から備蓄米の落札業者への引き渡しが本格的に始まりました。JA全農は備蓄米と明記しないで販売するよう要請していますが、消費者からは流通の透明化を求める声も上がっています。
【画像】JA全農、備蓄米は価格を抑えて販売する方針 「ブレンド米」として店頭へ
■今月下旬にも店頭へ

18日午前10時前、備蓄米およそ12トンが埼玉県内の倉庫を出発し、これから精米工場へと運ばれます。
次々とトラックに運ばれていく大量のコメ。その数400袋、重さは12トンにもなります。

「令和のコメ騒動」以降は、初めてとなる政府備蓄米の放出。JA全農は18日に落札した備蓄米の引き取りを開始しました。
トラックの大きな扉が開きました。中にはコメ袋がたくさん並んでいます。

備蓄米が運ばれたのは、埼玉県内の精米工場です。引き取りから、およそ2時間後には工場に到着し、「張り込み」と呼ばれるコメの仕分け作業に入ります。
玄米の状態の備蓄米を精米し、取引がある卸売業者に売られ、早ければ今月下旬には店頭に並ぶことになります。

JA全農 米穀部 藤井暁部長
「まずは円滑な流通をしっかりやっていくために、なるべく早く消費者の皆様にコメを届けていけるよう頑張る。一定の日数はかかるが、可及的速やかになるべく早いタイミングで届けられるよう取り進めていく」
備蓄米の流通で、コメの価格は下がるのでしょうか?
■「表記しないで」店に要請

JA全農から備蓄米を購入する予定の卸売業者はこう話します。
株式会社むらせ 六反田琢副本部長
「元々、全くおコメが足りてない状況なので、足りずに困っているところに供給できるということはありがたいが、(備蓄米以外の)売っている物は、下がるってことはないと思う」

全国のスーパーでのコメ5キロあたりの平均価格は統計開始以来、初めて4000円を突破。去年の同じ時期と比べ、ほぼ倍の値段です。

江藤拓農水大臣
「(備蓄米が)卸売業者に渡るまで、まだ少し時間がありますから。政策効果としては、全国平均のスーパーの価格にはまだ反映されていないということはご理解いただきたい」

JA全農は17日、備蓄米について可能な限り価格を抑えて販売するとした一方、取り合いなどを防ぐため「備蓄米」と表記しないよう小売店などに要請しました。
■「ブレンド米」として店頭へ

六反田副本部長
「うちはもう記載しません。後ろの表記を見ていただければ、副産原料など表記されてますので、ブレンドされてますよと。米袋の後ろ(の表記)見ればそのような形で書いてます」
消費者からは次のような声が聞かれました。
50代
「あまり期待をしてないのが正直なところ。表示して安いとか、高いという選択肢はほしい」
50代
「政府が本当に備蓄米を放出していることが分かるので、(表示があれば)消費者としてはありがたい」
(「グッド!モーニング」2025年3月19日放送分より)
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