米提案のエネルギー施設攻撃停止にウクライナが合意 ロシアにんまり
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 アメリカのトランプ大統領とウクライナのゼレンスキー大統領が、激しい口論以来初となる電話会談を行いました。ゼレンスキー大統領はエネルギー施設への攻撃停止に合意したと明らかにしました。

【画像】功を焦るトランプ氏を手玉に? 自尊心くすぐり有利な条件引き出すロシア

■アメリカ「ウクライナの原発を所有」提案も

トランプ氏のSNSから
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トランプ大統領
「ゼレンスキー大統領と、とても良い電話会談を終えました。ロシアとウクライナの要望や必要事項を調整することに重点を置いたものでした」

前回から一変
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 電話会談の内容は、前回の激しい口論とはまるで違うものになりました。

ゼレンスキー大統領
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ゼレンスキー大統領
「私はドナルド・トランプ アメリカ合衆国大統領と、前向きでとても実質的かつ率直な会談を行いました。トランプ大統領に感謝の意を伝えました」

 トランプ大統領からプーチン大統領との電話会談の詳細が説明され、戦争終結の第一歩としてエネルギーや民間インフラへの攻撃停止について同意したことを明らかにしました。

アメリカ側の声明
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 また、アメリカ側の声明によると、トランプ大統領はアメリカがウクライナの原発を所有することがインフラを保護する最善の方法だと提案しました。病院や電力システムを狙った攻撃も止まるのでしょうか。

■トランプ大統領の“自尊心”くすぐりながらも…

当初は…
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 当初、アメリカとウクライナは「陸・海・空すべてにおける30日間の即時停戦」で合意していましたが、プーチン大統領はこの提案を事実上拒否していました。

 ロシア大統領府によると、今回の米ロ首脳会談ではエネルギー施設への攻撃停止のみで合意し、プーチン大統領は全面的な停戦に対してはウクライナがのめない条件を突き付けています。

ロシア大統領府
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ロシア大統領府
「紛争解決に向けた重要な条件として、他国から提供される軍事支援と軍事情報の完全な停止を求めると強調しました」

 ロシア側が投げてきた高い要求にさすがにアメリカ側は拒否したと、専門家は分析します。

慶應義塾大学 鶴岡路人准教授
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慶應義塾大学 鶴岡路人准教授
「今回ロシア側が全面的な停戦を拒否したということですから、アメリカ側はロシアが全面的な停戦に向けて出した条件を拒否したんだろうと」

足元を見るかのような…
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 功を焦るトランプ大統領の足元を見るかのようなプーチン大統領の対応。

ロシア大統領府
「プーチン大統領は戦闘の停止と人的被害の防止という、崇高な目的の達成を目指すトランプ大統領の努力に感謝の意を表明しました」

 トランプ大統領の自尊心をくすぐりながら、エネルギー施設への攻撃停止というロシア側に有利な条件を引き出しました。

「ロシアにとっても非常に利益」
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鶴岡准教授
「実はウクライナ側が相当ロシア領内のエネルギーインフラ施設への攻撃を強めている状況です。ウクライナによるロシア領内のエネルギーインフラ施設への攻撃が止まるのであれば、ロシアにとっても非常に利益があるということになります」

 数日以内に、サウジアラビアでアメリカとウクライナの担当者が会合し、23日には米ロの高官が再び和平に向けた交渉を行う予定です。

(「グッド!モーニング」2025年3月20日放送分より)

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