
末尾が「0110」からかかってくる警察官を装った詐欺電話が急増しています。番組では、18日にかかってきた実際の電話音声を入手しました。
【画像】本物の元刑事に電話してきた偽警官 マニュアル見て紙めくる音
■突然の電話「資金洗浄の罪に」
19日に番組が取材したのは、元警視庁捜査一課で刑事をしていた高野敦氏です。

高野氏
「きょうすぐに富山県警の捜査本部に行ってくれと言われた瞬間に、本当に詐欺電話だなと確信しました」
18日に車で移動をしていた時にかかってきたのは末尾「0110」の電話。ここ最近報道されている詐欺の電話番号と一致していたため、「これは怪しい」とすかさず録音しながら会話を進めました。

“自称”警視庁ハシモト
「このまま放っておくと、資金洗浄の罪が成立するだけになってしまいます。すべての財産が凍結されると同時に、逮捕・起訴といった可能性がありますが、ご理解いただけますか?」
高野氏
「ちゃんと調べてください!!私何もしてないんだから、なんで資金洗浄になっちゃうんですか」
自称・警視庁捜査二課の「ハシモト」と名乗る人物は、高野氏の名義で開設した口座が、犯罪グループの資金洗浄に利用されたと主張します。

“自称”警視庁ハシモト
「資金洗浄に加担していないというのであれば、富山県警捜査本部に出向いていただき、捜査協力をお願いしたいのですが、実際に足を運ぶのは難しいというのあれば…」

高野氏
「いや、もうちょっと、財産凍結されるんだったら私行きますよ!きょう仕事キャンセルして」
当時、奈良県内にいた高野氏があえて富山に行くことを承諾してみると、予想外の返答がありました。

“自称”警視庁ハシモト
「実際にですね、足を運ぶのはお時間遠方ということで、という理由であればですけど、私の方でですね、このお電話、富山県警捜査本部担当捜査員の方に転送いたしますので。引き続きですね、お電話での捜査協力というものをお願いしたいのですが、そちらの方に対応していただけますか?」
富山に行くという言葉に合わせて、電話を転送すると説明します。
“自称”警視庁ハシモト
「転送する前に今回の事件番号、事件名称というのをお伝えしますので、メモの準備お願いできますか?」
「カトウグループ詐欺事件」
高野氏
「カトウグループ…」
“自称”警視庁ハシモト
「詐欺事件…事件番号の方がですね、令和、数字で5K、Kは刑事のKで。こちらの復唱をお願いできますか」
高野氏
「令和5Kの“わ”の○○○」
“自称”警視庁ハシモト
「電話の方、転送させていただきますね」
■末尾「0110」特殊詐欺 先月は2000件超

転送先の電話相手は、富山県警捜査二課の「コバヤシ」を名乗る人物でした。
高野氏
「警視庁のコバヤシは本物ですか」
“自称”富山県警コバヤシ
「はい」

高野氏
「間違いないですかね、これ。詐欺とかじゃないですか。これ電話は大丈夫ですか」

“自称”富山県警コバヤシ
「……詐欺事件の捜査の連絡になっております」
マニュアルを見ているのか、紙をめくる音と不自然な間が目立ちます。
高野氏
「県警の捜査2課長って誰ですか」
上司の名前を聞くと、長い間があって一方的に電話が切られました。

高野氏
「当日、いきなり行ってくれと警視庁の人が、東京の人が富山に行けというのはまず考えられない」
「(Q.どうして詐欺師は富山に行かせたかったのか?)実際に行かせたかったわけではなく、電話を転送させることで信憑(しんぴょう)性を増すために富山に急に行けないとこちらに言わせて、じゃあ電話を転送しますので、というように使うため富山に行けっていうことを使ったんだなと思います」
警察庁によると、末尾が「0110」からかかってきた特殊詐欺が疑われる事案はこの1年で大幅に増加し、先月は2000件を超えました。
富山県警によると、捜査対象になったと電話することも、電話の転送や事件番号を伝えることもないといいます。

富山県警
「通話したままにせずに、電話をいったん切ってください。切った後に、最寄りの警察署や家族などに相談するといった対応をお願いします」
(「グッド!モーニング」2025年3月20日放送分より)
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