
日本人が知らない桜の楽しみ方、外国人観光客の目にはどう映っているのでしょうか。
■桜×五重塔コラボ
「世界遺産の寺」と「満開の河津桜」、美しきコラボレーション。
アメリカ アシャーさん(30)
「桜も世界遺産の一部になるべきだと思う」
ソメイヨシノよりも一足早く咲き誇る、濃いピンク色の桜も。
外国人観光客が撮影した写真には、日本人もあまり知らない桜の絶景が。この場所は…?

京都の世界遺産「東寺」。今年は、河津桜が例年よりも10日ほど遅く見頃を迎えています。
スペイン ミゲルさん(38)
「美しい。とても美しいです」

外国人観光客の目当ては、日本ならではの春の絶景「桜」と「五重塔」のコラボです。五重塔は、高さおよそ55メートルで、木造の建造物としては日本一の高さを誇るといいます。
ミゲルさん
「日本は町中やお寺など美しい場所で桜を見ることができます。スペインでは桜は谷にあるのでそこが違います」
京都市の最高気温は25℃を超え、今年初めての夏日に。
京都市では、この冬、平年よりも雪が多く降り、気温も低下。その寒さを乗り越えた桜が訪れた人々を魅了します。
アメリカ カリーさん(26)
「冬はすごく寒くて憂うつだけど、桜が咲くとすごくきれいです。インスタントカメラで写真がプリントできます。桜がとてもきれいですよね、塔も見えるし」
スペイン フォエルトさん(42)
「とても美しくて素晴らしいです」
スペイン マリアさん(43)
「カワイイ」

古都・京都で新婚旅行を楽しむスペイン人夫婦は、世界遺産の寺で、美しく咲く桜とともに、2人の愛を誓った「結婚指輪」を重ねます。
フォエルトさん
「塔と桜のコラボレーションはとても美しいです。桜の時期は短すぎますね。魔法のようです」
■非公開の寺で“堪能”
京都には、外国人観光客が注目する、意外な花見スポットも。
普段は、境内が非公開の長徳寺です。門の前には、早咲きの「おかめ桜」が咲き誇っています。
外国人客たちは門の外から熱心に桜を撮影しています。そのワケは?
インドネシア アニサさん(25)
「去年も来ました。あの場所で写真を撮るためです」

お目当てのアングルがありました。おかめ桜の奥には、お地蔵様のほこらが…。その扉のガラスに、色鮮やかな桜が映り込んでいます。
インドネシアからの女性が撮影した写真がこちら。

アニサさん
「桜が窓に反射するのが見えてとても特別で美しいです」
皆さんベストショットを撮ろうと夢中になっています。
アメリカ シドニーさん(26)
「すごくきれい。これがベストショットだと思います。色が好きです。すごくきれい」
アメリカ ジョアさん(26)
「薄いピンクと濃いピンクのコントラストが良いですね。なぜかは分からないけど心が落ち着きます」
■老齢化が進むソメイヨシノ対策は?
東京も日傘が必要なほどの暑さで、夏日を記録。3月に2回目の夏日となるのは12年ぶりです。

神奈川県相模原市では25日午後5時に桜の開花が発表されました。月末には、ソメイヨシノが見頃を迎えそうです。ところが…。

相模原市中央土木事務所 樹木医 清水祐樹主査
「こちらが今回伐採した桜の切り株。老木になって木が弱ると菌が入りやすくなる」
相模原市では先月、倒木の恐れがあるとして、街路樹のソメイヨシノ31本を伐採しました。


清水主査
「硬い幹のところはこのような状態だが、腐っているところはスポンジ状になって全く強度がない状態。桜が老木になって幹の中に腐朽菌といわれる幹を腐らせる菌が入ってしまった」
実は今、全国各地で、ソメイヨシノの老齢化が問題に。
清水主査
「一般には80年くらいが寿命と言われる。今ちょうど80年くらい樹齢が経っているものが多い。全国的に今後伐採していく桜が増えていくと思う。これからも道路の安全を維持するために危険な樹木は伐採していくが、新たな若木を植えて桜並木を未来につなげていきたい」