石破茂総理大臣が公明党の代表に「強力な物価高対策を検討する」と伝えた発言が波紋を広げています。野党はなぜ今の予算審議で出してこないのかと批判し、自民党内からも疑問視する声が上がっています。
■寝耳に水「強力な物価高対策」に批判
26日、官邸に入った石破総理は疲労が隠し切れない様子で、終始うつむき加減です。
この5時間後、来日しているブラジルのルラ大統領と笑顔で握手を交わしますが、やはりどこか硬い表情です。
公明党 斉藤鉄夫代表
「『強力な物価高対策』というのは総理の言葉です」
25日、石破総理が公明党・斉藤代表に伝えた「強力な物価高対策」を打ち出すという方針。25年度予算案の審議が大詰めを迎える国会では、寝耳に水でした。
立憲民主党 古賀之士議員
「予算委員会の真っただ中にもかかわらず、石破総理は予算成立後に『強力な物価高対策』を打ち出すと述べた。真意はいかなるものか」
林芳正官房長官
「まさに今、ご審議いただいている予算に盛り込んだ、あらゆる政策を総動員し、物価高の克服に取り組む決意を申し上げたものである」
古賀議員
「修正するチャンスはまだ参議院にもある。一政党や会派の問題ではなく、参議院として大きな問題だ」
野党はなぜ今、審議しないのかと怒り心頭です。
立憲民主党 斎藤嘉隆参院国対委員長
「総理も公明党代表もバカにしないでほしい。『強力な物価高対策しましょう』なんて当然、予算が伴う。なら今、出してくださいよ」
国民民主党 玉木雄一郎代表
「今の予算をすぐに組み替えて、強力な新たな対策をやってほしいです。逆にこれから強力な物価高対策をするということは、今の予算案は非強力な物価高対策しか入ってないことを白状しているようなもの」
■自民党内からも疑問視 総理が説明へ
自民党内からも疑問の声が上がりました。
自民党 石井準一参院国対委員長
「（発言を）した・しないではなく、こういう話が出てくること自体、予算審議中で大きな問題だ」
自民党 閣僚経験者
「予算審議が一番の佳境で、予算成立前に追加の物価高対策の話をするなんて政治的センスを疑う」
専門家は総理の発言のタイミングの悪さを指摘します。
政治ジャーナリスト 後藤謙次氏
「ようやく年度内成立が見えてきた段階。高額療養費問題の時もそうでしたが、官邸と自民党間の連絡が非常に悪い。党側に事前に綿密な打ち合わせがあったとは思えない。タイミングの悪さ・情報の出方の悪さ・内部調整を全くせずに出てきた点、政権として大きな失点につながる可能性」
参院予算委員会の理事会は急きょ、27日の国会冒頭で石破総理自身から意見聴取することを決めました。
後藤氏
「一番高い答えを出してしまったから、撤回するわけにはいかない。国民的には歓迎すべきですが、ますます財政が膨らむ。少数与党がゆえに歳出が膨らむというスパイラルにはまってきた」
（「グッド！モーニング」2025年3月27日放送分より）
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