
南足柄・日暮里・中野。日本を愛する外国人たちは今や有名な観光地だけでなく、意外な場所にまで!「なぜこの街に外国人?」それぞれの魅力を追跡します。
【画像】圧巻の光景!まるでじゅうたんのように咲き乱れる120本の桜
■絶景“桜のじゅうたん” 神奈川・南足柄市
満開に咲き誇る日本の桜。神奈川県西部の南足柄市は穴場の花見スポットとして今、外国人が急増中だといいます。

人気の秘密は、300メートルの丘陵に120本の桜がまるでじゅうたんのように咲き乱れる圧巻の光景です。下から見上げれば、まるで桜のカーテン。
ボリュームある淡いピンクの花びらが特徴の早咲きの「春めき桜」。一足早く花見を楽しめると、先週から多くの外国人が訪れています。
アメリカから
「ワシントンの桜よりきれいだね。ハハハハ!」
中国から
「都心の桜と比べたら静か」

そんな桜並木でひときわ目立つカップルがいました。
インドネシアから
「6月にインドネシアで結婚式を挙げるのよ」
看護師の2人は、日本の桜を背景に結婚式用の写真を撮りたいと、今回わざわざ来日したといいます。
インドネシアから
「東京ではまだ桜が咲いていなかったから、ここに来たの。やっぱりきれいです」
しかし、この桜の名所は少し前まで、ほぼ地元の住民しか知らない場所でした。それが今や、世界が注目するスポットになりました。桜を見るために南足柄市を訪れた外国人客は去年、前年比の32倍に激増しました。
地元の住民
「不思議ですよ本当に。外国人がこんなに多く来るのが」

一体なぜ?地元の人も首を傾げますが…理由の一つは「SNS」です。
インフルエンサー
「120本の早咲き桜が織りなす鮮やかなピンクのじゅうたんを田舎の農村地帯で見つけました」
美しい桜と日本の原風景が同時に楽しめることに外国人が魅力を感じたようです。
■日本屈指の繊維の街 東京・日暮里
東京下町・日暮里駅の案内所ですが、次々と外国人の姿が…。
カナダから来た女性たちは「この通りに行きたいの」と話します。その通りというのが駅から3分、普通の商店街にも見えますが、たくさんの外国人観光客がいます。そのお目当てが…。
イギリスから
「きれいで上質な生地ですね。ハンカチやブックカバーを作ろうと思っています」
イギリスから
「いろんな生地があって、ここはファッションの最先端の街ね」

外国人が日暮里を訪れる理由は日本の布。ここは、大正初期に誕生した繊維織物の問屋街。今も1キロにわたり、90店以上が連なる日本屈指の繊維の街です。
カナダから
「日暮里はとても面白くてエキサイティングな場所よ」
成田空港から最短36分、駅を挟んだ谷中銀座では、下町風情を感じられる散策も同時に楽しめるとあって外国人客が急増しています。

オーストラリアから
「旅行ガイドに書かれているわ。日暮里は裁縫好きにとって天国だって」

実は、海外の手芸をする人にとって日暮里はまさに「天国」だといいます。この時も店内にいた5人は全員が外国人でした。
オーストラリアから
「日本の生地はユニークでとても品質が良いのよ」

特に人気なのが和柄の生地。メイド・イン・ジャパンの和柄生地は「憧れ」です。魅力は質の良さと柄の豊富さ。

アメリカから
「金色とか、いろんな色が生地に施されているのがすごいね。こんな生地はアメリカにはないよ」
男性は、龍が描かれた生地1メートルを即買い。
アメリカから
「これは、このままカーテンにするつもりだよ」
友人に洋服を作ってあげるのが趣味というイギリス人女性は、「ウサギがのっていてかわいかったから買ったの。これでドレスを作ろうかと思って」と話しました。

後日、ウサギの生地を使って作った一着がこちら。
実は、これらの和柄の生地は今、ミャンマー人に大人気だといいます。
ミャンマーから
「和柄の生地でミャンマーの伝統衣装を作るんです」

今、ミャンマーでは和柄の生地を使い、ロンジーというスカート風の伝統衣装を作ることがブームだというんです。
■「全部ください」アメリカ人女性が爆買いするワケ
客の3割が外国人という裁縫道具の店。皆さん、目を輝かせるのが、その種類の多さ。糸だけで1000種類、ボタンが1200種類もあります。

アメリカから
「小さいものだったり、ユニークなものだったり、これが1ドル以下なんて信じられないわ」
繊維街で出会ったアメリカ人カップルが驚いたというのが…。

アメリカから
「アメリカでは誰も見ていない店の外に商品は置かないわ。とられちゃうもの」
その2人が「ぜひ行きたい」と向かったのが、繊維街のなかでも最大級の店。生地だけで数万種類もあります。
アメリカから
「ここにあるもの全部かわいいわね。シンプルで落ち着いた感じで、このピンクの色味に引かれたわ。この生地、全部ください」

なんと3種類20メートル分、1万7000円の大量買いです。
実は、こちらの女性は自身が作ったブランドのデザイナー兼モデル。プロにとっても日暮里の生地は魅力的だといいます。さらに、トランプ関税を心配、「ならば急げ」と日暮里にやってきたとか。
アメリカから
「新しい関税があるんでしょ?」
「アメリカで海外の生地が手に入りにくくなるかもしれないんだ」
「また日暮里に戻ってくるわ」

後日、あの生地は、すてきな花飾りに変身しました。
■「つけ麺の聖地」東京・中野 外国人が熱視線
続いての外国人が殺到の町は、マンガやアニメグッズなどを扱う店が集まり、外国人にとってもサブカルの聖地である中野に今、あるものを目当てに訪れる外国人が増えているといいます。それが…。

アメリカから
「つけ麺!」
フランスから
「アニメでつけ麺を知ってフランスから食べに来たんだ」
実は、中野駅周辺はつけ麺を出す店が50店以上集まる「つけ麺の聖地」。街には至る所に行列店があり、つけ麺店に並ぶ外国人の姿もありました。
ドイツから来た3人組も「つけ麺すごくおいしい」と話します。
海外では、つけ麺店はかなり少なく、ラーメン好きにとって日本で食べるつけ麺は「夢の一杯」だといいます。

3人が訪れたのは、客の3割が外国人という野菜たっぷりのつけ汁が自慢のお店。人気メニューが「ベジポタ煮干じめつけ麺」。「ベジポタ」とは、ベジタブル・ポタージュの略。野菜を煮込み、ポタージュのようにとろみをつけたスープが外国人に大人気です。麺はツルツルでのど越しが良く、もっちり感が特長。そのお味は?
ドイツから
「おいしい。麺に弾力があって、濃厚でクリーミーなスープともからんで最高」
一方の男性2人は、実はつけ麺初体験…。
ドイツから
「本当においしいよ。つけ麺のスープはラーメンよりもこってりしていて、味が濃いのが最高だね」
「麺をスープにつける作業が楽しいね」

そして、締めの「割りスープ」もつけ麺の醍醐味(だいごみ)。カツオの粉とチャーシューの煮汁が入ったスープで、つけ汁を割ります。
ドイツから
「魚の味がしてイケるね」
ボリュームあるモチモチ麺と濃厚スープが外国人をとりこにするようです。

常連のダミアンさん(32)は、8年前にフランスから来日。週に2回はつけ麺を食べるつけ麺マニアです。
まずは麺だけを…。
ダミアンさん
「小麦の味がします。さすがモチモチですね、食感は」
ダミアンさんも割りスープがお気に入りですが、最初はこの食べ方を知らなかったとか。
ダミアンさん
「すぐに、麺を食べる前に割りスープを入れて変だと思って」
割りスープで、至福のひととき…。
ダミアンさん
「このスープを入れると、フランスの野菜ポタージュみたいな、なんとなく懐かしくなる」
■ラーメンインフルエンサーと巡るつけ麺店

そしてラーメンといえば、全国2000店以上を食べ歩き、日本のラーメンの魅力を発信するブライアン・マクダクストンさん(46)。
外国人と「つけ麺」がマッチするワケについてブライアンさんは、「つけ麺スープは『グレイビー』みたい、グレイビーは肉のソース。他のラーメンは『スープ』、つけ麺は『ソース』これは良いですね」と話します。

まず向かったのが、中野で外せないという店。昭和26年創業の「大勝軒」はつけ麺発祥の店と言われ、「つけ麺の聖地」中野のシンボル的名店です。
当時の店長・山岸一雄氏がまかないとして出していた「つけ麺」をメニュー化。8時間以上かけ、豚骨・鶏ガラ・さば節などでだしをとったスープに、秘伝の醤油ダレを合わせたつけ汁です。

70年変わらない「伝説の味」にブライアンさんは、「すごい、肉の味!見た目はシンプルなんですけど、幸せ、おなかがいっぱいになって気持ち良い」と話しました。
続いては、今注目しているというつけ麺店。

麺にこだわり抜いた製麺所の直営店。厳選した小麦粉そして内モンゴルの天然かんすいを使い、モッチリ感あふれる麺に。さらに、袋に入れないことで、麺がよりスープに絡みやすくなるといいます。
7分間じっくりゆでた麺をさっと水でしめた、つややかでモチモチの麺。つけ汁は、マグロ節やホタテの粉などに唐辛子ベースの「辛み」を加えた濃厚旨辛つけ汁。

まずは麺だけを楽しみ…。
ブライアンさん
「モチモチ感が最高!食べると小麦の香りが出る」
冷たい麺を熱いスープに絡めます。
ブライアンさん
「肉とカツオのスモーキーな感じのコラボで濃厚な感じのスープに。つけ麺は大事。日本の食文化」