迫る72時間の壁 緊迫の救出活動で奇跡…わずかな隙間に人 ミャンマーでM7.7の大地震
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 ミャンマーの中部で発生した大地震では、これまでにおよそ1700人が死亡。日本人1人と連絡が取れなくなっている。現地では救助活動が続いているが、生存率が大きく下がる「72時間」が迫っている。

【画像】「もうダメだ、崩れた」悲鳴…900年の歴史を持つ仏塔が先端から崩落

■僧侶の試験会場ビル 突如崩壊「もうダメだ」

ミャンマー第2の都市・マンダレー
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 激しい揺れに見舞われたのは、震源に近いミャンマー第2の都市・マンダレー。

マンダレーの住民
「何かが爆発したような音が聞こえて、その後に揺れが来ました」

僧侶の試験会場ビルが突如崩壊
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 地震発生当時、僧侶たちの昇進試験が行われていた青いビルの一部は崩壊し、土煙が上がっている。

 倒壊したビルの中には、僧侶が取り残されていたという。

900年の歴史を持つ仏塔は先端から崩落
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 900年の歴史を持つ仏塔は先端から崩れ落ち、悲鳴が上がる。

■建物崩壊…火災も 日本人1人と連絡取れず

はがれ落ちた天井が床に散乱
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 地震発生直後の空港内では、警報アラームが鳴り響き、はがれ落ちた天井が床に散乱している。

 街中では多くの建物が崩壊。多くの人が道路に避難し、身を寄せ合う。

建物崩壊で火災
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 地震の影響で大規模な火災も発生。焼け野原となった地区では、変わり果てた街を見つめ、立ち尽くす人の姿があった。

日本人1人と連絡取れず
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 ミャンマー国内で、死者はおよそ1700人。外務省によると、マンダレーで崩壊した建物に住んでいた日本人1人と連絡が取れなくなっているという。

■わずか5秒で…高層ビル崩壊 320人作業中

タイ首都バンコクでも大きな被害
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 震源地から1000キロ以上も離れたタイの首都バンコクでも大きな被害が出た。

 建設中のビルが崩れ落ち、必死で逃げる作業員たちに粉塵(ふんじん)が迫る。

一瞬にして巻き上がる大量の粉塵
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 別の角度の映像では、悲鳴を上げながら、逃げ惑う人たちの姿が捉えられていた。

 崩壊したビル沿いの道路は、一瞬にして巻き上がる大量の粉塵で覆われた。

走行中の車からも崩壊の瞬間
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 わずか5秒で崩れ去った建設中のビル。さらに、走行中の車からも崩壊の瞬間が捉えられていた。

 当時、崩壊したビルでは、320人の作業員が働いていたという。

■「プールの水が…」大揺れの高層ビル

ビルからプールの水が滝のように…
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 大きく揺れる高層ビル。建物をつなぐ回廊が外れ、隙間ができている。

 バンコクでは、複数のビルからプールの水が滝のように流れ落ちていた。

日本人旅行客
「(Q.地震が起きた時は?)ホテルで20階にいて、めっちゃすごく揺れているなって。気づいたら床がめっちゃこうなっていたから地震やと思って、階段で下りて20階から下りました」

■中国も大揺れ 病院被害…新生児守る看護師

新生児守る看護師
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 被害は、ミャンマーの隣国・中国でもあった。

 雲南省での地震発生時の映像を見ると、看護師が赤ちゃんを抱きかかえて守るが、激しい揺れに立っていられない状況。

 たくさんの新生児用ベッドが一斉に動き出し、必死で押さえる様子も見られた。

逃げ惑う人々
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 別の映像では、高層ビルから砂ぼこりが落ちてきて、逃げ惑う人々の姿が捉えられていた。

飲食店のオーナー
「1回目の揺れは3~4分続いた。私の店のエリアはひどかった。住民はほとんど建物の外に出ている」

 中国メディアによると、落ちてきたものに当たって、2人が軽傷を負ったという。

■迫る72時間 隙間に男性…奇跡の救出劇

各地で懸命の救助活動
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 生存率が下がるとされる「発生後72時間」が迫るなか、各地で懸命の救助活動が続く。

隙間に横たわる生存者
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 がれきの中を進む救助隊員。明かりの先には、わずかな隙間に横たわる生存者の姿があった。

 チューブを使って生存者に水を送る。救助活動は24時間にも及んだ。

奇跡の救出劇
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 ようやく救助された男性。地震発生から40時間後の奇跡の救出劇だった。

■がれき手作業で…壊滅的被害

電柱が折れ電線が道路をふさぐ
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 地震発生から3日目、取材班はミャンマーの首都・ネピドーへ向かった。

 車道にカメラを向けると、電柱が折れ曲がり、電線などが道路をふさぐ。そして、至る所で建物が崩れ落ちている。

地元のマーケット
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 地元の人が利用するマーケット。先ほどの崩れ落ちた建物は、この建物と同じ形をしていたという。

被災した店の従業員
「地震の時、14人くらいは店の中にいて、みんな慌てて混乱していました。大きな音がして、どう外に出てきたのか覚えていません」

重機が足りず素手で撤去
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 重機が足りず、がれきの撤去も捜索も市民が素手で行っている状況だ。

 がれきの山となってしまった場所では、3人が閉じ込められているという。

■患者殺到の病院 電気使えず…暗闇の治療

橋が崩落
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 崩れ落ちているのは、震源に近いマンダレーと周辺の都市を結ぶ橋。各地で橋や道路が寸断され、復旧が遅れているという。

受け入れ可能な病院に患者が殺到
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 影響は医療現場にも及んでいる。市内では倒壊する病院もあるなか、受け入れ可能な病院に患者が殺到している。

 停電で真っ暗な病院に次々と運び込まれる患者。建物の中に入りきれないのか、外には多くの患者が横になっている。

電気が使えない中での治療
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 電気が使えない中での治療。地面に段ボールを敷き、点滴を受ける子ども。傍らで女性が手で点滴を持っている。

 現地の報道によると、医療スタッフも医療物資も全く足りず、医療はすでに崩壊状態だという。

(「羽鳥慎一 モーニングショー」2025年3月31日放送分より)

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