
フジ・メディア・ホールディングスの新たな取締役候補に名前が挙がった男性。会見で語られたのは20年前に因縁があった堀江貴文さんへの謝罪でした。
【画像】フジ・メディア・ホールディングスの新たな取締役候補に名前が挙がった北尾吉孝とは?
■フジHD役員に“因縁の人”浮上

SBIホールディングス 北尾吉孝社長(74)
「これではもうフジ・メディアグループ、ガタガタになるだろうな。何とかしないといけない。いよいよ本格的に動くことを決意した」
“フジテレビらしさへの復活”。新たに名前が浮上したのは“因縁浅からぬ”人物でした。
北尾社長
「僕が乗り出した以上、白旗上げて逃げるということはあり得ない」
中居正広さんの女性トラブルから端を発した、フジテレビを巡る問題。動きがあったのは、16日のこと。

ダルトンの株主提案
「日枝体制の残滓(ざんし)を一掃し、フジテレビの大変革を力強く推進する経営者たちを当社に送りたいと思います」
そう提案したのは、フジテレビ・親会社の大株主「ダルトン・インベストメンツ」。「もの言う株主」として知られる老舗ファンドです。
名前が挙がった一人がSBIホールディングスの北尾社長です。
■北尾吉孝氏とは?

ソフトバンク常務取締役 北尾氏(当時)
「北尾です。よろしくどうぞ」
1995年、野村証券からソフトバンクの常務取締役に。孫正義氏の“同志”として辣腕(らつわん)を振るう北尾氏が、一躍脚光を浴びたのは20年前のこと。

堀江貴文氏(当時32)
「命がけですよ本当に」
2005年、堀江氏率いるライブドアが仕掛けた、ニッポン放送の買収騒動。

フジテレビ会長(当時) 日枝久氏
「彼はもう少し調べてから言ってくれないと。やっぱり非礼というかな」

それを阻止したのが、北尾氏率いる、現・SBIホールディングスです。救世主「ホワイトナイト」として筆頭株主に。堀江氏を“強烈に”牽制(けんせい)していました。
北尾氏(2005年)
「他人の家に土足で入って仲良くしようと言ってもなかなか無理なのでは。堀江さんに対しては礼節を重んじることはある程度あってもいい。すなわち玄関から入る、ノックして『失礼します』と『ごめんください』とそういうことがあってもいい」
結果として、買収を阻止。当時のフジテレビを救った北尾氏。宿敵でもあった堀江氏について20年の時を経て…。
北尾氏
「つくづく僕は堀江君に悪いことをしたなと。あの人の能力を生かすということはぜひやりたい」
堀江氏の起用、現実味を帯びてきました。
■堀江貴文氏の起用案も?
フジテレビ親会社の大株主から、取締役候補として名前が挙がったSBIホールディングスの北尾社長。20年前「ホワイトナイト」として救世主となったことが一連の問題につながったと、後悔の念を明かしました。

北尾社長
「価値・使命が日枝40年以上にわたる政権のなかで消失していると言わざるを得ない。第三者委員会の報告書で、つくづく僕は堀江君に悪いことをしたなと。僕の当時の20年前の判断は珍しく外れていた。そういうなかで、いよいよ本格的に動くことを決意した。あれ(報告書)を見て僕はがっかりした」
そのうえで、フジテレビ再生への意欲をにじませています。
北尾社長
「私は十分に立ち直ることができると。まずそのために一番大事なのは意識改革。会社の再生とか地方銀行にもずいぶんお金入れて潰れかけの地方銀行もずいぶん再生してきた。一番大事なのは経営理念」

堀江氏の起用についても、前向きです。

北尾社長
「僕はあの人(堀江氏)は素晴らしいと。この分野にも知見があるし、能力も極めて高い人だと思います。過去色々あったのも事実なんだけど、だけど歴史的和解と日経が書いたように、もういったん和解したことは過去のことを引きずることはないですから。あの人の能力を生かすということは、僕としてはぜひやりたいけど。今回提案するのは、ダルトンさんが株主提案権を持っているから。ダルトンさんのように向こう(FMH)が出したやつ全部だめ、会社側は全部排除という考え方は必ずしも私はとっていない。清水社長は残しといてもいいんじゃないか」
企業改革に向けたそのスピリットは、20年の月日が過ぎた今も衰えていません。
北尾社長
「もし敵対するとしたら、私も徹底的に勝負します。それだけははっきりしている」