
3回目の備蓄米の入札が23日から始まります。そのなかの福島県産の「天のつぶ」。どんな味のコメなのでしょうか。
【画像】スーパーでのコメ平均価格 15週連続で値上がり 5キロ4217円
■備蓄米23日に3回目の入札

のどかな田園風景が広がる千葉県横芝光町。「チーバくん」でいうと、ちょうど耳の下辺りです。

生産者が新米作りに向けて動き出す一方、消費者が気になるのはコメの価格。何しろ、スーパーの価格は15週連続で値上がり。5キロあたり4217円。備蓄米の放出後も価格は上がり続けています。
江藤拓農水大臣
「備蓄米を出しても店頭価格が下がらないことに、責任を重く感じています」
午前9時、田んぼにやって来たのは、苗を積んだ重機。植えつけるのは「ふさこがね」です。

タチファーム 太智昭栄代表
「コシヒカリに比べて苗が倒れにくい。たくさんとれるメリットはあります」
さらに、収穫量をあげるため、暑さに強い別の品種も新たに植える予定です。
生産者はコメの高値をどう思っているのでしょうか。
太智代表
「買う人の立場から考えると、すごく高いと思う。農家の立場からすると、価格か、ちょっと低いくらい。もうかってる感覚はないです」
肥料や機械などのコストが急騰していることもあり、コメの価格が高くても、農家がもうかっているとは限らないといいます。
そんななか、23日に3度目の備蓄米の放出に向けた入札が始まります。

放出される10万トンは、2023年産の各地のブランド米。その中でも注目は、福島県産の「天のつぶ」。10万トンのうち、およそ7000トンがこの品種です。
■福島「天のつぶ」はどんなコメ?

その味を確かめられる店が、東京・新宿にあります。このご時世、なんとごはんはおかわり自由。
40代
「5キロ4000円しますからね」
40代
「最高です。(ご飯が)進みます。ありがたい、本当に。何年か前から(コメの価格が)倍くらいになっている」
使っているのは、福島県会津産の「天のつぶ」。

かしら焼&もつ鍋 金太郎 新宿店
櫻井隆店長
「『天のつぶ』というおコメができたので、使ってくれませんかということで、食べてみたらおいしかったのでこれにしようと。震災後からずっと十何年お付き合いさせていただいている」

「天のつぶ」は福島県が15年かけて開発した、想いの詰まった品種です。デビューは2011年、東日本大震災の年。「まっすぐ伸びる稲」に復興の願いが込められています。粒が大きく、冷めても味が落ちにくいのが特徴。おにぎりやお弁当にぴったりです。
アニメのように、山盛りで食べる男性は…。
20代
「甘い!甘い。ツヤもあっていい。きょうはすごくおなかすいていたので。脂肪を蓄えるのにいっぱい食べてます」
40代
「少し柔らかめですが、食べやすくていい。ほんのり甘みがあって」
ただ、今回市場に出回る「天のつぶ」は2023年産の古米です。味は大丈夫なのでしょうか。
櫻井店長
「(政府の)倉庫でしっかり管理されているので、大丈夫だと思う。粒がしっかりしていて、甘みが強いので、雑炊やスープで一緒に食べてもらうのがおいしい」

カレーやチャーハンにしてもおいしい「天のつぶ」。23日の入札で価格の壁を少しでも崩せるのか、注目が集まります。