知る人ぞ知る「市場メシ」 じゃんけん大会で食材が倍に 新鮮な海鮮食べ放題の食堂も
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 新鮮な食材が格安で手に入る卸売市場。実は一般の人も買い物可能です。曜日限定のイベントや、じゃんけんで食材が倍になる食堂、新鮮な海鮮が楽しめる食べ放題まで、知る人ぞ知るお得な“市場メシ”を追跡します。

【画像】好きなものを好きなだけ! 市場で仕入れた刺し身やカキフライなどの揚げ物が食べ放題

■特大サイズの野菜を格安販売

川崎幸市場
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 神奈川県川崎市にある「川崎幸市場」では、第2土曜日だけ野菜を格安で販売しているんです。

特大サイズが200円
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 この日の目玉は春キャベツ。普段なかなかお目にかかれない特大サイズが200円です。

常連客(60代)
「スーパーのより大きい」


「スーパーじゃ売ってないよ」

 大根も、一般的なモノより、2倍以上大きいという3Lサイズが200円です。

常連客(50代)
「うれしい。重いね」


「重たいよ。デカいもん。売ってないよ、こんなデカいの。ありがとう」

 この市場は、魚介類も充実しています。

常連客(40代)
「格安ですね」

赤エビ12尾967円を購入
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 常連の男性は、赤エビ12尾967円を購入しました。

常連客(40代)
「スーパーの赤エビだと、この3分の2で1000円くらい」

お得なイベントも
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 第2土曜日は、こんなお得なイベントも。魚介類を一店舗で3000円以上買うと、抽選会に参加できるんです。この日の「参加賞」は、「韓国のり」。こちらの常連さんは6000円分の商品券をゲット。海産物を3万円分購入し、10回挑戦したそうです。

常連客(70代)
「安いね。日本一だね。他と全然違う」

 川崎幸市場の中に、行列ができるお店があります。一般の人も、いつでも利用ができる食堂「水喜」です。

まぐろの竜田揚げ定食
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 市場から仕入れた新鮮な魚が自慢。お店の名物が「まぐろの竜田揚げ定食」1200円。メバチマグロを特製のタレに1日漬け込んでからカリッと揚げています。ハマること請け合いです。知る人ぞ知る穴場の“市場メシ”。

常連客(50代)
「ホクホクで柔らかくておいしい」

■400人以上が訪れる人気の食堂

大宮市場
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 続いては、お得な“市場メシ”です。埼玉県の「大宮市場」は関東最大級の広さを誇ります。毎週土曜日は、誰でも買い物できる“一般開放デー”です。

常連客(60代)
「肉と魚は最近高いから、市場でまとめ買い」

 肉、魚、野菜が安く手に入ると評判です。

常連客
「安いですね」

ズワイガニが1杯250円
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 北海道で水揚げされたズワイガニが1杯250円。さらに。

常連客
「良いカキがそろっている。ちっちゃいけど身がシッカリしている」

 兵庫県産のカキは1個80円。大宮市場にも、行列ができるお店があります。

東京から(60代)
「おいしそうなメニューがあるので、期待大」

利用客
「(味は)抜群ですね。市場が近いので」

 創業して54年になる食堂「花いち」です。多い日は400人以上が訪れるという人気店です。

千葉から(50代)
「きょうはここを目的に来た。(千葉から)2時間かけて」

マグロ中おち丼
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 メバチマグロやキハダマグロの中落ちをミックス。たっぷり盛った「マグロ中おち丼」は990円。しかも、おわんが「カニ汁」というのもうれしい限り。

スペシャルわがまま丼
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 豪華な「スペシャルわがまま丼」。ネタは日替わり。この日は9種類の海鮮がてんこ盛りです。

 女性は、夫と2時間かけて千葉から来ました。

千葉から
「甘みもあるし、すごく脂がのってる」

 毎朝、店主自ら市場へ仕入れに。一番人気のメニューにかかせない食材があります。

バナメイエビの仕入れ
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花いち 店主 川島吉勝さん(54)
「バナメイエビ。プリプリしてうまい」

 作るのはエビフライ。1日に1000本揚げることもあるといいます。

吉勝さん
「季節によってブラックタイガーとバナメイエビを(使い)分けている」

海老フライと中おち丼のセット
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 目の粗い生パン粉で揚げることで、サクサク感とフワフワ感が増すといいます。一番人気の「海老フライと中おち丼のセット」1430円。エビフライ4本に「中落ち丼」と「カニ汁」が付いてボリューム満点。多い日は100食出ることもあります。

利用客
「まわりはサクサク、身はプリプリ。おいしい」

利用客(50代)
「最高です」

■じゃんけんで倍!?お得なエビフライサービス

 実は「エビフライセット」の人気は、味だけではありません。

花いち 女将 川島敦子さん(53)
「いいですか?せーの、最初はグー、じゃんけんぽい」

 午前10時から1時間以内に注文すると、じゃんけん大会に参加できるんです。

じゃんけん大会
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敦子さん
「2人と同時にじゃんけんをします。私に勝った時は8本。負けとあいこは4本」

勝つと4本のエビフライが8本に
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 女将に勝つと、4本のエビフライが8本に増える、うれしいサービスが。聞けば、女将はじゃんけんがかなり強いそう。

利用客(30代)
「僕はまだ勝ったことがないです」

 3度目の挑戦です。

敦子さん
「最初はグー、じゃんけんぽい」

 3度目の正直ならず。

敦子さん
「じゃんけんぽい。ごめん、4本です」
「じゃんけんぽい。ごめん、4個ずつ」

 女将さん、確かに強い。じゃんけん大会を始めたのは30年前です。

花いち 女将 川島敦子さん
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敦子さん
「市場って一般の人が入りづらいので、入りやすくなるキッカケに」

 東京から来た家族は初来店だといいます。

東京から(70代)
「気合入れて頑張ります」

敦子さん
「最初はグー、じゃんけんぽい」

東京から(70代)
「勝った。ありがとうございます」

 よく見ると…喜びすぎて頭をぶつけています。エビフライが4本増えたので、家族みんなでいただきます。

東京から(70代)
「軽い。なかなかこの値段で食べられない」

持ち帰り可能
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 エビフライはパックに入れて持ち帰り可能です。

利用客(20代)
「一人暮らしなので助かる」

 この日20人とじゃんけんした女将。負けたのは2回だけでした。

敦子さん
「大きくなってから、自分の子どもを連れてきたり、3世代で来る人もいる。いつまでも、できればやっていきたい」

■200円で野菜詰め放題

地方卸売市場
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 続いては、今話題の食べ放題の“市場メシ”。埼玉県川越市にある「地方卸売市場」です。

日曜日限定の寿司コーナー
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 場内にある大型店「生鮮漁港川越」。一般のお客さんがいつでも買い物できます。注目は日曜日限定の寿司コーナーです。

利用客
「安い。ネタがすごく良い」

 およそ30種類のお寿司から好きなものを選んで買うことができるんです。新鮮なネタが、どれでも1貫85円。

常連客(70代)
「自分の好みのモノをとれる。この値段だとすごくお買い得感がある」

 70代の男性は常連だといいます。

常連客(70代)
「あとは定番のイクラかな」

16貫を購入して1360円
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 16貫を購入して、1360円。これは確かにお買い得です。

常連客(70代)
「前は回転寿司に行っていたけど、ここに来るようになって、行かなくなった」

 さらに、毎週土曜日に開催されるイベントもあります。

利用客
「まだまだ、まだまだいける」
「やばー」
「まだあと1個いけるよ」

野菜の詰め放題
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 野菜の詰め放題です。お値段200円。この日はタマネギを詰め放題。

常連客(60代)
「朝7時に(家を)出た、楽しみ」

 隣町から来た60代の女性。何度も詰め放題に参加しているといいます。よく見れば、袋の隙間を埋めるように押し込んでいます。結果は見事15個をゲット。

常連客(60代)
「今は野菜が高いので、これが200円で満足」

■市場で仕入れた新鮮な海鮮が食べ放題

 川越市場の中にも、行列ができるお店があります。

東京から(50代)
「食べるぞー」
「食べるぞっていう気で来ています」

 と意気込む夫婦。東京から1時間半かけてやってきました。

市場で仕入れた刺し身
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カキフライなどの揚げ物も
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 2月にオープンしたばかりの「漁港食堂」。食べ放題に多い日は250人が殺到します。市場で仕入れた刺し身は実に7種類。サーモンにマダイ、天然ブリ、そして、本マグロも!カキフライなどの揚げ物も充実。デザートも楽しめます。60分食べ放題。平日は大人2750円です。

60分食べ放題
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 「食べるぞ~」と意気込んでいた、東京から来たご夫婦は。

東京から(50代)
「『あんまり一気に取るな』って(夫が)最初言ってたから。2巡目で行こうかな」

 食べる宣言をしていただけに、次々と口に運びます。

東京から(50代)
「時間勝負。後悔したくない」

 こちらも、食べ放題を心待ちにしていたという70代女性3人組。

利用客(70代)
「(以前)1回来た時ダメだった。いっぱいで。だからきょうはすごく楽しみ」

 好きなものを好きなだけ食べられて、思わず。

利用客(70代)
「幸せね」

 一方、あの夫婦は。

東京から(50代)
「これワンスプーン?」

スプーン1杯限定のイクラ
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 1人につきスプーン1杯限定のイクラ。店主によると、スプーン大盛りで2000円はするそうです。

東京から(50代)
「しょうゆ漬けでおいしい」

1パック600円分のイチゴ
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 最後は1パック600円分のイチゴを食べてフィニッシュ。60分間食べまくった夫婦。

東京から(50代)
「苦しい」
「ちょっと減らさないと」

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「食べ放題、なぜバイキング?」「モダン焼き、どこが現代的?」外国人のハテナを追跡
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