【写真・画像】「石破総理は“可能性”に賭けていた」「辞任会見に“異例の人物”が同席」政治記者が見た辞任の裏側 1枚目
【映像】“異例の人物”とは?
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 石破総理辞任の背景と“1年間の内外の評価”についてテレビ朝日政治部の大石真依子記者に聞いた。

【映像】“異例の人物”とは?

━━トランプ政権との関税交渉がひと段落したことも要因だと言われているが、なぜ今、退を決断したのか?

「一言で言えば、総裁選の前倒しを求める声が過半数に達すると判断したからだ。石破総理は“過半数に到達しない可能性”に賭けていた。実際に側近議員を取材すると、いろいろな人に会ったり、電話したりして『前倒し要求の書面を提出しないでくれ』と説得したことに加え、総理自身も『解散カード』をちらつかせて、前倒しを求める動きをけん制していた。ただ、都道府県連の動きを見ても、反対よりも賛成を決めた組織の方が多かったり、国会議員の動向を見ても厳しい情勢なのは明らかだった。そういった中で、6日夜の菅元総理と小泉大臣による説得の影響も大きかったと思う。2人は“自民党が割れてしまうこと”に強い危機感を持っていた」

━━石破総理が辞任を発表した会見で印象に残った点は?

「通常総理が会見する時は向かって右側の壁沿いに秘書官がずらっと並ぶが、7日はその先頭に赤沢大臣が座っていた。ああいった形で閣僚が総理会見に同席するは極めて異例なことだ。やはり赤沢大臣は石破総理の側近として、石破総理の退陣表明を直接見届けたいという思いがあったのではないか」

━━約1年間の石破政権の良かった点、課題となった点は?

「良かった点は赤沢大臣がメインで行った日米関税協議が一段落したことだ。もちろん、合意内容を巡ってはまだはっきりしていない部分や日米の間で齟齬がある部分もあるが。関連して、日本が二国間外交で一番重視するアメリカの、しかもトランプ大統領というなかなか難しい人との関係構築も大きな失点なくできている点も挙げられる。さらに異例の少数与党として国会運営をしていく中で、石破総理の野党側の意見も聞く姿勢は野党からも評価されていた。そういった総理の人柄もあって、少数与党下での国会運営を乗り切ることができたと言えると思う。一方で、少数与党だから仕方ないとも言えるが、予算案・法案を通すにしても、最低野党1党の賛成が必要になったことで政策課題において野党への譲歩を重ねざるを得なかった。石破総理自身も『カラーを出せなかった』と話している。そのため国民の『石破さんなら変えてくれるのでは』という期待に応えられずに終わってしまった印象だ」
(ニュース企画/ABEMA
 

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