
高市政権で初となる補正予算案が先週に閣議決定されました。財源の6割以上を国債で賄う内容に、市場は金利上昇と円安で警告しています。
【画像】総理は妥当性をアピールするも市場は厳しく…金利上昇、円安
専門家「リスクを高めている」
大手銀行は1日から住宅ローンに適用する固定金利を引き上げます。10年固定の最優遇金利でみると引き上げ幅は小さいところで0.09%、大きいところで0.26%。金利は年2.26%から2.665%となります。
背景にあるのは長期金利の上昇です。先月、およそ17年半ぶりとなる一時1.835%を付けました。
動いているのは金利だけではありません。円相場は先月およそ10カ月ぶりに、一時1ドル157円台まで円安が進みました。要因の一つが、高市政権の「大規模な財政出動」です。
片山さつき財務大臣
「令和7年度補正予算の概算を決定いたしました。今回の補正予算は、先日閣議決定された強い経済を実現する総合経済対策を実現するもの」
先月28日に閣議決定された補正予算案の歳出額は、去年より4兆円以上多い18兆3034億円。新たに11兆6960億円の国債を発行し、6割を借金で賄うことになります。
公明党の岡本三成政調会長は、先月30日のテレビ番組でこのように発言しました。
「こんな規模のことをやると、悪い意味での金利の上昇、そして円安がどんどん進んでいって、危険性をものすごくはらんでいると思っていますので、不必要なところに関しては、修正を求めていくようなことも考えています」
高市早苗総理は、自身のXで財政の健全性をこうアピールしました。
「『補正後』の国債発行額は40.3兆円となり、昨年度の『補正後』の42.1兆円を下回り、『財政の持続可能性』にも十分に配慮した姿を実現することができました」
専門家は…。
野村総研 エグゼクティブ・エコノミスト
木内登英氏
「高市さんが総裁になって以降、ほぼ一貫して金利上昇と円安が進んできている。やはり財政リスクを心配して、市場が警鐘を鳴らしているというのが現状ではないか」
木内氏は「高市カラー」を出すために、補正予算の規模を大きくしたことで、逆に経済対策の効果を削いでしまうリスクがあると指摘します。
「本当に必要な物価高対策であれば、数兆円の規模で足りたと思います。今回の補正予算経済対策は、高市政権が自らの政策を強くアピールしたいという、かなり政治色が強いものではないかと思います。金融市場の反応自体が経済対策の効果を打ち消してしまう、そういうリスクを高めていると思います」
(「グッド!モーニング」2025年12月1日放送分より)
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