インフルエンザの感染が急拡大しています。SNSを中心にワクチンに関する根拠のないデマが拡散しています。その真偽について、国際機関で長年インフルエンザ研究を行ってきた専門家に聞きました。
【画像】ワクチン接種をためらう「ワクチン・ヘジタンシー」 世界的な問題に
新変異株がインフル流行型の96％
2日も都内のクリニックでは、インフルエンザと診断される患者の姿が見られました。
厚生労働省によると、全国のインフルエンザ感染者数は11月23日までの1週間で19万6895人。1医療機関あたりの感染者数は51人で、14週連続で増えています。
JIHS＝国立健康危機管理研究機構によると、猛威を振るっているのが新たな変異株の「サブクレードK」。流行している型の96％から「サブクレードK」が検出されています。
インフルエンザの感染予防にはワクチンの接種が有効とされていますが、SNSでは気になる声があります。
「（ワクチンを）接種するからインフルエンザになるんです。みんな気づけ！」
ワクチンが原因で感染するという投稿もありました。
こうしたワクチンの接種を遅らせたり、ちゅうちょしたりする動きは「ワクチン・ヘジタンシー」と呼ばれ、世界的な問題になっています。
「ワクチン臭する」SNSでデマ拡散
日本国内でもワクチンの接種数は、コロナ禍の2020年をピークに減少の一途をたどっています。
ワクチンの接種拒否を呼びかける投稿について、WHOでインフルエンザの治療ガイドラインを作成していた専門家の菅谷憲夫さんはこう話します。
「インフルエンザって10人いて10人がかかるわけではなく、10人中9人はかからない、成人だと。インフルエンザ（ワクチン）に効果がどの程度あるか分からない人が多いと思う。でもちゃんと調べれば、その差ははっきりしています」
SNSでの「ワクチン・ヘジタンシー」は、ほかにも見られます。
「ワクチン臭がひどくて電車降りた」
「毎日どこへ行ってもワクチン臭がする！」
インフルエンザワクチンを接種した人からは異臭がするという声です。ワクチン接種後に体臭が変化することはあるのでしょうか？
「それは全く根拠がないと思います。そういう（投稿が）広がるのが非常に残念ですね。インフルエンザの専門家として国際学会に出てるし、WHOの会議にも出ているけど、そんなことが話題になったことは一回もありません。聞いたこともないです」
インフルエンザワクチンをちゅうちょする背景について菅谷さんは、新型コロナワクチンの副反応が強すぎたことがトラウマなっている可能性があると指摘。そのうえで…。
「インフルエンザワクチンは副作用が最も少ないワクチンの一つ。打った後少し腫れることはあるが、熱が出ることはほとんどない。インフルエンザが変異して非常にかかりやすくなっているので、今年はぜひ今からでも打つチャンスがあれば打ったほうがいい」
（「グッド！モーニング」2025年12月3日放送分より）
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