
花粉症の治療薬などが保険適用外になる可能性があります。日本維新の会の藤田文武共同代表は高市早苗総理大臣に市販薬と効能が似ている薬を保険適用から見直し、数千億円を削減することを求めました。
【画像】「OTC類似薬」が保険適用外になるとどんな影響が出る?
花粉症薬や保湿剤なども
維新側の要求で大きな議論になっているのが…。
日本維新の会 斎藤アレックス政調会長
「OTC類似薬を含む薬剤自己負担の見直し」
「OTC類似薬」とは一体どのような薬なのでしょうか。医薬品は主に医師が処方する医療用と、薬局などで買える市販薬に分けられます。
市販薬はカウンター越しに購入できるという意味から英語で「Over The Counter」略して「OTC医薬品」とも呼ばれます。このOTC医薬品と成分や効能が似ている薬が「OTC類似薬」です。
インフルエンザA型と診断された60代の男性。6つの処方薬が出され、このうち4つが「OTC類似薬」でした。
いとう王子神谷内科外科クリニック
伊藤博道院長
「ゾフルーザ(インフル治療薬)2錠きょう飲んでください。アセトアミノフェン(解熱剤)、カルボシステイン(たん切り)、デキストロメトルファン(せき止め)、オロパタジン(鼻水緩和)。関節痛には麻黄附子細辛湯」
保険適用で1割から3割の自己負担ですが、仮に維新の要求通り、保険適用外になると患者は全額を負担することになります。
「OTC類似薬」が保険適用外になると、私たちにどんな影響が出るのでしょうか。都内の薬局で薬を見せてもらいました。
有明ファミリー薬局 薬剤師 小林和正さん
「アレジオンといったアレルギー薬、例えばアレルギーのシーズンだと30日分の薬を出すが、1割負担だと60円。これが10割負担だと600円」
「(Q.市販薬だとどれくらいになる?)30日分の換算だと約6000円してしまう場合もある」
小林さんの試算によると、保湿剤「ヒルドイドクリーム」の場合、1割負担で301円、3割負担で903円、全額負担で3010円と最大で2709円の差額があります。
成分がよく似た市販薬を購入すると、差額は最大で5399円。家計の負担は大きくなります。
小林さんによると、市販薬は箱のデザインや広告費などが上乗せされるため高くなるといいます。
医療現場は困惑
街の人
「やっぱり花粉症なので、そういう薬が保険適用外になるとすごく困る」
病院で処方箋をもらえばよさそうですが…。
小林さん
「受診すると、病院の受診料と薬局で薬剤以外に調剤料もかかる。薬によってはトータルで(市販薬と)同じぐらいになるものもある」
伊藤院長
「(例えば)抗アレルギー薬すべて保険適用から外すとなれば、多くの人に重い負担がかかることを(我々は)説明しなければいけない」
維新は「OTC類似薬」を保険適用から外し、数千億円規模の削減を求めていますが、朝日新聞によりますと、維新の内部で意見が折り合わず、決着の見通しは立っていないということです。
(「グッド!モーニング」2025年12月5日放送分より)
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