
今、増えているという「谷型ヒートショック」。防ぐには、どうすればいいのでしょうか。
今月は要注意 入浴中の事故
今シーズン1番の冷え込みとなった東京。人々は、体に異変を感じていました。
60代
「風呂入っている時」
「(Q.どうなった)心臓が痛い」
東京都市大学 早坂信哉教授
「熱いお湯に入って胸が痛くなるのは、ヒートショックの可能性が十分にある」
急な温度変化で体がダメージを受ける「ヒートショック」。1年のうちで入浴中の事故が起きやすいのは、季節変わりの今、12月です。
医師
「お風呂でのぼせちゃったみたいですよ」
ヒートショックで倒れた、当時80代の男性の様子。
男性の妻
「(風呂から)出てこないから心配になって。のんびり入っているんですよ」
急な温度差による血圧の急激な変化。
早坂教授
「2カ所、危ないシーンがあって。1つは山型ヒートショック」
暖かい部屋から冷え込んだ脱衣所に行って衣服を脱ぐと、血管が縮まり血圧が一気に上昇します。
その状態で温かい風呂に入ると、さらに血圧は上昇。しかし湯になれてくると血圧が急激に下がります。これが「山型ヒートショック」です。
早坂教授
「心筋梗塞(こうそく)・脳卒中などを引き起こす。特に高齢者、血圧が高い人に多い。血管がもろくなっている人は、脳内出血を起こすことになる」
そして「谷型ヒートショック」は、温まった風呂から急に立ち上がり、寒い脱衣所に移動すると、今度は血管が拡張し、血圧が下がってしまいます。
早坂教授
「立ちくらみのかなりひどい状態が起こる。年齢・持病にかかわらず、入浴中の脱水が原因になる」
街の人に聞くと、医師に聞いてみたい疑問が出てきました。冬でも半袖、雪駄で歩く男性の疑問は…。
60代
「寒いの嫌いだけれど、寒いのに対して強いと思っている。普段ウォーキングして体鍛えてるつもりだが、ヒートショックには良いんですかね」
風呂で心臓が痛くなったと話した男性の疑問は、「風呂の温度は何℃?」でした。
医師がすすめる適切な温度がありました。その温度は?
早坂教授
「適切な温度は40℃まで。この温度なら血圧を上げることはありません」
また「体を鍛えていてれば、ヒートショックに良い?」という疑問には…。
早坂教授
「普段から体を動かしている方は動脈硬化は進みにくいと思います。そういう点で言えば、長い目で見ればヒートショックになりにくい」
尽きない疑問。早坂教授が“やってはいけないこと”を教えてくれました。
NG(1) 風呂の前に飲酒
NG(2) 食後すぐに入浴(30分から1時間あけて入浴がお勧め)
NG(3) 湯船から急に立ち上がる
大切なのは、入る前に水分を取り、部屋・脱衣所・浴室の温度差をできるだけ5℃以内にすること。いきなり浴槽に入るのではなく、足の末端から10杯ほどかけ湯をするのが良いとしています。
