
民泊について周辺住民からの苦情が相次いだことを受けて、東京・豊島区は民泊の規制を強化する条例改正案を可決しました。しかし、現場からは違法な業者が闇に潜るだけだと懸念する声も上がっています。
民泊の規制強化 期間や地域を限定
近隣住民と民泊事業者が言い争いをしています。その原因は…。
近隣住民
「燃えるごみは月曜日、木曜日だけど、日曜日に捨てたりとか『月曜日は来られないんだよ』とか、意味分からないですよね」
ごみ置き場の貼り紙には「民泊されている方へ」と前置きしたうえで「不法投棄は重罪です」と外国語で書かれています。
さらに先に進むと、今は使われていないビルに多くの粗大ごみが置かれています。
近くの住民が定期的に撮った写真。1年ほど前から徐々にごみが増えているといいます。
豊島区の民泊施設は1600件を超えていて、全国で5番目の多さです。
住民からの苦情もここ数年で大きく増加。豊島区は先週、民泊の規制を厳しくする条例改正案を可決しました。
これまで年間を通して、180日まで営業を認めていました。
これを来年12月16日から民泊ができる期間を「春休み」「夏休み」「冬休み」のみに限定。すべて稼働しても120日間となります。
さらに、区内では新しく民泊を始めることも「住居専用地域」などおよそ7割の地域で禁止されました。
違法な民泊事業者が闇に潜る懸念
豊島区内にある建物の各部屋のドアに貼られたシールは、役所に届け出をした民泊施設であることを示すものです。
まず目に入るのは、ごみ出しのルールやたばこに関する禁止事項などを記した印刷物です。
民泊事業者 マツリテクノロジーズ
吉田圭汰社長
「(室内で)たばこをしたら即時退去にする。騒いでも即時退去でかなり厳しくやっていて、ルールを守らない人は出てもらって構わないと」
1階には宿泊者専用のごみ置き場も用意して、24時間カメラで監視しています。
彼らが懸念するのは、規制強化によって違法な民泊事業者が闇に潜ってしまうことです。
「民泊のステッカーが貼ってない物件のごみの話をしていることが多くて、それは(正式な)民泊じゃない。ちゃんと届け出がされていなくて、違法に(民泊として)運用している人がたくさんいる」
都心のホテル代が高騰するなか、4~5人でも1泊2万円ほどで泊まれる民泊は外国人だけでなく、日本人にも多く利用されるようになりました。
「民泊というアセット(資産)も活用していく必要がある。適法にライセンスを取ってやっているところにも、一緒くたに(規制が)かかるという話を聞いて、ちゃんとやっている人たちがバカを見るだけではないかと」
高際みゆき豊島区長は、既存の適正事業者に対して何らかの救済策を設けるという方針も明らかにしています。
「(違法業者の)取り締まりをする。協力できるところは協力して、問題が起きにくい民泊を作るとか、どういう形でこの産業を豊島区に作るか、区と話していきたい」
(「グッド!モーニング」2025年12月8日放送分より)
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