【写真・画像】枝野委員長がヤジと高市総理の「双方に」注意 「不規則発言はおやめください。一方、答弁は質問に端的にお答えください」 国会が紛糾 1枚目
【映像】ヤジ→枝野委員長が「双方に」注意した瞬間(実際の様子)

 9日の衆院予算委員会で、枝野幸男委員長が大声でヤジを飛ばす議員と高市早苗総理の双方に“注意”した。

【映像】ヤジ→枝野委員長が「双方に」注意した瞬間(実際の様子)

 立憲民主党の本庄知史議員は補正予算について「想定外・緊要性・年度内執行という財政法第29条や予算単年度主義を満たしていない、あるいは逸脱したものが山積みとなっています。その結果、18兆円を超える過大な補正予算となっており、来年度の本予算に回すべきもの、あるいは減額すべきものなど、かなりの精査が必要と考えています。高市総理は『責任ある積極財政』を掲げておられますが、18.3兆円の補正予算のうち、11.7兆円が国債発行となっています。財源の6割以上が借金ということですが、これで『責任ある』とお考えでしょうか?」と質問。

 これに高市総理は「今回の経済対策補正予算は、責任ある積極財政の考え方のもと、生活の安全保障、特に物価高の問題に早急に対応するとともに、危機管理投資・成長投資によって安全で安心な社会と強い経済を実現する取り組みに早期に着手するため、真に必要な施策を積み上げて取りまとめたものです。その結果、一般会計における国債発行額が11.7兆円程度となりましたが、補正予算後の当初予算と補正予算を合わせた補正後の国債発行額については昨年度を下回っているので、財政の持続可能性にも配慮をした姿となっております。この経済対策補正予算に盛り込んだ施策を着実に実行に移すことを通じて、強い経済の構築と財政の持続可能性の実現を両立させ、それを次の世代に引き継いでいく取り組みが、今を生きる私たちの将来世代に対して果たすべき責任だと考えています」と回答。

 続けて本庄議員は「総理は繰り返し『当初予算と補正予算を合わせた補正後の国債発行額が昨年度を下回っている』と言っておられます。2024年度が42.1兆円で今年度は40.3兆円だということで、2兆円減ったということですが、コロナ以前と比べれば依然として巨額の国債発行、そして歳出を見れば、コロナ後最大の133.5兆円となっています。総理が財政の持続可能性に十分配慮したという根拠はどこにあるのでしょうか?」と迫った。

 高市総理は「私は『財政の健全化』という言い方ではなく『持続可能性』という言葉を使っております。やはり真に必要な施策をしっかりと積み上げたものであるということ、それから、補正後の国債発行額については昨年度を下回っている。これは財政の持続可能性にも十分配慮した姿だと考えてます。政府としては、成長率の範囲内に政府債務残高の伸び率を抑えて、政府債務残高の対GDP比を引き下げていくことで財政の持続可能性を実現してマーケットの信任を得ていく考え方です」と答えた。

 さらに本庄議員は「昨年度の42兆円は予算ベースですが、実績ベース、決算で見ると実は5兆円も余って37兆円なのです。かなり水増しされた42兆円を下回ったからといって、財政の持続可能性にも十分配慮したとは到底言えないと思います。その上で総理、成長率の範囲内に政府債務残高の伸びを抑え、政府債務残高の対GDPを引き下げていくと繰り返しおっしゃっていますが、成長率・物価上昇率・金利、こういった要素は政府が直接コントロールできないと思います。どうやって成長率の範囲内に政府債務残高の伸びを抑えるのか、具体的に説明していただきたい」と質問。

 これに高市総理が「成長率の範囲内に、ということで申し上げましたが、とにかく緊縮財政でどんどん先細っていく形がふさわしいとは私は思っておりません。やはり、今を生きる私たちがなんとなく『将来不安だな』と思っている。これからを生きていく若い方々がこれからの日本の将来に対して不安に思っておられる、これを取り除いていきたいというのが私の強い思いです。この成長戦略の肝をまず危機管理投資とした。今、特に先進諸国では官民でしっかりと協力して投資を行って、世界共通課題と言われるような様々なリスクを最小化していく、そういった取り組みが始まっています。それは相当熾烈な競争にもなりつつあります。そこで危機管理投資と言ったが代表的なものとして食料安全保障、こういった問題についてもしっかりと対応していきます」とここまで答えたあたりで議場内に激しいヤジが飛び交った。

 高市総理は気にすることなく「エネルギー資源安全保障にも対応していく。そういった取り組み、こういった成長によって生み出す果実をしっかりと皆様に示していくこれが大事だと私は思っています。成長する未来を次の世代に残していくことが私たちの責任だと思いますし、稼ぎ出す力をしっかりつくっていくことは今始めなきゃ間に合わないと私は考えています」と述べた。

 ここで、枝野委員長「不規則発言はおやめください。一方、答弁は質問に端的にお答えください」と語気を強めた。

 本庄議員は「端的どころかそもそも答えていただいてない」と不満を口にした。

ABEMA NEWS)