岡田華子議員
【映像】黄川田大臣の「相談」6連発に「えー」のヤジ
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 政府は物価高対策として、重点支援地方交付金を拡充するが、今回、食料品の高騰対策として「特別加算」が設けられている。何が「特別加算」の対象になるかをめぐって、9日の衆議院予算委員会で議論が繰り広げられた。

【映像】黄川田大臣の「相談」6連発に「えー」のヤジ

 立憲民主党の岡田華子議員は、「今回重点支援交付金の中には食料品の高騰対策向けの特別加算枠がございます。政府から自治体に示された食料品対策の推奨メニューにはプレミアム商品券、電子クーポン、地域ポイント、おこめ券、食料品の現物給付という5つが例示されております。そこで黄川田大臣にお伺いしたいんですけれども、これ以外の使いみち、例えば水道料金の引き下げに特別加算枠を使いたいという自治体がいた場合これは可能でしょうか?」と質問。

 黄川田大臣は「基本的には食料品に関わるものですので、それについて特別加算枠というものが設けられております。また別途の使いみちについてはご相談頂いてそれで適宜考えるということになると思います」と答弁した。

 岡田議員が「食料品に関係していないから水道料金はダメだということですね。水は食料じゃないからダメなのかという点についてお答えをお願いします」と再度質問すると、黄川田大臣は「ダメだと言っておりません。それは相談に乗りながら考えるということでございますし、また(特別加算とは)別の推奨メニューとして水道等も設けているということでございます」と答弁した。

 岡田議員は「今のご回答を踏まえますと、食料品対策という名目であれば加算枠についても水道料金に加算枠も含めた交付金の全額を使えるという理解をしてもよいということでしょうか」と確認。

 黄川田大臣は「適宜相談していただければと思います」と答え、議場はざわついた。

 岡田議員は「誰に相談すればいいのかご回答お願いします」と質問。

 黄川田大臣は「内閣府に相談していただければと思います」と答え、議場は再びざわつき、「えー」のヤジも飛んだ。

 「相談して」を連発する大臣に、岡田議員は苦笑しながら、「内閣府、いまの回答についていかがでしょうか」と今度は内閣府の事務方に質問。

 内閣府の担当者は「ご質問のあった食料品の物価高騰に対する特別加算についてですが、大臣から先ほど答弁させていただいたとおり、家計への直接的な支援などを念頭に置いているものですので、その活用にあたってはそれぞれ自治体の判断でそうした目的のために使っていただくことを想定しています。一方で食料品支援とは別ですけれども、ご指摘の水道料金の減免につきましては自治体にお示ししている推奨事業メニューに明記をしています。交付金の予算規模といたしましても昨年度の6000億円から2兆円に拡充する中で、しっかりご活用いただけるよう措置しています」と答えた。

 岡田議員は「水が食料品に含まれるのかどうかについて今のご答弁ですと食料に直接的な支援であることが前提ですというような趣旨と伺いましたけれども、水も食料に含まれるのか、それから交付金の全額を水道料金の減免に充てたいという自治体が現れた場合にどういう回答になるのかについて見解を明確に示していただきたい」と再度質問。

 黄川田大臣は「まず水道対策についてはですね、推奨メニューを設けております。そしてこの食料品の加算については適宜自治体の相談に応じて考えられるものだと思っております」と、5回目となる「相談」のワードを出して答えた。

 岡田議員は続いて、食料品高騰対策の「特別加算」の推奨メニューとなっている、プレミアム商品券、電子クーポンについても問いただす。

 「もう1点ですね推奨メニューの中にある商品券やクーポン券の所に移りたいんですけれども、これは食料品にも使える券として発行されることが多いと思います。そういった券の場合、全額を食料品以外のもの例えば全額洋服を買っちゃったというようなこと、そういったことは許されるのでしょうか」と質問した。

 黄川田大臣は「食料品の物価高騰に対する特別加算については、市町村において生活者に対する食料品の物価高騰への支援をさらに手厚く実施しているということでございます。また生活者への食料品支援を含むものもあれば、食料品以外にも使える商品券や電子ポイントの給付などの消費の下支えの取り組みも併せて実施することも可能である旨をお伝えしているところでございます」と答弁。

 岡田議員は「今のご回答の理解としては、全額洋服に使ってしまったとしてもそれは返還を求められるようなものではないということでよろしいでしょうか」と確認。

 黄川田大臣は「食料品以外にも使える商品券や電子ポイントの給付などの消費の下支えの取り組みと併せて実施することも可能であるということでございます」と答えた。

 まどろっこしい答えを受けて、枝野委員長が「もう1回だけ聞いてください。岡田さん」と指名。

 岡田議員は「洋服にも全額使っていいという理解でよろしいでしょうか」と質問。

 枝野委員長は「黄川田大臣、端的にお答えください」と注意しながら指名。

 黄川田大臣は「その点についてもですね、これもご相談のうえ適宜組み合わせることができるということでございますので、それはそれで考えていただければと思う」と答弁。

 再び出てきた「ご相談」というワードに議場がざわつくなか、岡田議員は「非常に使い方が難しい、基準があいまいというような印象を受けました。食料品に使ってもいいのか全額(洋服に)使っていいのかそういった点あります。そもそものところで、特別加算枠の使いみちを食料品に限定する意味があったのかというところが問題かと思います。自治体が水道料金に全額を充てたいというのであれば全額それに使わせると、自治体の裁量に任せたほうがよっぽど支援が速やかに届くのではないかという点をお伝えしてこの点は終わりたいと思います」と締めくくった。(『ABEMA NEWS』より)

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