9日の衆院予算委員会で企業団体献金をめぐって立憲民主党の後藤祐一議員が高市早苗総理や小泉進次郎防衛大臣を追及する中、議場内がヒートアップした。
【映像】ヒートアップ→枝野委員長も笑い国会が“カオス”に(実際の様子)
代表を務める政党支部にて資本金額に基づく上限を超える1000万円の寄付を受けたことを後藤議員から追及された高市早苗総理は「支部を代表する者として大変申しわけなく存じます」と、小泉進次郎防衛大臣は「今後はしっかりと寄付を受ける際の確認作業を徹底して再発防止に努めたいと思います。すみませんでした」と謝罪。
これを受けて後藤議員は「なぜこの話をしたかというと、総理はこれから日本版DOGE(政府の無駄を省くための行政組織)で補助金だとか会社の租税特別措置とか切り込んでいくと勇ましく言っておられる。ところがこんな750万円とか1000万円とかそこまでいかないにしても、もっと全然小さい額でも『あ、この租特(租税特別措置)切るとあの会社が迷惑あるだろうな』とか顔浮かんじゃいません? 自民党の皆さん」と投げかけると議場内がざわついた。
続けて後藤議員が「今ちょうど税の大詰めの時期だと思いますが、全然浮かばないとか言っているけど本当ですか?」と話すとさらに議場内が騒然となり枝野幸男委員長が「ご静粛にお願いします」と注意した。
その後、後藤議員は「浮かぶ人浮かばない人がいるでしょう。もうしゃあしゃあと浮かばない人は大したもんだと思いますが、そうは言ってもやはりこういった租特とか補助金に切り込む時に、やはり企業団体献金があるとないではえらい違いなわけです。だからこそこの企業団体献金の議論を早く決着つけようと言っているわけですよ。我々は本来禁止すべきだと思いますけれども、なかなか過半数揃わないのでもうちょっと規制強化という形でどうかというところに我々も賛同する方向ですけれども、きょう午前中、政治改革特別委員会が開かれてそこでこの法案の審議がこの臨時国会で初めて行われました」と述べた。
ここからさらに後藤議員は語気を強めて「これ初めて行われたんですよ。つまり、去年からずっと議論していて、通常国会でもさんざん議論して、我々はこの臨時国会10月21日に始まって『企業団体献金を早く議論しましょうよ』と。ところが『与党側が新しい法案を出すので、審議するのを待ってほしい』ってずーっと審議を政治改革特別委員会で始めるのを待ってくれってずっと言っていたんですよ。それで先週の金曜日にようやく自民維新案が出てきたんですよ。我々はずっと前から『議論しよう』と言っていたんですよ。それで早く決着がついてれば議員定数の話できたかもしれないじゃないですか。だけどずっと『待ってくれ』って与党が言っていて金曜日に企業団体献金に関する自民維新案が出てきて審議しましたが、『早く採決しろ』とかあるいは議員定数削減法案と並行で審議しろとか、むちゃくちゃじゃないですか総理」と憤った。
さらに「何でもっと早く審議しなかったんですか? 高市総理は『そんなことより』とかいろいろおっしゃってましたけれども、一つ確認したいと思いますが、この企業団体献金の関連法案と議員定数の削減の法案とこれはどっちの優先度合いが高いということではないということでよろしいですね? われわれは本来企業団体献金法案の方が優先度が高いと思っていますが少なくとも議員提出法案の優先度が高いということはないということでよろしいんですね?」と確認した。
高市総理は「もう既に衆議院に提出された議員立法案ですね両方とも。その優先順位について内閣総理大臣の立場でお答えするわけには参りません。国会の運営に関わることだと思います」と回答。
後藤議員は「国会にお任せいただけるということだと思うんですけれども、国会のルールは『先入れ先出し』。つまり先に審議にかかったものを先に処理してそれが終わったら次の法案、これが大原則なんですよ。ですからそれに従っていただくということでよろしいですね? つまり企業団体献金はずっと審議してきているわけですから先に入っているわけですから企業団体献金の法案を処理して、それが終わったら議員定数の法案ということでよろしいですね? 国会にお任せするということはそういうやり方をしようと、国会のほうで議論になっていったら自民党の総理総裁として口出しはしないということでよろしいですね?」と迫ったのだが、ここで“何か”を発見。
「何でそこでメモが入るんですか? どんなメモを政府側が作ってるんですか?」と指をさして指摘した。
高市総理はメモについては触れず「先ほど来申し上げておりますけれども、これも議員提出法案として国会に提出されたものですから、その取り扱いについては国会において決められるものだと思っております」と回答。
さらに後藤議員が「もう一度確認します。口出ししないということでよろしいですね?」と確認し、高市総理は「内閣総理大臣口出しをいたしません」と回答。
後藤議員が重ねて「自民党総裁としては口出しするってことですか?」と聞くと枝野委員長も思わず吹き出し、議場内に笑いが起きた。
高市総理は「自民党総裁としても別に議案の順番については口出しをいたしません。国会でお決めいただくことだと考えております」と答えた。
後藤議員は「重要な答弁だと思います。ぜひこれは与野党で議論を進め方について『先入れ先出し』で議論していきたいと思います」と話した。
(ABEMA NEWS)
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