中国レーダー照射 公開音声に小泉大臣反論 アメリカ国務省「平和と安定に資さない」
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 中国軍による自衛隊機へのレーダー照射問題で日中の応酬が続く中、アメリカが初めてコメントし中国を批判しました。

【画像】中国軍の公式SNSに小泉大臣とみられる劇画タッチの人物 「デマ」の文字も

中国の公開音声に小泉大臣が反論

小泉進次郎防衛大臣
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「中国国営メディアが報じた音声の一つ一つについて、コメントすることは差し控えるべきですが、飛行訓練を開始する旨の連絡があり、その内容を聞き取りました」

 10日、小泉進次郎防衛大臣が言及したのは、中国側が公開した現場海域での日本との無線のやりとりです。

中国側
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中国側
「こちらは中国海軍101艦。当編隊は計画通り、艦載機の飛行訓練を実施する」

日本側回答
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日本側回答
「こちらは日本116艦。メッセージを受け取った」

 中国側から訓練を開始すると連絡があったことは認めましたが、小泉大臣はこう反論しました。

「具体的な情報は自衛隊にもたらされておらず、訓練を行う時間や場所の緯度経度を示すノータム=航空情報もなく、船舶等に示す航行警報も事前に通報されておりません。その結果、危険の回避のために十分な情報がありませんでした」

 これに対して、中国外務省の郭嘉昆副報道局長はこう話しました。

中国外務省 郭嘉昆副報道局長
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「日本は先に意図的に妨害し、その後にデマを流して騒ぎ立て、この茶番劇を計画し、騒ぎを起こした者であることを十分に証明しています」

 中国軍の公式SNSに投稿された画像には、小泉大臣とみられる人物の会見風景を劇画タッチで描き、「デマ」の文字が記されています。

中国軍の公式SNSに投稿された画像
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 小泉大臣はこうも述べました。

「問題の本質は、我が方が対領空侵犯措置を適切に行う中において、中国側が約30分にわたる断続的なレーダー照射を行ったことだということであります」

 中国側は3日前、相手の位置を探す捜索レーダーを起動することは正常な行為だと主張しましたが、以来この件に関して新しい発信はありません。

捜索レーダーの起動は正常
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 日中の対立が深まる中、これまで静観していたアメリカ国務省の報道官が初めてコメントを出し、日米は緊密に連携を取り合っていることを強調しました。

アメリカ国務省の報道官
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「中国の行動は地域の平和と安定に資するものではありません」(9日)

 これに対して、中国外務省の郭嘉昆副報道局長はこう発言しています。

「日本の同盟国は日本のペースに巻き込まれないよう警戒を高めるべきです」

中国とロシアが共同飛行
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 ロシアと共同で爆撃機を四国沖まで飛行させた中国。10日午後4時ごろから、およそ2時間にわたり沖縄県尖閣諸島周辺の領海に機関砲を搭載する中国海警局の船が4隻相次いで侵入し、威圧行動を続けています。

(「グッド!モーニング」2025年12月11日放送分より)

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