
10年ぶりの日本人ダブル受賞となったノーベル賞の授賞式がスウェーデンのストックホルムで開かれ、制御性T細胞を発見した大阪大学・坂口志文特別栄誉教授(74)と、多孔性材料を開発した京都大学・北川進特別教授(74)にメダルが授与されました。
【画像】手にしたメダルの“重み”とは ノーベル賞授賞式に坂口氏・北川氏
待ちわびた授賞式とメダル

ノーベル賞授賞式の会場は、100年以上の歴史を持つ管弦楽団の本拠地、ストックホルム・コンサートホールです。1500人以上の家族や共同研究者らに加え、街を挙げて、たくさんの市民も祝福します。孫を連れて見守る人は。
地元の人
「孫と一緒に、自分なりに少しでもお祝いしたいと思って」
1週間ほど前に現地入りした後、記念講演など恒例行事が目白押しでした。
大阪大学 坂口志文特別栄誉教授
「子どもの質問は実に単刀直入で『どうしたらノーベル賞をとれますか』と聞かれます」

坂口さんは、大阪大学のマスコット『ワニ博士』を引き連れて。

京都大学 北川進特別教授
(Q.いよいよメダルの授与式ですが)
「明日はもう、しっかりメダルをいただくだけです」
化学賞3人のうち、最初に呼ばれた北川さん。リハーサルして臨みました。生理学・医学賞の坂口さん。同じ分野で研究を続け、支え合う妻の教子さんも喜びを共にします。

晩餐会は市庁舎で。ビクトリア皇太子をエスコートしたのは北川さんです。テーブルクロスの長さは約800メートル。絢爛豪華な設えには丸1日かけられました。アルフレッド・ノーベルが生きた19世紀をイメージした銀製カトラリーが並び、提供されたのはポルチーニ茸などを使った料理です。
共同受賞者らと行った会見で、北川さんは、基礎研究への長期的な助成を訴えました。

京都大学 北川進特別教授
「基礎研究は成果が出るまで時間がかかるので、25年くらいが望ましいものの、政府はそこまで待ってくれません」
日本の戦略的基礎研究への助成金は5年ほどだといいます。
10年ぶりの日本人ダブル受賞となった2人。坂口さんは「メダルは結構重たい。人生で特別な日になると思います」と話していました。
「ノーベル賞もらったと実感」

坂口さんと、北川さんの会見がスウェーデンの日本大使館で始まりました。

大阪大学 坂口志文特別栄誉教授
「ノーベルウィークということで1週間くらいこちらに来ておりますが、毎日いろんなイベントがありまして、それをこなしているというところだったんですが。昨日、セレモニーがありまして、国王からメダルをいただきまして、非常に光栄に思っております」

京都大学 北川進特別教授
「ノーベルウィークの一番重要なのは『レクチャー』だと聞いていまして。それには一生懸命、精力を用いてやったんですが。余裕があまりないというか、どんどんどんどん考える前に行事は進んでいくんですが、さすが授賞式はなるほどと思いました。一人ずつメダルを受けたんですが、その時にはノーベル賞をもらったんだなという実感がわきました」
