
ノーベル平和賞を受賞したベネズエラの野党指導者、マリア・コリナ・マチャド氏(58)が、国外脱出という危険を冒してノルウェーのオスロにたどり着きました。政権側から監視対象になっているため、かつらで変装して漁船に乗り。カリブ海の小国を経由するという一部始終が分かってきました。
【画像】麻薬密輸船だとしてベネズエラ船舶への空爆を続けるトランプ大統領
授賞式には間に合わず
支援者たちの大歓声に、笑顔で手を振るマチャド氏。数時間前に行われたノーベル平和賞の授賞式には間に合わず、代わりに娘のアナさん(34)が出席しました。
ベネズエラの政権側から弾圧を受けるマチャド氏。最後に公の場に姿を見せたのは、今年1月のマドゥロ大統領の就任に抗議する集会でした。
「あすが政権の終えんになります。憲法と国民主権に対する罪を犯せば彼らは終わります」(今年1月)
マチャド氏が緊密に連携を深めているのが、アメリカのトランプ大統領です。
マドゥロ大統領の退陣を要求し、ベネズエラへの攻撃を示唆。麻薬密輸船だとしてベネズエラ船舶への空爆を続けています。
「私の使命は、この賞を受け取りに来てベネズエラの人々に持ち帰ることでした」
マドゥロ政権から許可を得ず出国すれば、「逃亡者」とみなすと警告されてきたマチャド氏。どうやってオスロまでたどり着いたのでしょうか。
ウォール・ストリート・ジャーナルによりますと、マチャド氏が移動を始めたのは8日の午後。潜伏していた首都カラカスの郊外から10時間かけて漁村へ向かいました。
移動中はかつらで変装し、10カ所の軍の検問を通り抜けたといいます。
9日午前5時、木製のボートでカリブ海に浮かぶオランダ領のキュラソー島に10時間かけて渡り、トランプ政権が派遣した救出を専門とする業者に出迎えられました。
そして翌日、ビジネスジェットでアメリカ東部のメーン州へ。ただ、この時すでに授賞式に間に合わせるのは絶望的でした。
「民主主義こそ社会に平和」
ノーベル委員会 フリドネス委員長(TEL)
「あなたが無事で良かったです」
マチャド氏(TEL)
「私もです」
アメリカを出発し、オスロへ向かったマチャド氏。授賞式には間に合いませんでしたが、その表情は晴れやかでした。
「民主主義こそが社会に平和をもたらす制度です。しかし、自由なくして民主主義はあり得ません。私はベネズエラが自由を取り戻し、民主主義の希望の光となることを期待しています」
(「グッド!モーニング」2025年12月12日放送分より)
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