
1年の世相を漢字1文字で表す「今年の漢字」が京都の清水寺で発表されました。2025年の「今年の漢字」には「熊」が選ばれました。
【写真】振り返るこれまでの「今年の漢字」 最も選ばれたのは…
12月12日午後2時すぎ、森清範貫主の揮毫で発表されました。応募総数189,122票のうち、「熊」は23,346票を集めました。
今年は全国各地でクマの目撃情報が相次いでいます。クマによる被害者数・死者数は過去最多となっていて、警戒が続いています。
また「熊」の理由には、「熊」猫(パンダ)としてもあげられました。和歌山・白浜町にあるテーマパークから、4頭のジャイアントパンダが中国に返還され、国内のジャイアントパンダは2026年返還予定の上野動物園の2頭だけになりました。
2位は「米」 3位は「高」
■2位 「米」 23,166票
2024年から続くコメ不足による、価格の高騰、備蓄米の放出。「令和の米騒動」とも呼ばれ、注目を集めました。
また、アメリカ(米国)トランプ大統領の就任、相互関税発表による混乱など、国内も大きな影響を受けました。
■3位 「高」 18,300票
女性初の総理大臣に就任した高市早苗氏。物価「高」、また金や日経平均株価の「高」騰なども、生活に大きな影響を与えました。
4位~7位 万博にまつわる漢字
■4位 「脈」 6,418票
大阪・関西万博が開催され、公式キャラクター「ミャクミャク」が人気に。万博による人や文化の交流、女性初の総理大臣誕生など、世の中の“「脈」動”を感じたことを理由にあげています。
■5位 「万」 5,656票
■6位 「変」 5,296票
■7位 「博」 5,114票
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日経平均株価が5「万」円を突破。自公連立政権の枠組みの「変」化、AIの進化など、大きな「変」化を感じた一年だったことも理由にあげられています。
坂口志文氏と北川進氏2人の「博」士がノーベル賞を受賞したことも注目を集めました。
8位~10位 初の女性総理にちなむ漢字も
■8位 「女」 3,682票
女性初の総理大臣、女性市長による騒動なども話題になりました。また「女形」が主人公の映画「国宝」の大ヒットも注目を集めました。
■9位 「新」 3,658票
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AIなど「新」技術の普及も多くの人の関心を集めました。
■10位 「初」 3,067票
スポーツ界ではイチロー氏が日本人で「初」めての米国野球殿堂入り、ドジャースが球団史上「初」のワールドシリーズ連覇なども理由にあげられています。
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11~20位の漢字は次の通りです。
■11位 「暑」 2,926票
■12位 「楽」 2,658票
■13位 「政」 1,947票
■14位 「金」 1,894票
■15位 「大」 1,835票
■16位 「税」 1,485票
■17位 「働」 1,266票
■18位 「愛」 1,087票
■19位 「幸」 1,074票
■20位 「国」 1,064票
30年間で最も選ばれた漢字は…

「今年の漢字」は日本漢字能力検定協会が、1995年から発表しています。1年の世相を表す漢字一字を募集、応募数の多かった上位20位までの漢字を発表します。応募数が1番多かった漢字が、京都の清水寺で発表されます。
12月12日は「12(いいじ)月12(いちじ)日」の語呂合わせから、協会が「漢字の日」と定めています。毎年「いい字」を少なくとも「一字」は覚えてほしいという願いが込められているということです。
これまで選ばれた漢字で最も多いのが「金」。これまでに5回選ばれていて、いずれもオリンピックが開催された年です。
次に多いのが、「災」「戦」「税」でそれぞれ2回選ばれています。
「災」は、新潟・中越地震があった2004年、北海道胆振東部地震や西日本豪雨など自然災害が多発した2018年に選ばれています。
「戦」は、アメリカの同時多発テロ事件があった2001年、ロシアによるウクライナ侵攻が始まった2022年に選ばれました。
「税」は、消費税率が5%から8%に引き上げられた2014年、増税の議論が注目を集めた2023年に選ばれています。
