シリーズ・クマ異変#1 過去最多…被害者が語るクマの脅威と異変とは
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 22日も秋田市内でクマが出没しました。過去最多となっているクマ被害について番組ではこの「異変」を今週、さまざまな現場を取材してお伝えしていきます。22日はクマに襲われた被害者が感じた「異変」です。

【画像】クマに襲われ頭部などを中心に大けがをした男性

クマに襲われた被害者が証言

 秋田市では22日に、市街地にある市場の倉庫にクマが入ったとの通報があり、現場は一時騒然としました。

 今年全国最多のクマが捕獲された秋田県。人への被害も相次ぎました。

クマに襲われた女性(80代)
「クマは後をつけてきたのかな。全然気付かない」

クマは繰り返し女性に襲い掛かる
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 今年10月、秋田県大仙市、午前7時ごろのことでした。クマは繰り返し女性に襲い掛かります。

「(Q.町中での遭遇は初めて?)初めてです」

 この時、背後からクマに襲われた80代の女性に話を聞くことができました。

「朝いつもの通り歩いていて、クマが来るとは…。この日はそういう状況ではなかったから」
「ここから血が出てきたから、ここだけは3、4針くらい縫った」
「ただ『クマ、クマだ』って言って、ああいう声をよく出したと今映像を見て思っているが、ただ『クマだ』って言ったことは自分でもはっきり分かる。後から映像でああいうふうに襲われたのだなって」

通りかかった車に助けを求めた
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 この直後、偶然通りかかった車に助けを求め、女性はそれ以上の被害を防げました。

 しかしあの日以来、生活には変化が。

生活には変化が
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「すぐそこでも(歩いて)出ていくのは嫌。自分で買い物に行く時は車で行く」

 今は生活に車が欠かせません。

命は助かるも…人生が激変

 この週末にもクマの影響とみられる深刻な被害が。

 宮城県では20日、山林でイノシシ用のワナにかかったクマに襲われたとみられる猟友会の80代男性が死亡。

ワナにかかっていても激しく威嚇
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 同様に別の動物用のワナで捕まったクマを見てみると、ワナにかかっていても激しく威嚇。猟友会のメンバーでさえも不意に遭遇すると命を落とすクマの攻撃。

 今年、クマによる死者数は過去最悪となる13人。新聞配達中にクマに襲われた男性が取材に応じてくれました。

クマに襲われた男性(70代)
「『あっ』と思ったら、顔面バーンって。だから戦ったのも5~6秒だと思う、時間的には」

 頭部を中心に大けがをした男性。この時とっさの判断で命を守りました。

「こっちは全然来ると思っていないし、突然、びっくり。怖いとか言っている暇もない」

頭部を中心に大けがをした男性
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 男性はやぶから飛び出してきたクマに襲われ、頭部などを中心に大けがをしました。そして仕事も…。

「辞めた。もうすぐ、『辞めます』って言った。やっていられないから。今回はたまたま軽傷で済んだけど。今、無職」

被害者感じた今年のクマの異変は

「今年はクマから来る」
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クマに襲われた男性(70代)
「従来のイメージだとクマが先に人間を察知。クマが衝突を避ける。でも今年はクマから来る。だからどうしようもない」

 そんな人を恐れず向かってくるクマと対峙した時に。

「このままじゃまずいと思って。とっさに防御姿勢。防御姿勢をとったら攻めてこない」
「ただ鼻息が聞こえた。だからそばにいるのは分かる。でも攻めてこない」

 男性はとっさに頭などの急所を守る防御姿勢をとり、クマの攻撃は収まったといいます。

 クマから命を守ることができた男性が最後に伝えたいことがありました。

「その人にとっては一生に関わること」
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「命に別状はないが、その人にとっては一生に関わること。クマは遠慮ない。深手を負った人は大変」

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