ヤクルト・村上宗隆選手のメジャー入りが決まりました。
球団は、シカゴ・ホワイトソックス。契約内容は、2年総額で約53億円7200万円です。
村上選手の出身地・熊本では、号外が配られました。
号外もらった人
「まずは主力として出ていただくのが、一番、自分たちも楽しみなので、頑張っていただきたい。一番は長打ですね。ホームランをみたい」
号外もらった人
「やっと決まったんですね。すごいですよね。中学のときからどんどんホームラン打って。まだ若いから、あと10年は大丈夫でしょう」
熊本県を代表するマスコットの『くまモン』。公式SNSで祝福コメントを出し、来年のアメリカ出張を希望しました。
ヤクルトの高津臣吾前監督も、ホワイトソックスの帽子とともに「嬉しいなぁ…応援行かなきゃなぁ…どデカいのかましたれ!」とSNSでエールを送りました。
野球ファンが集まる居酒屋で話を聞きました。
リリーズ神田スタジアム 高橋雅光オーナー
「『海の向こうで、俺らの4番が活躍してほしい』というヤクルトファンがほとんど。(ホワイトソックスは)チームの立て直し中のところ。多少、三振が多い部分もあるが、そういうのを目をつぶって、辛抱強く使ってもらえるチャンスの多いチームなのかな。大谷選手を敵に回して、世界一を争うような活躍を見せてくれると、我々も盛り上がるのではないか」
◆メジャーリーグで、カージナルス、フィリーズの2球団で、ワールドシリーズを制覇した田口壮さんに聞きます。
(Q.村上選手の契約期限ギリギリでちょっとハラハラしましたね)
田口壮さん
「期限ギリギリで、本当、決まってよかったと思います。この期間、かなり心が揺れたと思うんですよ。いろいろな契約があるなかで、『僕、どこいくんだろう』『俺、どこにいこうか』と、人生、自分で決める瞬間ですよね。相当な覚悟を持って、『よし、ホワイトソックスに決めた』となったと思うんです。この早い段階で球団を決められたということは、早い段階からトレーニングができるので、メリットばっかり。これで、すっきりしてトレーニングに励めますね」
(Q.新たな気持ちで新年を迎えられるというのは、大きいですよね)
田口壮さん
「いいクリスマスになるでしょうし、いいお正月になるかなと思います」
◆ホワイトソックスとは、どのような球団なのでしょうか。
ホワイトソックスは、1901年に誕生した歴史ある球団。(ワールドシリーズ制覇3回)。アメリカンリーグ中地区のチームで、
大谷選手ら所属するドジャースとは別のリーグになります。本拠地はシカゴ。緯度が、函館とほぼ同じで、とても“寒い街”です。
(Q.メジャーは気候の違いだったり、移動距離が大変だとよく聞きます。経験されていると思いますが、シカゴはどうなのでしょうか)
田口壮さん
「まず、移動に関しては、中地区は、比較的に楽です。中地区だけですと、移動距離が1時間半くらいです。東に行くのに2時間半、西に行くのに3時間くらいですので、5~6時間の大移動というのは、年間通して、少ない。そういう意味では、移動に関しては、中地区は、楽なので、ほかの地区に比べ、体力的には消耗しなくて済むかなと。気候に関しては、春先、秋口は、寒いです。シカゴは“ウィンディーシティー”といわれる街なので、本当に強い風が吹くので、フォローのときは、外野フライを高くあげたら、スタンドまでいく。なので、村上選手のフォローだと、ポンポン入っていく。でも逆もあります。ただ、村上選手の高くあがったホームランは見られるのではないかなと思います」
ホワイトソックスの成績ですが、今シーズンは地区最下位。3年連続100敗と低迷中ですが、チームの平均年齢は、25.6歳と若く、これから強くなる可能性を秘めています。
今回、村上選手は、2年総額、約53億7200万円で契約合意。金額は単年で見ると、チームで2番目の高さです。
(Q.この契約内容をどう見ていますか)
田口壮さん
「ホワイトソックス自体は、ドジャースのように資金が潤沢にあるわけでなく、そのなかで、複数年の契約は出しづらいと思います。大型契約を提示するのは。そう見ると、この2年で、53億円というのは、結構なレギュラークラスの額なので、ホワイトソックスとしては、いま、出せるギリギリくらいを出してきたのではないかなと思いますし、チームとしては、再建中なので、村上選手を中心として、やっていきたいという意思の表れではないかなと思います」
(Q.村上選手にとっての、メリットはどう考えますか)
田口壮さん
「短期契約でも、これだけ契約をもらっているので、ある程度、補償された、守られた立場でプレーができる。そうするとプレータイムが多くなってきますので、そういったメリットは必ずあると思います。ただ、2年契約というのは、正直、短いかなと。僕は、最初、3年契約でいったのですが、アジャストするのが遅かったので。アジャストするのに2年かかって、3年目でメジャーに定着しているんです。人それぞれにはなると思いますが、2年はちょっと短いかなと。ただ、契約の額で補償されている、プレータイムが補償されているので、そこはカバーできると思いますので、楽しみに見たいなと思います」
(Q.メジャーリーグの平均を上回る三振率が高いといわれていますが、気にしたほうがいいのでしょうか)
田口壮さん
「全く気にする必要がないし、プレースタイルを変える必要は全くない。実は、大谷選手は、三振が多いんですよ。ナショナルリーグのホームラン王、シュワーバも三振かフォアボールが多いバッター。そういう選手たちがスラッガーといわれているので、村上選手もそういう形で、僕はいけると思っていますので、三振は気にする必要がないですし、スタイルを変える必要も全くないと思います。やりながら、ちょっとずつ変えていけるバッターだと思うし、全く心配する必要はないと思います」
(Q.起用方法はどうなると思いますか)
田口壮さん
「若い選手が多くて、ホワイトソックスの戦い方を見ていると、いろいろなポジションで回している。現地で、村上選手はファーストといわれていますが、恐らくですが、チームを作りながら、みんなで、ポジションを回しながら、誰がどこに、一番、フィットしていくのか、数の組み合わせをやりながら、ポジションが決まっていくのではないかなと思います。ただ、チームの中心であることは、間違いないです」
(Q.打順は)
田口壮さん
「打順は、2番最強説でいくなら、2番に入ると思います。あとはチームの方針ですが、2~4番までのどこかなという感じだと思います」
(Q.いろんな関係性をつくっていくチームだとすれば、村上選手にとって悪い選択ではなかったかと思いますが)
田口壮さん
「僕はいいチームだと思います。仲良くなって、今年のブルージェイズみたいな結束力のある強いチームになっていく可能性のある感じのチームだと思っていますので、楽しみな球団です」
(Q.元メジャーリーガーの先輩して、アドバイスをするとしたら)
田口壮さん
「一つ言えるのは、とにかく意思表示をしてほしい。『自分はこうです』『俺を使え』『俺を出せ』とか、ガンガン言っていくことが許される世界なので。言わないと、むしろ満足していると見られるので、そこは、しっかり意思表示をして、意見があるなら戦わせる。戦ったことによって、相手は何も思わないです。そういうのは絶対に必要になってくるので。最初は言われると尻込みしたり、黙ったりするときもあるんですけど。僕は、最初、いけなかったですね。マイナーに落とされていけなくて。自分でコツコツと点を取るようにやっていたら、監督は『打率を上げろ』と言うのですが、そこで1回、話をして。『そんなこと早く言え』とか、『出してくれ』と言ったら、『そんなことも早く言え』と言われた。『お前の意思がわからない』と、それが1年目でした。村上選手には、ガンガンいってほしいです」
