19日の記者会見で、中国のレアアース問題をめぐってフリー記者とバトルを繰り広げた小野田紀美経済安保担当大臣が、23日の記者会見でも再びバトルを繰り広げた。
【映像】バトル終了で小野田大臣複雑な表情→記者笑い(実際の様子)
19日はフリー記者が「レアアース輸入停止の被害額はご存じないのか?」と質問し、小野田大臣が「仮定の質問にはお答えいたしません」と返すなどの展開だった。
23日はこのフリー記者が損害額のデータを提示し、「中国からのレアアース輸入停止の損害額を推定した大和総研のリポートによると、損失額が1年間でGDP1.3%減、7兆円程度ということですが、こういう莫大な経済的損失が出るということを知ったうえで、大臣が『すぐに経済的威圧をかける中国依存からの脱却』を訴えられたのか、認識していたのか?」と質問。
小野田大臣は「何度も申し上げておりますが、個別の推計に関するところのコメントは差し控えますが、我が国としても他国としてもこの経済安全保障におけるサプライチェーンリスクというものは常に考えておりますし、それに対応していくことはどの国もやっていることで、私としても当たり前のことを申し上げただけです」と答えた。
記者が「莫大な経済的損失が出るということは認識していた上での発言だったのか、そこを聞いているんですが」と食い下がると、「どういう損失が出るかも含めて、 仮定のことにはお答えを差し控えます。どんな状況であったとしても、 私が経済安全保障担当大臣として、 経済安全保障に対するサプライチェーンリスクをなるべく低減していくことを行うということは当然のことです」と述べた。
記者がさらに「中国からのレアアースの輸入停止、その経済的損失額が半減するのにどれくらい時間がかかるとご覧になっているか?」と聞くと、「具体的なことは申し上げません」と即答。
さらに記者は「結局、高市政権というのは、対中国強硬姿勢を貫くことで高支持率をキープすると、それを優先しているんじゃないかと、国民生活二の次、内閣支持率ファーストのように思えるんですが、違いますか?」と別の角度で聞いた。
これに対し小野田大臣は「ちょっと何言ってるかわからないんですが、 我々は常に日本国のための政策を前に進めることしか考えておりませんので、支持率を考えて政策をしている人はいないと思います」と述べた。
これで終了かと思いきや、ほかの記者の質問を挟んで、会見終盤にバトルは再燃した。
先ほどのフリー記者が今度は「これだけ日中環境を悪化させた政権もかつてないんじゃないかと思うんですが。国益を棄損している。インバウンドが減少したり、パンダがいなくなっちゃったりですね、そういう経済的損害については、どう受け止められているのでしょうか。高市総理ちょっと発言を慎むべきではないかとか、反省とかあればお聞かせください」と質問。
小野田大臣は「そのようなものは全くございません」と即答した。
フリー記者が「日中関係悪化しても、経済的損失が出ても全然関係ないというお考えなんでしょうか」と食い下がると、「特にコメントはございません」と再び即答。
フリー記者は「改善しようという意気込み等はないんですか?日中関係が悪化したのを改善しようと、今までかつてのような火に油を注ぐような発言は控えると、そういう反省はないんですか?」とさらに追及。
小野田大臣は「我が国として自分の国の考えをしっかり述べていくこと、他国に忖度をするのではなく、自分の考えをしっかり述べていくことは非常に重要だと思っておりますし、これからもそのようにしていくべきだと考えています」と答えた。
フリー記者が「分かりました。それで経済的損失が出てもいいというのが基本姿勢だと理解しました。ありがとうございます」と締めると、小野田大臣は何ともいえない表情に。ほかの記者からは笑いもこぼれ、つられて小野田大臣も複雑な笑顔を見せ、会見は終了した。(『ABEMA NEWS』より)
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