
年末年始にかけて増加する空き巣などの窃盗被害で新たな手口です。ターゲットの家に残される「マーキング」といわれる目印が今、デジタル化しているというんです。
【画像】犯罪グループに共有されている? “人目につきにくいところ”に謎の暗号
巧妙化するマーキング
22日、静岡で現金およそ1000万円が奪われた事件。被害に遭った住宅の1階の窓の鍵が開いていて、男らがそこから侵入したとみられることが新たに分かりました。
HOME ALSOK事業部 HA企画課
松田博充課長
「未施錠からの侵入というのは非常に多いので、施錠を徹底するのも重要」
こう話すのは、住宅セキュリティーのプロ・ALSOKの松田さんです。
「年末年始犯罪が増えること、長期で自宅を空ける人が多いので、そういう声掛けしている」
年末年始の今の時期、増えるのが空き巣です。
旅行や帰省で家を空ける人が多く、お年玉などの出費のため、家に現金を置く機会が増えるのも理由の1つです。
そして、窃盗グループの多くが行うのが住宅の下見だといいます。
実際に下見をする様子を捉えた映像では、深夜、住宅街の道路にライトを消した一台の車が止まります。フードを被った2人が降りてくると…塀に上って住宅の中を確認します。
2人で指をさしながら何かを確認する様子も。
恐ろしいのは、下見による情報が窃盗グループに共有されることです。
警察が押収したメモには…。
「夫50代 出勤時間 9時半から」
「妻 9時半からパート 家にいることが多い」
詳細な家族構成や、別居する娘がいつ帰宅するのかまで書かれていました。
さらには、階段や扉といった経路、物置の位置など住宅の詳細な間取りまでもが記されています。
情報がわたることにより、被害に遭う確率は高まります。
窃盗被害どう防ぐ
専門家は、狙われないためにある“印”があるかを確認することが重要だといいます。
松田課長
「ローマ字を使ったもの、電気メーターにシール、石を置く、マーキングが最近よくあるやり口かなと」
その実際の写真では、知らぬ間に表札にシールが貼られ…メーターには謎の文字が書かれています。
マーキングは、郵便受けやメーターなど“人目につきにくい所”に書かれ、住人の属性や侵入しやすさなどが暗号を使って犯罪グループに共有されているのです。
松田課長
「男性であればM、女性であればW、マンとウーマンだと思うが、あと一人暮らしであればSとか、そういったローマ字を使ってマーキングをしている情報がある。マーキングをすることで、グループに対する情報共有の可能性。写真を撮って警察に届けたうえで、マーキングを消す対応を」
マーキングも“デジタル化”
しかし、こうした情報は広く公開されるようになり、今は住人に把握されないよう手段が巧妙化してきているといいます。
松田課長
「最近だと別に“行かなくても”現地の様子が見られたりするので、そういうのを悪用するケースも」
今は下見もオンラインで済ませ、住人の情報も地図アプリ内でグループだけで共有されている可能性があります。
こうなると、自分の家がターゲットになっていることを把握することができません。
専門家は、そもそも狙われにくい環境を作ることが大事だといいます。
「例えば、狙われやすい家というのは郵便ポストの中に郵便物がたくさん入っていて、整理整頓されていない=家にいない、不在がちなお家であったりとか、 あとは周りから見えにくくて入りやすい環境、こういったお宅というのは犯罪に狙われやすい傾向にあります。マーキングをされない、狙われにくい環境を作ることが大事。あとは単純だが施錠。未施錠の所からの侵入が非常に多い。施錠を徹底するのも重要」
