
広大な土地の草刈りに、機械でも除草剤でもなく、ヤギを投入した所があります。これが結構な名案でした。
【画像】生い茂る雑草を一心に食べるヤギ 貸し出す事業を立ち上げた25歳社長の思いとは
ヤギ2匹をレンタル 想定以上の成果
群馬県高崎市にある研究施設。駐車場に生い茂る雑草を一心に食べているのはヤギです。
この研究施設は森林に隣接し、敷地はおよそ31万平方メートル。東京ドーム7個分の広さがあり、草刈りには毎年、人手とコストがかかっていました。
いろいろ悩んだ末、企業からヤギを2匹レンタルしてみることにしました。
QST 高崎量子技術基盤研究所
谷口聡史氏
「どうしても雑草とか木の伐採とか、そういった研究所の管理で、除草には毎年お金や人的コストをかけています。職員同士の雑談で、ヤギに草を食べてもらったらどうだという話が出た」
すると、想定以上の成果がありました。
「当初1カ月で食べてくれるかなと思っていた範囲をほとんど食べ尽くしてしまった。いい意味での予想を超えた」
1カ月間、2匹のヤギをレンタルしてかかった費用は10万円ほど。想定していた範囲の草は、ほぼなくなりました。
思わぬ良い影響は他にもあるといいます。
QST 高崎量子技術基盤研究所
山崎花衣氏
「見に行くと寄ってくるので。かわいい」
職員たちから「癒やされる」といった声が上がり、心配していた臭いや鳴き声を巡るトラブルも起きませんでした。
谷口氏
「研究所内でも当然話題になりますし、普段接することのない職員とヤギの散歩などを通じて話すことで、新たな人間関係もできたり」
ヤギによる除草はクマ対策効果も
ヤギを貸し出す事業を立ち上げたのは、25歳の男性です。
むじょう 前田陽汰社長
「人口は減りますけど国土は減らないので、人が減っていって耕作をしなくなった農地を活用するでもなく荒廃させるでもない第3の選択肢。土地の可能性を消さない形で、どう維持していくかに関心があった。そこでヤギを放牧するという選択肢」
5年前、慶応義塾大学在学中に起業し、去年11月、自然豊かな神奈川県湯河原町にヤギ牧場を開きました。
「粗放的な管理をしつつ、別のところで収益を作っていく。そういう形の方がヤギを飼った人も小商いできたり、選択肢を自分たちが開発していけたらいいなと」
ヤギによる除草は、クマ対策としての効果も期待されています。
クマに詳しい
岩手大学 山内貴義准教授
「ヤギやヒツジなどの草食動物が下草を食べることによって見通しを良くする。見晴らしを良くして、野生動物の出没を抑制する」
(「グッド!モーニング」2025年12月24日放送分より)
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