
26日が仕事納めで、忘年会という人もいるのではないでしょうか。今、名古屋市発祥の立ち飲み店が関東に急拡大しています。人気の秘密は「親近感」でした。
【画像】一番人気の「ればテキ」1本253円 とろけるような食感
「会話が楽しい」接客
焼きとんは1本99円から。連日満席が続く「立呑み焼きとん大黒」。一番人気は、とろけるような食感が特徴の「ればテキ」1本253円です。
絶妙な火入れ加減で焼いたレバーとごま油ベースのネギだれがよく合います。
26日時点で東海地方を中心に51店舗を展開し、今、首都圏への出店を加速させています。
東京・大田区、JR蒲田駅から徒歩3分、繁華街のど真ん中にあるのが蒲田東口店です。
人気の秘密は「親近感」です。常連客にはいらっしゃいませのあいさつだけではなく、愛称で。このお客は「ほいちゃん」です。
毎日訪れる別の常連客(50代)にその理由を聞きました。
「やっぱり、スタッフが楽しい。ここで知り合ったお客さん同士で会話していても楽しいし、なんにしてもお手軽に入ってこられるから、いいかなって」
常連への“近い接客”が売りですが、初めての客がやってくると、客の様子を観察しながら声掛けのタイミングを探ります。
ドリンクを出す時には、仕事終わりにうれしいさりげない一言を添え、笑顔で提供します。初めて来店した客(50代)もこう話します。
「(初めてでも)とてもフレンドリーな感じで、楽しめています」
立ち飲み、やきとんといえば「おじさん」「ひとり飲み」というイメージですが、ちらほらと女性客の姿もありました。
常連客(20代)
「気づいたら、ふらっと入っちゃうぐらいには、やっぱり楽しいし」
「ひとりで飲んでいても、そっとしておいてくれたりもするし、逆にみんなとつなげてくれたりもして、そこがすごい魅力的だなって」
コミュニケーションを押し売りしないのも魅力の一つです。
コックピット型で効率運営
およそ10坪の店内には厨房(ちゅうぼう)を囲むようにカウンターがありました。入り口の目の前に焼き台を配置し、焼き台の前に立てば店の中も外もすべて見通せる作りになっています。
光フードサービス関東エリア
宮下駿マネージャー
「最悪1人でも手が届くようなところを大事にしている。一歩下がるとお客さん全部が見渡せるような状態になっているので、そういうのも1個作りの特徴かなと思います」
厨房のスタッフの足の動きを見ると、2歩で届く範囲にすべてのものがそろっていることが分かります。
「メインは焼き場になるのですが、それ以外のドリンクや作業場も1歩、2歩くらいで手が届くような位置にあるというのが結構特徴で。あとは物の管理もどこに何があるのかとか、そういうのもしっかり会社として決めている」
人件費の削減にもつながり、効率的な運営を可能にしています。
カウンターの高さにも秘密があります。
光フードサービス広報 平瀬葉子さん
「一般的な男性が立ち飲みするのに、ちょっとひじをついたり少し高めにすることで、いろんな使い方をしていただけるようにしています。基本的にはサラリーマンの方が仕事帰りに使っていただくことが多いので、ちょっと砕けた格好をしながら、飲んでいただいたりというのができやすいようにしております」
滞在60分の高回転率
通常の飲食店のディナータイム平均滞在時間は1時間半。しかし、大黒では1組あたりの滞在時間はおよそ1時間。立ったまま食べるため、サクッと済ませて帰る人が多く、回転率が高いのが特徴です。
さらに別の楽しみもあります。飲み終えた常連客のほいちゃん(30代)に話を聞きました。
「これから隣の系列店に行きます」
向かったのは、目の前にある系列の海鮮居酒屋です。蒲田東口店の周りに系列店が4つもあり、はしごしやすくなっています。
セントラルキッチンで串刺しまで終えた商品はマイナス40℃で急速冷凍に。鮮度を落とさず35店舗へ配送し、どこの店でもおいしい焼きとんが食べられます。
1つのエリアに集中的に出店することで、輸送費の削減にもつなげています。
去年2月、東京証券取引所グロース市場に上場した運営会社・光フードサービス。今後は?
平瀬さん
「今後も既存店の近くにドミナント出店を重ねつつ、(現状の51店舗から)300店舗をまずは目指しております。既存店の1.1倍の出店数を目指しておりますので、コツコツと積み重ねて出店をしてまいりたいと思います」
(「グッド!モーニング」2025年12月26日放送分より)
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