ルンバを製造するアメリカの「アイロボット」社が、日本の民事再生法にあたる破産法の適用を連邦裁判所に申請したと発表。今後はルンバの製造を委託している中国企業が全株を取得し再建に乗り出すことになる。そんなルンバは元々、掃除ロボットではなく産業技術を応用したスピンオフ製品だったという。
1990年、ルンバを製造する「アイロボット」社は、主に産業技術の開発を目的として設立。ルンバの原型となったのが「機雷探査ロボット」。まるでカニのように水中を歩くロボットは、水中にある「機雷」を探し、機雷を見つけると、そのすぐ脇に自ら埋まり、機雷を爆発させるという。さらに、陸地では地雷を探査し、除去するロボットも開発。見落としが許されない探査技術やノウハウは、後のルンバに生かされた。
その技術が広く知れ渡ったのが、階段をのぼることができる災害用ロボット「パックボット」だ。アメリカの同時多発テロでは被害者の捜索や救助に貢献し、東日本大震災直後の福島第一原発では原子炉付近で放射線量の測定作業などを支援した。
日本では大手国内メーカーがお掃除ロボットから相次いで撤退する中、ルンバの国内シェアは7割とされ依然人気が高い。地雷除去、災害救援活動の遺伝子を持つアメリカン・ルンバが、今後チャイニーズ・ルンバとしてどんな進化を遂げるのか。
(『ABEMA的ニュースショー』より)
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