
高市総理大臣が衆議院を解散する意向を明らかにしました。今月23日の通常国会冒頭に解散、来月8日の投票が有力です。真冬の2月に衆議院選挙が行われると、実に36年ぶり。野党側は、立憲民主党と公明党が新党結成を視野に協力関係を一気に強めるなど、各党とも臨戦態勢に入りつつあります。
【画像】36年ぶり“真冬の解散・総選挙”へ…決断の背景は?高市総理“早期解散”を正式表明
高市総理“早期解散”を正式表明

外交ウィーク真っ只中の高市総理。14日朝は韓国の李在明大統領を地元・奈良の法隆寺に案内し、親睦を深めました。法隆寺を建立した聖徳太子が掲げた理念は「和を以って貴しと為す」。ただ、今の自民党内には高市総理に対して「やり方が強引だ」といった不満がくすぶります。自らに近い数名だけで極秘裏に解散を検討し、党の幹部にさえ、ほとんど何も知らせていないからです。
そのやり方を改めるということなのでしょうか。高市総理が午後に総理官邸戻ると、まず姿を見せたのは連立を組む日本維新の会の吉村代表。続いて、藤田共同代表、自民党の鈴木幹事長が入りました。面会は非公開。3人が出てきたのは、約1時間15分が経った頃でした。

日本維新の会 吉村洋文代表
「高市総理から通常国会の早期に解散すると伝達を受けた」
(Q.1時間以上の会談だったが、何が議論されたのでしょうか)
「様々議論はさせていただいた。政策についても、それ以外についても。詳細については本当に申し訳ないが19日、総理から思いも含めて話すというので、そちらに委ねたい」
(Q.野党から予算の年度内成立が難しく、新たな政治空白を生むと批判も)
「もちろん早期に予算を成立させるべき。ただこれまでも4月をまたぐこともあった。今まで暫定予算を組んで対応することもあった。不安定なままの政権で行くより、本当に強い経済を作っていく、国民の経済に対する様々な支援策を実施していくうえでも、国民にしっかりと信を問うて、もし信を得られれば、よりスピードを高められる」

詳しい日程の話はなかったということですが、政府や自民党の中で軸となっているのは来月8日の投開票。新年度予算をなるべく早く成立させることに加え、外交日程への影響を最小限に抑える狙いもありそうです。8日に投開票を行うのであれば、公示は今月27日。23日に召集される通常国会の冒頭で解散する以外、選択肢はなさそうです。

自民党 鈴木俊一幹事長
「理由はいくつもありますが、前の選挙は自公政権下の選挙で、連立のパートナーが変わった。そうしたことに対する国民の審判はまだ受けていない。政策合意の内容等についても、しっかり進めるに当たって国民の審判を得る必要がある。それと同時に、高市政権になり責任ある積極財政や防衛3文書の見直しなど新しい政策が打ち出された。それについての審判を受ける」
「早期に解散」野党は改めて批判
野党からは批判や疑問の声が相次ぎました。

立憲民主党 安住淳幹事長
「率直に言って理不尽な解散。特に北国は暴風雪の中で身の危険になるような、有権者にとっても厳しい環境」

国民民主党 玉木雄一郎代表
「連立の是非を聞くのであれば冒頭解散である必要性はないのでは。それだったら政権発足直後にやったらいいし、連立政権で組んだ予算が成立した後にやるのが筋では」

公明党 斉藤鉄夫代表
「今回の解散は国民生活をないがしろにした大義なき解散。国民生活や経済にとって大切な予算が年度内に成立しないと分かっていて、あえて解散する。全く理解に苦しむ」

共産党 小池晃書記局長
「“行き詰まり解散”。党利党略を通り越して、高市総理本人の“個利個略”だ」

参政党 神谷宗幣代表
「年末には想定していなかったということなので、急すぎる解散だと受け止めている」

れいわ新選組 山本太郎代表(SNSから)
「物価高と倒産のさなか、国民生活を無視して解散をやらかすバカどもを日本から叩き出そう」
36年ぶり 真冬の解散・総選挙
真冬に総選挙を実施するのは36年ぶり。その現場を訪ねました。札幌市の一部や小樽市など抱える北海道4区。声を上げているのは立憲民主党・現職の大築紅葉衆院議員です。

立憲民主党 大築紅葉衆院議員
「寒すぎて前歯が凍るんだよね。私たちはいいとしても、聞きに来てくれる人が。本当はじっくり話聞きたい人が、さすがにこういう所で10分とか立たせるわけにはいかないので。冬なりの工夫が必要なんじゃないかなと。有権者にとって不幸になっちゃう。寒い中、話も聞かないで投票するのは」
この時の気温は-7.9度。選挙期間中はさらに厳しい寒さになることも考えられます。
前回は比例復活だった自民党・現職の中村裕之衆院議員は、支援団体の会合に出席していました。
地元農協の組合長
「どこも2月の頭は、雪のまだひどい大変な時期だから。それはそれで豪雪地帯は大変だよね」

自民党 中村裕之衆院議員
「寒い中、集まってもらえるのか。集まれる場所があるかどうか」
別の懸念もあります。
支持者
「公明党は立憲民主党と近くなって。近くなければいいんだけど、近付くと北海道では打撃大きい」
これまで公明党と良好な関係を築いてきた中村氏。状況によっては“永遠の別れ”となる可能性も感じています。

自民党 中村裕之衆院議員
「高市総理じゃなくなったら、また(公明と)くっつくって言っても、あっち(立憲民主)の応援をされたら厳しいよね」
立憲・公明「新党結成」も視野
その立憲と公明。今後、さらに距離を縮めるする可能性が浮上しています。

立憲民主党 安住淳幹事長
(Q.一部では立憲と公明の比例代表統一名簿の報道もあるが)
「断続的に協議をしております。15日にはご報告できると。少々お待ちください」

比例名簿を統一するということは、両党で新たな政治団体を作るということが想定されます。関係者によれば、新党結成を視野に入れた検討も行われているということです。
野党が新たな動きを見せる中、高市総理が14日夜、解散について初めて取材に応じました。

高市早苗総理大臣
(Q.解散は通常国会冒頭の23日か)
「先ほど鈴木幹事長や日本維新の会の代表の方々がお答えしたとおり」
(Q.23日ということ)
「いえ、通常国会の早い時期というお話をしたかと思います」
説明は19日…ポイントは?
政治部・官邸キャップの千々岩森生記者に聞きます。
(Q.維新の吉村代表らとの会談を経て、高市総理が自らの口で解散の意思を表明したことになりますね)

千々岩森生記者
「高市総理は記者団に聞かれて、解散は『早い時期』としか言ってません。ただ、描いている日程は明らかに、23日の冒頭解散です。公示が27日、投開票日は2月8日、このスケジュールですでに動き始めていると言っていいと思います。解散までに災害など不測の事態が起きるかもしれないので、現時点では少し濁した表現に留めていると、政府高官は説明しています。解散情報が駆け巡ったのは先週後半ですが、もうこの時点で、このスケジュールは事実上、決まっていました。総理の決断は、年が明けて三が日かその直後あたりとみています。自民党の最新の情勢調査で、自民党単独で今の196議席から、過半数の233をさらに上回る、250~260ぐらいまで伸ばす可能性を示す数字が出ていました。ただ、選挙を取り仕切る幹事長すら、情報が出た後も解散を正式に聞いていなかったので、総理を支えるはずの複数の与党幹部からも、不満や懸念も相次いでいました。一方で『勝てるうちに解散だ』という声も根強くて、現状では自民党で単独過半数にいくかどうか、このあたりが党内が納得する1つのラインかとみています」
(Q.維新の吉村代表によると、高市総理は19日に記者会見で詳細を話すということですが、野党は“解散の大義”がないと批判しています。“解散の大義”が焦点になりますか)

千々岩森生記者
「まさにそれが大きな焦点になると思います。“解散の大義”ですが、高市政権側は、例えば連立相手が公明から維新に変わった。安全保障でも3文書を改定する。経済も積極財政に転換していく。こうした政権の在り方や政策の変更を問うのが1つだと思います。ただ、野党からも批判が出ていますが、国民生活に関わる予算審議を遅らせてまで、今やる意味があるのか。世界が激変していますけども、日本外交は事実上、この期間、動きが止まると言っていいと思いますが、それでいいのか。それから、衆議院の任期は2年半以上あります。信を問うタイミングは、予算成立後の4月でもいいし、国会が閉じる6月でもいい、もっと後でもいいはずで、疑問や批判を払拭するだけの説明を高市総理ができるかが問われることになります」
