
群馬県伊勢崎市でおととし、トラックを飲酒運転して乗用車に衝突し、家族3人を死亡させた危険運転致死傷などの罪に問われている男の初公判が14日に開かれました。「飲酒の事実はない」と真っ向から争う姿勢を見せています。
【画像】「飲酒の事実はない」被告の“否認”に遺族は…“危険運転”家族3人死亡事故 初公判
起訴内容を否認「飲酒の事実ない」

鈴木吾郎被告(71)
「アルコールを飲んだ事実はありません」
上下黒のスーツに身を包んで出廷した鈴木吾郎被告。起訴内容を一部否認しました。

検察側の冒頭陳述
「40年近く運転手として業務していて、業務中に飲酒を繰り返していた。(基準値の)5倍以上の高濃度のアルコールがある状態で運転した」
検察側と弁護側の主張は真っ向から対立しています。

2年前、鈴木被告が運転していたトラックに正面衝突された白いバン。乗っていたのは塚越湊斗くん(当時2)。父親の寛人さん(当時26)、祖父の正宏さん(当時53)。帰りを待つ家族との再会はかないませんでした。

トラックのドライブレコーダーには事故の瞬間が記録されていました。トラックは法定速度を30キロ超えるスピードで対向車線へ。事故後、車内からは焼酎の空の容器3本が見つかりました。おととし8月に逮捕された鈴木被告、当時は、こう供述していました。
鈴木被告の供述(逮捕時)
「事故を起こしたことは間違いありません。ただ詳しくは覚えていません」

検察側はおととし9月、鈴木被告を過失運転致死傷の罪で起訴。しかし、アルコールの影響により正常な運転が困難な状態だったとして、その後、より法定刑の重い危険運転致死傷の罪に起訴内容を変更しています。
14日の初公判では、事故当日の飲酒について、検察側と弁護側が対立する主張を展開しました。検察側によると、午前5時45分、コンビニで220ミリの焼酎3本を購入。午後3時過ぎ、トラックに乗って会社を出発。その1時間後、事故を起こします。事故直後の採血検査の結果から、被告は中度酩酊状態であったと指摘しています。

これに対し弁護側は、出発前、会社で行われた呼気検査でアルコールは検出されていないと説明。事故を起こすまでの間に車内カメラに飲酒する様子は映っていないこと、車内で見つかった空の容器3本は青汁を溶いて飲むためのものだったなどと、事故は飲酒の影響ではないと主張しました。
また、法廷ではこんな事実も明らかに。鈴木被告は家族に対し、「休日の前以外は酒を飲んでいない」と話していたといいますが、事故の2日前には。

鈴木被告の妻の供述調書
「私用の車に『ワックスをかける』と言って出て行って飲んでいたようで、『何しているの』と聞いたらごまかされた。その後、警察立ち合いで捜索したら、ワンカップ(酒)が出てきた」
遺族「被告には認めてほしい」
法廷で、遺族には目を向けず、終始下を向いていたという鈴木被告。裁判に参加した遺族は。

湊斗くんの母親
「アルコールを飲んでいないという発言を聞いてから、怒りしかなくて。こちらを一切見ることなく、自分の都合の悪いような証拠に関しては下を向いて、一切画面を見ないような態度が一番印象的でした」
事故の日から家族の時間は止まったままです。被告が否認したことについては。

湊斗くんの祖母
「血中濃度から出ているわけなので、今さら飲んでいないとか言うのがちょっと信じられなくて。早くその辺は認めてほしいなと思います」
