衆院早期解散、なぜ今なのか 自民の勝算は 立憲・公明は新党結成も視野
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 高市早苗総理は14日、衆議院を早期に解散する意向を与党幹部らに伝えた。一方、野党にも大きな動きがあり、立憲民主党と公明党が新党結成を視野に調整を進めている。

【画像】解散を決めた背景は?

自民関係者「予算委員長を与党で取り返したい」

主な政治日程
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 まずは想定されるスケジュールから見ていく。

 高市総理は与党幹部らに早期解散を伝達したが、もし23日召集予定の通常国会の冒頭で解散を宣言した場合、27日公示、来月8日投開票を軸に検討されている。

 来月18日前後に特別国会召集、3月初旬に新年度予算案の審議に入り、4月後半に予算案成立というのが最短のケースだ。

解散を決めた背景は?
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 解散を決めた背景について、自民党関係者からは「予算委員長を与党で取り返したいというのはある」との声も出ている。

 予算委員長を含む常任委員会の委員長は、各会派の所属議員数の比率に応じて選出される。261議席を獲得すれば絶対安定多数といわれる状態となり、予算委員会を含む全常任委員会で過半数を占め、委員長を独占できる。

 「(立憲の)枝野委員長のもとでは予算審議も大変だから、選挙後に与党ペースで審議すれば年度内に新年度予算を通せるだろう」との算段もあるという。

早期解散の意向 決断の背景は

 こうした中、衆院選でカギを握るのは無党派層だという。

カギをは無党派層
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 朝日新聞が行った、無党派層がどの党に投票したかを聞いた出口調査では、2022年参院選時と去年7月の参院選を比較すると、自民党の割合が33%から20%に大きく減った。その一方で、国民民主党や参政党が大きく割合を増やすなど、自民党票が流れたことが分かる。

 日本維新の会の吉村代表は14日に、「(競合選挙区について)共に戦いましょうと話しました。それが新しい連立の形でもあると思っている」と述べ、選挙区調整は行わない見込みだとした。

 ただ、高い支持率を維持する高市政権が支持を取り戻すのではないかという調査もある。

自民党に追い風?
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 朝日新聞が大阪大学と共同で行ったネット意識調査によると、投票したい政党で自民党を選んだ人は去年6~7月に17.4%だったのが、高市総理就任後の去年11月25~28日に行われた調査では24.9%に増加した。

 自民党に乗り換えた人のうち93.7%が高市総理に好感を持っていた。自民党への主な流入元となったのは、国民民主党と参政党、日本保守党だった。

協調路線をとる国民民主党「候補者足りない」

 高市総理の解散伝達後、野党にも大きな動きが出た。

 野党にも大きな動きがあり、14日、立憲民主党と公明党が新党結成を視野に調整に入ったことが分かった。

共に「中道」を掲げる両党
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 公明党は15日朝、幹部会議で協議を行い、立憲民主党も午後から所属議員への説明を行う。それぞれ党内の調整が整えば、野田佳彦代表と斉藤鉄夫代表の党首会談も行われる見通しだ。

 朝日新聞によると、連携を呼びかけてきた立憲民主党に対し、公明党側は長年連立関係にあった自民党への配慮から態度を保留していたが、高市総理が解散の意向を与党幹部に伝えたことから、新党結成を容認する方向に傾いたとみられている。

 参院は残したまま、衆院のみで新党を立ち上げる方針だという。共に「中道」を掲げる両党による新党結成が実現すれば、衆院選の構図を変わり、将来的な政界再編につながる可能性がある。

 自民党と協調路線をとる国民民主党も対応を迫られている。

「取りを増やすことを最優先にやるべき」
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 玉木雄一郎代表は14日、高市総理の解散伝達について「解散が決まったら戦い抜くのみ。我々はやはり経済最優先、手取りを増やすことを最優先にやるべきだと訴えていく」と発言した。

 しかし、国民民主党はこんな問題も抱えている。13日の記者会見で玉木代表は「とても候補者が足りない。擁立を加速したい」と発言した。国民民主党は現在の27議席から次期衆院選で51議席への積み増しを目標に掲げている。

「党利党略」「自己都合」 野党側は反発

 また他の野党からも、衆院解散に対して様々な声が上がっている。

衆院解散に対して様々な声
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 れいわ新選組の山本太郎代表は14日、SNSで「物価高と倒産のさなか、国民生活を無視して解散をやらかすバカどもを日本からたたき出そう」と投稿した。

 日本共産党の小池晃書記局長は14日、「“疑惑隠し解散”高市総理本人の個利個略だといわれても仕方がない」としている。

 参政党の神谷宗幣代表は14日に「今回の選挙でしっかりと議席を伸ばし、(3議席から)30議席を目標に頑張りたい」と述べた。

批判も…
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 日本保守党の百田尚樹代表は「あまりにも党利党略のため。今やれば自民党が勝てるんじゃないかというそれだけですよね」と指摘した。

 社会民主党の福島みずほ党首は「まさに“自己都合解散”“自分勝手暴走解散”じゃないですか」と批判した。

 チームみらいの安野貴博党首は「経済対策であるとか来年度の予算(案)審議に一段落つけてからやるという選択肢も当然あったとは思います」と述べた。

トランプ大統領と首脳会談も…

 そして冒頭解散に踏み切った場合、外交への影響も懸念されている

外交への影響もvv
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 想定される主な政治日程を見ると、冒頭解散になった場合、年度末の予算案成立が厳しい状況となる。

 こうした中、3月か4月にも高市総理が訪米し、トランプ大統領と首脳会談が調整されている。予算案審議と時期が重なっているため、外交への影響も懸念される。

(2026年1月15日放送分より)

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