【報ステ解説】急転直下の新党なぜ?政界再編どうなる?立憲・公明が新党結成を表明
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高市総理の衆議院解散の戦略を「大義がない」と批判する、立憲民主党と公明党が、共に新党を結成することが決まりました。「中道勢力の結集」をうたっています。選挙の構図はどのように動くのか。そして、政界再編へのきっかけとなるのでしょうか。

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高市政権に「中道」掲げ対抗

15日午後3時。国会内の一室では、立憲民主党の野田代表と公明党の斉藤代表が向き合っていました。

立憲民主党 野田佳彦代表
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立憲民主党 野田佳彦代表
「お互いに新党を作って戦っていこうということの合意ができたということです」

公明党 斉藤鉄夫代表
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公明党 斉藤鉄夫代表
「今回、私たちが昨年来、連立離脱以来、呼び掛けてきた中道改革の軸に結集しようという呼び掛けに応じていただいた、立憲民主党の皆様に心から感謝を申し上げる次第です。中道の旗の下に集った新しい党で一緒に頑張っていきたい」

公明党は全ての小選挙区から撤退し、小選挙区で立憲出身の候補の勝利に向けて共闘します。代わりに公明出身の候補は比例代表名簿で順位を優遇。新党は野田氏と斉藤氏が共同代表に就く体制でスタートします。

去年の参院選で選挙協力をしていた共産党からは戸惑いの声。

共産党 田村智子委員長
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共産党 田村智子委員長
「1番は何を旗印にして1つにまとまるのか分からないので、コメントのしようがない」

「中道」という言葉をめぐってこんな指摘も上がりました。

国民民主党 玉木雄一郎代表
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国民民主党 玉木雄一郎代表
「具体的に“中道”とはなんなのか。政策でいうと。よく分からない。我々は政策本位でやっていくのが、具体的な政策なので。“中道”と言われるものが抽象的」

公明党 斉藤鉄夫代表
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公明党 斉藤鉄夫代表
(Q.“中道”とは何か)
「分断と対立をエネルギーにする。そういう政治手法ではなく、異なる意見を聞き、合意形成を図る。粘り強い対話で合意形成を図る政治手法。日本でも政治の右傾化が見られる中、中道の勢力を結集することが重要」

つまりは、高市政権への対抗軸を「中道」と位置付けているということでしょうか。野田代表はこんなことも言っています。

立憲民主党 野田佳彦代表
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立憲民主党 野田佳彦代表
(Q.新党結成に賛同できず、党を離れる議員が出る可能性もあるが)
「残念ながら、昨年の総裁選挙を経て高市政権ができて、どちらかというと右に傾いていく路線が多くて。これはまさに日本の大きな曲がり角だと思うので、強い覚悟を持って、できるだけ多くの仲間が賛同し、入ってくるようにしていきたい」

支持母体である創価学会の組織力を背景に、各小選挙区で1万~2万の集票力を持つとされる公明党。これまで緊密な協力関係を築いてきた自民党からは。

自民党 小野寺五典税調会長
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自民党 小野寺五典税調会長
「やはり激戦区、接戦区においては少なからず影響はあるかなと」

自民党 古屋圭司選対委員長
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自民党 古屋圭司選対委員長
「私、地元でずっと学会の関係者とも連絡してるんだけど、やっぱり二十何年間、立憲のことをたたいて選挙してるわけよ。それがいきなりってなかなか」

両党首も所属「新進党」の苦い過去

1996年の野田代表と斉藤代表
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ところで、なぜここまで急に新党結成の動きが進んだのか。“住専国会”と呼ばれた1996年の通常国会。野田代表と斉藤代表は共に『新進党』に所属する若手議員として、改革を訴えていました。2人は30年以上にわたって気脈を通じる仲だったのです。

ちなみに新進党は、政権交代可能な二大政党の一翼を目指して1994年に結成された政党。しかし、多様な勢力を抱えていたが故に、船出からほどなくして内部対立が始まります。

出席議員
「勝ち取ったなんて言いなさんな」

新進党 小沢一郎幹事長(当時)
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新進党 小沢一郎幹事長(当時)
「おかしいと言うならやり直すか」

結果、新進党は結党からわずか3年で瓦解しました。この時の記憶が刻み込まれているからなのか、斉藤代表は今回、極めて慎重に合意形成を図っています。党としての最終的な意思決定を行う中央幹事会で、斉藤代表はこう力を込めました。

公明党 斉藤鉄夫代表
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公明党 斉藤鉄夫代表
「どういう方法で中道勢力の結集を図っていくか。日本の私たち国民の暮らしを守っていくか。その提案をさせていただきたい。ご了解をいただきたい」

公明党 中央幹事 伊佐進一前衆院議員
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公明党 中央幹事 伊佐進一前衆院議員
(Q.新党結成への動きは議論された?)
「もちろん。その話がメインだった。大きな勝負に出たということだと思う」
(Q.意見は一致した?)
「最終的には一致をした。代表に一任すると」

党内の合意を取り付ける手続きは立憲でも。

両院議員総会
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両院議員総会
(Q.代表に一任で異議ありませんか?)
「異議なし」

こうして迎えた党首会談。斉藤代表は、自民党の一部の議員にも新党への参加を呼び掛けていたことを明かしたうえで。

公明党 斉藤鉄夫代表
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公明党 斉藤鉄夫代表
「“第二新進党”を目指すものではありません。これからも引き続き、国民民主党の皆さん、自由民主党の保守中道を一緒に話し合ってきた議員にも、粘り強く、これからも訴え続けていきたい」

原発政策や安全保障政策をめぐっては違いも指摘されていますが。

立憲民主党 野田佳彦代表
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立憲民主党 野田佳彦代表
「お互い合意できる感触を得ています。文書として発表するのは19日になると思いますけど。感触なしでは、これ進められません」

急転直下の新党なぜ?

公明党と立憲民主党は存続したまま新党を設立
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会見した公明党の斉藤代表によると、公明党と立憲民主党はそれぞれ存続したまま新党を設立します。中道改革の理念に賛同する議員が参加して統一名簿を作成するということです。参院議員、地方議員は引き続き、それぞれの党に所属。新党の代表は、立憲の野田代表と公明の斉藤代表が共同代表という形でスタートします。

小選挙区
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公明党がこれまで候補者を擁立してきた小選挙区には、公明党出身者は擁立せず、小選挙区では、中道改革理念に賛同し結集した候補者を両党で応援する形になる、ということです。

政治部野党キャップの村上祐子記者に聞きます。

(Q.この前まで与党だった公明党と、野党第一党の立憲が新党結成となります。この流れは16日も動きがありますか)

国会内の一室
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村上祐子記者
「新党名は『中道改革』が有力です。今回の話はもともと、立憲側が呼び掛けたものでしたが、その立憲側も、こんなに早く進むのかと驚く勢いでした。特に、ある立憲の議員が『驚いた』と話していたのが、公明党の支持母体・創価学会の後押しです。実は“比例の統一名簿”は創価学会側から出てきた話。それを受け、立憲も公明の動きに合わせて急ピッチで進めた形です。両党には政策の違いもあります。例えば原発ですが、ある立憲幹部は『原発にも共通点はある。十分に歩み寄れる」としています。創価学会・公明党が新党合流に前向きだった理由としは、前回衆院選でも比例600万票が割れ、党勢が衰え、埋没への危機感もあったのではないかとみられています」

(Q.今回の新党、立憲の議員はどれくらい合流するとみていますか)

野田代表
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村上祐子記者
「新党結成に、党内から今のところ大きな反発は見えていません。ただ、今回の新党結成に疑問を持つ議員はいます。中には無所属で次期選挙に立候補する意向を示す人もいるが、十数人という規模ではなく、合流しない議員は少数にとどまる見込みです。ただ、立憲にとっても懸念がないわけではありません。例えば『コアな立憲支持層が宗教色の強さを嫌がり、票が逃げるのではないか』といった声はあります」

(Q.今回の動きが“政界再編”につながっていく可能性はありますか)

村上祐子記者
「そこは、選挙の結果次第だと思います。選挙前に他党も大きく巻き込んだ形にはならず、立憲と公明の新党が議席を大きく伸ばしたら、ついてくる人はいるだろうという考えではないでしょうか。まずは選挙に勝ってつないでいくということだと思います」

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