大規模な混乱どう防ぐ…山手線など8時間運転見合わせ 過密ダイヤ・直通で影響拡大か
この記事の写真をみる(13枚)

停電の影響で、JR山手線は、始発から約8時間にわたり運転見合わせとなり、ほかのJRの路線や、接続する私鉄各線などにも広く影響が及びました。

【画像】大規模な混乱どう防ぐ…山手線など8時間運転見合わせ 過密ダイヤ・直通で影響拡大か

品川駅の構内
拡大する

品川駅の構内は、利用客で埋め尽くされていました。中に入れない人たちが、駅の外まであふれ出します。警察官も、誘導に当たりました。迂回先となった地下鉄のホームにも、多くの人が流れました。

線路の上を歩く乗客
拡大する

山手線と並走する京浜東北線は、駅と駅の間で長時間にわたりとまったままに。乗客は、線路の上を歩いて近くの駅に移動します。停電のため、車内は空調も効かなかったそうです。

乗客
「暑くて、皆で窓開けて、空調を良くして、1時間耐えた」

体調を不良などで5人が搬送されました。

スーパーアンビュランス
拡大する

大規模災害などで出動する東京消防庁の『スーパーアンビュランス』という特殊な救急車両も現場に駆けつけました。

タクシー乗り場には大行列ができました。

通勤中の人
「タクシーも来なくて、手配しようとしたら、1時間待ちみたいな感じになっちゃったんで」

目的地まで歩く人も、多くいました。

歩いている人
拡大する

歩いている人
「(Q.最終的に目指してるのは)東西線の木場駅です。(Q.歩くとどれくらい)日本橋まで、ここから約8キロですから、2時間くらい。そこまで歩きませんけど。完全に巻き込まれましたね」

感電防止装置を作動の状態
拡大する

15日の終電後、新橋・品川駅間で電気の供給を止めて、田町駅の改良工事が行われていました。線路などでの工事は、架線の電気をとめた状態で行うのですが、間違って流れてしまうと、感電の恐れがあります。そこで工事中は、感電防止装置を作動させて、架線と線路を接続し、万が一、電気が流れても、地面に逃がせる状態にします。そして、工事が終わったら、元通り、架線と線路を切り離します。ところが、今回、なぜか元の状態に戻っていなかったそうです。運転見合わせは、感電防止装置が作動した状態で、電気を流したことによる停電が原因でした。

なぜ、装置にトラブルが起きたのか、詳しい原因はわかっていません。

JR東海道線は走行していましたが、照明もつかず、車内は真っ暗です。

真っ暗な車内
拡大する

車内アナウンス
「現在、速度を上げることができない状態。現在、列車に電気が来ていない状態となっております。」

影響は、都内だけにとどまりません。

埼玉県や神奈川県でも、駅に入れない人が相次ぎました。

東京・大宮間では、在来線の代わりとなる臨時の新幹線が運行され、羽田空港では、飛行機に間に合わなかった人への便の振り替えが、無料で行われました。

約67人3000人に影響
拡大する

運転を見合わせていた山手線が、全線で運転を再開したのは午後1時ごろ。8時間以上にわたり運転を見合わせ、約67人3000人に影響が出ました。

運転再開後の午後3時、品川駅から出てきた家族。沖縄から3泊4日の旅行だそうです。
山手線で、五反田まで移動する予定でした。

沖縄から旅行の家族
「人が本当に多すぎて、子どもも連れているので。小さい子がいたら、押しつぶされるなと思って、タクシーにしました」

目的地の五反田には、予定から1時間遅れて到着しました。

沖縄から旅行の家族
拡大する

沖縄から旅行の家族
「電車がとまっただけで、こんなにも不便を感じることもあるんだと思って、びっくりしました」

◆影響を受けた範囲を確認します。

230本が運休
拡大する

まず、16日午前3時50分ごろ、新橋駅・品川駅の間で停電が発生しました。JR山手線と京浜東北線の上下で始発から運転見合わせとなります。午前7時48分 田町駅近くの感電防止装置から発煙。発煙のため、近くを走るJR東海道線への送電を停止します。運転見合わせの範囲が、ほかのJRの路線に広がります。栃木方面に向かう宇都宮線、群馬方面に向かう高崎線、茨城方面に向かう常磐線、神奈川方面の横須賀線など、合わせて230本が運休しました。

そして、JRの影響で、都心の駅に乗り入れる私鉄や地下鉄が混雑し、遅延。特に品川駅では、京急空港線も遅延し、羽田空港に向かう人に大きな影響が出ました。

新幹線は遅延していませんが、乗る予定があっても品川駅や東京駅になかなかたどりつけず、乗り遅れた人もいました。

◆なぜ、ここまで影響が拡大したのでしょうか。鉄道ジャーナリストの梅原淳さんに聞きました。

なぜ影響拡大?
拡大する

梅原さんは「山手線も京浜東北線も、朝のラッシュ時は、約2~3分間隔で運行しているため、折り返し運転が難しい。ほかの路線でも、例えば、上野駅で折り返し運転にすると、上野駅の利用者が多くなり、大きな混乱を生じさせてしまう。運転見合わせにせざるを得なかったのでは」といいます。

なぜ影響拡大?
拡大する

また、梅原さんは、いろいろな路線が直通になったことも、混乱が大きくなった要因だとしています。例えば、運転を見合わせた東海道線の場合、2015年に上野東京ラインとして、宇都宮線・高崎線・常磐線との相互直通運転を開始。栃木や群馬から、乗り換えなしで横浜・熱海方面まで行けるようになりました。梅原さんは「利便性が向上した一方、この区間内でトラブルが起きると、広範囲に影響を及ぼしてしまう」としています。

◆今回のような大規模な運転見合わせは、どうしたら防げるのでしょうか。

どう防ぐか
拡大する

梅原さんは「最初の停電が起きた後、原因がはっきりとわからないまま運転再開へと動いた結果、影響範囲が広がってしまった。朝のラッシュ時で早く復旧させなければというプレッシャーはあったと思うが、より細かな確認が必要だったのでは。鉄道の保守作業は、終電~始発の間に行われる。人手不足もあるなかで、作業員の負担を減らし、しっかりした保守作業をするために、終電の繰り上げや一時的な計画運休などを行うことも必要では」としています。

この記事の画像一覧
外部リンク
この記事の写真をみる(13枚)