“新党結成”公明票で激戦区は逆転相次ぐ?候補予定者たちの本音は

高市総理による正式な解散表明を前に、政界に衝撃が走りました。立憲民主党と公明党が新党結成を表明。当事者たちを取材すると、期待の声があがる一方で戸惑いも。(1月17日OA「サタデーステーション」)

異例の超短期決戦へ 早くも選挙モード

菅義偉元総理(77)
「不出馬を決めました」

「令和おじさん」として親しまれた菅義偉元総理大臣。政界を引退する考えを示しました。

菅義偉元総理(77)
「喜寿を迎える中で後進に道を譲る」

その一方、永田町は一気に選挙モードに。新党を結成した二人は、YouTube動画の収録を行いました。

公明党 斉藤鉄夫代表
「時刻表を見るのが好きということで、“読み鉄の斉藤鉄夫”と言われております」

立憲民主党 野田佳彦代表
「私は格闘技観戦が大好きです。ウルフアロンのデビュー戦、ああいうのが大好きです。(斉藤代表とは)趣味が全然違います」

一躍“台風の目”となった「中道改革連合」。党名発表から一夜明け、意見は様々です。

日本維新の会 藤田文武共同代表
「なんでしたっけ、中…中道改革連合さんが新しく誕生した?する?した?したんですね。彼らの組み合わせの考え方では、私はこの厳しい安全保障環境は絶対に乗り切れないと思います」

国民民主党 玉木雄一郎代表
「さっきも言われたんです。『玉木さん、ぐちゃぐちゃしたところに加わらないで筋通してくださいね」と。筋通しますよ、私たちは」

日本共産党 小池晃書記局長
「中身がどういう旗印で、どういう政策でこの選挙に臨むのか、今一つ明確になってないところがあると思いますので、そこを我々としては注視をしている」

“激戦区”公明票の行方がカギに 候補予定者は

突然の解散に突然の新党結成。大きな影響を受けそうなのが、前回、激戦となった選挙区です。サタデーステーションが訪ねたのは、旭川市や富良野市などを含む北海道6区。自民党の東国幹衆院議員は、危機感を口にしました。

自民党 東国幹衆院議員(北海道6区)
「公明さんが今後どうなるかわかりませんけれども、まるっきり離れるとなれば、それは、うちにとっては厳しい戦いになると感じます」

東氏は、前回の衆院選で公明党の推薦を受け、立憲民主党の西川氏に約6500票差という、僅差で勝利しました。この時、東氏に入った公明票は2万3000票近くあるとみられ(※)、これが今回の新党結成で西川氏に流れることになれば、結果は逆転します。(※前回の衆院選の際の、北海道6区における公明党の比例票)

自民党 東国幹衆院議員(北海道6区)
「ただ、選挙戦というのは引き算だけじゃないわけですので、足し算もあるかと思いますし、そこはこれから皆目見当がつかない戦いになると思いますね」

自民党の北海道連は、新党結成合意の直前、公明党側に対し、北海道の全小選挙区での支援を文書で要請しましたが、現状、動きはないといいます。

自民党 東国幹衆院議員(北海道6区)
「26年間、我々と公明党さんはものすごくいい関係だった。これからちょっと不透明になりますけど、そういう関係は大事にしていきたい。有権者の皆さんのお心は、1つ1つのお心だと思っていますので、公明党さんとの今までのお付き合い、そういったことをPRはさせていただきたい」

一方、17日に地元の卓球大会に顔を出していた、立憲民主党の西川将人衆院議員。

立憲民主党 西川将人衆院議員(北海道6区)
「これ大量に印刷したんですよね、まだたくさんあるんですけど…」

立憲民主党のチラシなどが大量に残る中、16日、離党届に名前を記入。中道改革連合への入党承諾書と宣誓書を書いたといいます。

立憲民主党 西川将人衆院議員(北海道6区)
「それはやっぱり寂しさももちろんあります」

今回の選挙では、公明票が自身に入るようになることについて…

立憲民主党 西川将人衆院議員(北海道6区)
「プラス要素に働いていくと期待はしていますが、2024年当時と総理の顔も違いますし、変動要素が多々ありますから、今回の新党結成だけが一つの変動要因じゃないので」

西川氏は前回、小選挙区では敗れたものの、比例代表で復活当選を果たしました。しかし、今回結成した新党は、比例代表では公明党候補を優遇する方針に…。小選挙区で再び負けた場合、比例でも復活できない可能性があります。

立憲民主党 西川将人衆院議員(北海道6区)
「基本、小選挙区で勝たなければという思いで臨んでいきますので。今後選挙戦に入っていくあと10日間の中で、どうムードを作り上げていくかが重要になってくると思っています」

共産党も北海道6区に候補者を立てる方針で、週明けにも発表する予定です。

「本当に複雑」公明関係者からは戸惑いも

今回、カギを握ることになった公明票は、他の選挙区でも1万票程度あるとされています。前回の選挙結果に基き、仮に各選挙区で1万票が自民党候補から減ったとしただけでも、全国22の選挙区で自民と立憲の得票数が逆転する計算になります。もちろん、その減った1万票が目論見通り、全て立憲民主党候補に流れれば、さらに逆転する選挙区が増えることになります。

自民党 鈴木俊一幹事長
「(Q地方組織で公明党に働きかける動きについて?)地方において公明党のつながりのある方が、公明党に引き続きのお付き合いをお願いするというのはあってしかるべきで、個々のレベルでやっていただければいい話だと」

公明党の地方議員の胸中は複雑です。これまで敵対してきた立憲民主党候補を、急きょ応援する側になるためです。

公明党の地方議員
「支援者の方からどうして新党を作ったのとか、なぜ立憲民主党なのかとか、様々な問い合わせも今来ているところ。自民党の議員の方ともこれまで深い絆もできておりましたので、今回は急転直下、敵同士になるので、本当に複雑な気持ち」

15日には、国会議員や地方議員など、3000人以上が参加したオンライン会議があり、心配の声も上がっていたといいます。

公明党の地方議員
「『平和の党』とか、分かりやすい党名にするべきじゃないのかとか、これまでの立憲民主党の方との色々な経緯で、どういう風に対応したらいいのかとか」

党員歴30年以上の女性は…

公明党員の女性
「とても複雑な思いはあるけれど、自分の中で割り切っていかなきゃ進めないなって。私たちも応援をしていかなきゃ政策が実現していかない」

“高市人気”追い風に?自民党勝算は

自民党は現在の“高市人気”によって、どこまで票を上積みできるかがポイントとなりそうです。

行政書士の瀬野さん
「毎日仕事で活用しております。高市総理と同じカバンということで。私も“サナ活”しているのかなと」

史上初の女性総理として高市氏を応援しているという、行政書士の瀬野さん。

行政書士の瀬野さん
「先日、ドラムセッションとかされておりましたが、割と相手の懐に飛び込んでいけるような、ものすごく高いコミュニケーション力があるなと思って」

内閣支持率は、高市政権に代わってから63%まで急騰。一方で、自民党の支持率は36%台です。(※去年12月14日・15日の調査)

高市政権は好きでも自民党とは距離を置く無党派層が一定数いるようです。実は、“サナ活”をしている瀬野さんも無党派層。

行政書士の瀬野さん
「毎回、この政党にと事前に決めずに、その時ベストな政党を選んで投票するようにしています。(今回は)ちょっと難しい点もありますが…。裏金問題とかいろいろな問題がそれぞれあると思いますが、一長一短の「短」が一番少ないようなところを選んで投票する予定です」

異例の真冬決戦 急な解散に各所大慌て

今回の解散総選挙では、さらに不確定要素が…

報告・山田直喜ディレクター(北海道・旭川市)
「こちらは選挙の時にポスターを張る掲示板が設置される場所なんですけれども、このように雪がこんもりと積もっています」

雪国を中心に懸念されるのが、36年ぶりとなる真冬の選挙戦です。例えば、先ほど紹介した北海道6区に含まれる旭川市では、17日の最高気温が氷点下。選挙期間中は平年、最低気温がマイナス12度を下回ります。

自民党 東国幹衆院議員(北海道6区)
「なるべく室内での演説会をするべきだと思いますよね。そして、なるべくこっちから赴くことが大切だと思います」

立憲民主党 西川将人衆院議員(北海道6区)
「来ていただく方がやっぱり寒いので、なかなか声はかけにくいですね。暴風雪で車が走れないような日もありますので、交通事故には気を付けなきゃいけない」

鳥取県米子市では、選挙カーの準備が24時間態勢で進められていました。

選挙カーLABo. 石橋洋平代表取締役
「急な選挙なのでどうしようもなく…。働いて、働いて、働いて、働くだけです」

東北の宮城から九州の福岡まで、全国で50~60台の予約が入っていて、鳥取からスタッフが運転して届けるといいます。

選挙カーLABo. 石橋洋平代表取締役
「1日10台くらいは組み立てないといけない。上に登れる車になると、1台あたり2~3時間はかかります。公明党さんと立憲民主党さんが新党結成されたので、ロゴの変更に伴い、デザインも変更になるという状況になっています」

さらに…

報告・青木梨央ディレクター
「こちらの町役場では、休日返上で選挙の準備に追われています」

埼玉県ときがわ町選挙管理委員会 保坂良輔さん
「もともと町長・町議選挙の準備をしていたんですけど、もしかしたら衆院選が重なりそうということで」

埼玉県ときがわ町では、3つの選挙が重なる“トリプル選挙”の可能性が高くなっていますが、選挙担当の職員は、保坂さん1人だけ。早速、投票箱が追加で24個も必要という問題が発生しましたが…

埼玉県ときがわ町選挙管理委員会 保坂良輔さん
「役所に点在する古い倉庫の中から、あるらしいよという情報を聞いて、そこからかき集めてきました」

40年前に使われたとみられる投票箱が“現役復帰”予定です。他にも掲示板の増設場所や投票所のレイアウト変更など、問題は山積しているといいます。

埼玉県ときがわ町選挙管理委員会 保坂良輔さん
「間に合わせるために全力を尽くします」

国会冒頭解散へ 物価高対策への影響は

高島彩キャスター
「衆議院選挙は2月8日の投開票を軸に調整が進んでいます。現実となれば36年ぶりの2月の衆院選ということになります。来年度予算の成立も4月にずれ込むとみられていますが、私たちの暮らしにはどんな影響が出てくるのでしょうか」

板倉朋希アナウンサー
「気になるのが物価高対策です。去年の末にも話題になった、国の交付金を使った“おこめ券”や“電子クーポン”など、各自治体が行う物価高対策については、去年12月に成立した補正予算に含まれているので影響はないとされています。一方で来年度予算が成立しないことで、4月に開始予定だった「公立小学校の給食無償化」や、「私立高校の授業料無償化の所得制限の撤廃」、さらには「軽油の暫定税率廃止」、「所得税がかかり始める年収の壁を178万円引き上げる」などの政策には遅れが出るかもしれないという指摘が出てます。そうした中、きょう(17日)木原官房長官は、予算審議の遅れについて『国民生活にとって経済的な影響は極めて限定的だ。むしろ肌感覚として悪い影響はないのではないか』と話しました」

高島彩キャスター
「景気の面を考えると、やはり年度内に予算を成立させるというのが筋だと思いますが、この辺りも納得のいく説明がなされるのか注目です。そして36年前と違うのは、18歳の人たちにも選挙権があるという点ですね。2月の選挙となると受験シーズンと重なるので影響を懸念する声がいろいろ出てますよね」

板倉朋希アナウンサー
「実際の受験生を受け持つ学校の先生に聞いてみると『積極的に選挙に参加しようと話しているが、2月中旬は入試の真っただ中。選挙に行くだけなら30分~1時間で済むが、各党の政策などをしっかり勉強して投票する時間は、正直取れないと思う』という声であったり、『リスニングの練習中に選挙カーの音が入ってくるのは、生徒にとってはよい環境とは言えない』といった声も聞こえてきました」

高島彩キャスター
「柳澤さん、高市総理は衆院選の公約に『食料品の消費税率を時限的にゼロにする方針』を検討しているということで、新党の中道改革連合に関しても具体的な政策というのは気になりますが、どんなところに注目されてますか?」

ジャーナリスト柳澤秀夫氏
「高市総理の新しい公約ということですが、立憲民主党の公約と非常に似ていて、新党の中道改革連合を意識した動きだなという気はします。また今回の総選挙で一番気になるのは、公明党の支持母体の創価学会の票がどう動くのか。小選挙区では1万票から2万票くらいと言われていますが、これがすんなりと新しい新党に流れるのか、そうではないのか」
「また、ネット空間などでよく見られる傾向ですが、極端な論調に賛同が集まりやすいという風潮がありますよね。その中で新党の“中道”というものが果たしてどこまで浸透するのか。その行方によっては30年に1度ともいわれるような政界の再編が起きるのかどうか、カギは無党派層ですので、そこに響くかどうか、そのあたりが一番気になるところですね」

高島彩キャスター
「SNSをどう活用するかなども注目されますが“誰のための何のための選挙か?”ということを改めて考えさせられる選挙になりそうです」

外部リンク