
閉山中にもかかわらず富士山で登山をしていた中国人の男性が転んで足にけがをして、静岡県警に救助を要請し、救助隊が2日間かけて男性を救助しました。登らないよう繰り返し注意が呼びかけられる中での出来事に、地元では反発の声が上がっています。
【画像】立つこともできず身動き取れなくなるほどの強風 厳しい環境の冬の富士山
救助に税金投入でうんざり
去年の大みそかに、富士山で遭難した人の救助に向かう静岡県警・山岳救助隊の映像です。
強風にあおられた氷や小石が飛び交い、普段から訓練している隊員でも体勢を崩すほど、冬の富士登山は厳しい環境であることが分かります。
「『自分だけは大丈夫』その自信はどこからきていますか?もう一度、言います。開山期以外の富士登山は、非常に危険です!」(静岡県警SNSから)
警察は冬の富士登山の危険性について、これまでも再三注意を呼びかけてきました。
しかし、18日午前1時半ごろに弾丸登山を行ったとみられる男性から「右くるぶしを負傷して歩けない」という通報がありました。
富士宮口付近から1人で入山した20代の中国籍の男性が下山途中に転倒し、歩行ができない状態となりました。
静岡県警は18日深夜に男性を発見。夜が明けるまで手当てをし、救助が完了したのは、一夜明けた19日昼ごろでした。
地元住民は、こうした無謀な登山者の救助に税金が投入されている現状に、うんざりしているといいます。
「シーズンでない時の登山での遭難やけがは、ちょっとでも料金などを払ってもらったほうが防止になるかと」
県議会で救助有料化を議論
今回男性が救助された富士宮ルートの8合目で山小屋を運営する男性も、閉山中の登山者に悩まされています。
富士宮口八合目池田館
池田裕之さん
「ごみや排便、シーズン以外はトイレはないですから。夏の始まりの時に行くと、まずその片付けから」
遭難した男性が入ったとみられる富士宮ルートは、2合目からゲートが閉じられていますが、一体どこから登ったのでしょうか?
池田さん
「可能性としたら須山口から登ったのか。どこかで情報をつかまないと行けないような気がする」
富士宮口から2キロほど進んだ先にあり、上級者向けとして知られる須山口。2合目付近にあるコースの入り口に行ってみると、チェーンだけなので、横からは簡単に中に入ることができるようになっていました。
ここを登っていくと富士宮ルートの6合目につながるため、冬登山の抜け穴になっている可能性があるということです。
無謀な富士登山で遭難する人が後を絶たない状況に、静岡県警のある警察官は、こう話します。
「ルールを守らない人に対しても、我々は命をかけて救助に向かっています。我々にも家族がいます。本音で言えば救助は民営化にして、有料にしてほしいです」
静岡県議会は19日、山岳遭難救助の有料化を検討すべきという提言書を取りまとめました。今後、本格的な議論が進んでいくとみられます。
(2026年1月20日放送分より)
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