
指定暴力団「住吉会」の傘下組織「幸平一家」について、警視庁は15日、集中的に取り締まる特別対策本部を設置した。
「幸平一家」とは
警視庁暴力団対策課 大場俊彦管理官
「“トクリュウ”グループだとか闇バイトに応募する者には、幸平一家にくっついて犯罪に手を染めたらバカバカしいぞと」
指定暴力団住吉会傘下の「幸平一家」による事件が相次いでいるとして、警視庁は集中的な取り締まりを行うため特別対策本部を設置した。
指定暴力団の傘下組織に対して警視庁が特別対策本部を設置するのは、初めてのことだ。
警視庁は先月、特殊詐欺に関わったとして、幸平一家傘下の組員2人を逮捕した。特殊詐欺グループの統括役と見られている。
詐欺だけでなく「闇バイト」を使った匿名・流動型犯罪グループいわゆる“トクリュウ”による強盗事件にも幸平一家の関与があるとみられている。
犯罪ジャーナリストの石原行雄氏に幸平一家の特徴を聞くとこう答えた。
「私の取材では“トクリュウ”とのつながりが特に太い暴力団組織ですね。半グレをかなり初期の段階(90年代)に取り込んで組織の中で働かせる。権限を持たせて動かせる、動かさせるという。そういうことをやった暴力団組織とも言えます」
都内の暴力団の組員数は減少傾向だが、幸平一家の傘下では若い層が増えているという。その背景については…。
「特殊詐欺とか強盗というのは、あがりの中から即金でポンとギャランティーを渡すということで、今の若者層にとって非常に魅力的に映ってしまう面がある」
特殊詐欺で資金集めか?
警視庁が特別対策本部を設置した「幸平一家」とは、どのような組織なのだろうか。
「幸平一家」は、指定暴力団「住吉会」の傘下組織だ。朝日新聞によると、組員の数はおよそ800人だという。警視庁によると、去年、都内で特殊詐欺に関わったとして逮捕された暴力団員のうち、およそ4割が「幸平一家」の組員だったということだ。
なぜ、特殊詐欺に加担する組員が多いのだろうか。犯罪ジャーナリストの石原氏に伺ったところ「若者が多く集まる新宿・歌舞伎町を縄張りにしている点が大きい」と指摘する。
暴力団対策法が施行された1992年以降、暴力団組織の収入源が限られてくる中、「幸平一家」は、いち早く特殊詐欺に目を付けたという。
そして、若者が多く集まる新宿で魅力的な報酬額を提示し、実行役を効率よく集め、勢力を拡大してきたということだ。
特殊詐欺グループは、詐欺電話を掛ける「かけ子」や、被害者から金を受け取る「受け子」などの実行犯の上に「指示役」が存在する。
さらにその上にいる、いわゆる「黒幕」といわれる部分で「幸平一家」の組員が暗躍しているという。
そして、「指示役」に対して海外に拠点を作ることなどを指示し資金やノウハウ、闇名簿を提供するなどしているということだ。
資金の流れ より複雑化も
特別対策本部の設置について、石原氏は「警察が幸平一家を名指しすることで、幸平一家の下で特殊詐欺に加担していた者が摘発を恐れ、離れていくことが期待できる。さらに、特殊詐欺を行っている他の暴力団への抑止にもつながるのでは」と話していた。
一方で、摘発を逃れるために、特殊詐欺で得た資金の流れをさらに複雑化させてくる可能性もあるとも指摘している。
(2026年1月20日放送分より)
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