
高市総理の解散表明から一夜。自民党本部では、役員会が開かれました。高市総理は「大きな財政転換について、信任をいただけるよう全力を尽くしたい」と訴えたそうです。
【画像】“食料品の消費税率ゼロ”生活負担どう変わる?対象の品目は?

新党『中道改革連合』には、立憲民主党と公明党から合わせて170人近い衆議院議員が加わることになりました。目玉政策として掲げるのは『食料品の消費税率ゼロ』です。
結果的に与野党の政策は重なり合いました。

立憲民主党 野田佳彦代表
「(高市総理の)消費税に関する発言、ブレ過ぎてますね。去年、決断していればね。レジの問題とかも含めて、もっと早く実行できたはず」
高市総理の去年5月の発言です。

高市総理(去年5月)
「国の品格として、食料品の消費税率は0%にするべきだ」
しかし、レジの改修などに時間がかかるとして、総裁選以降は持論を封印します。

高市総理(去年9月)
「スーパーは、チェーンごとに全然違うシステムを入れていて、これを見直すとなると、1年ぐらいはかかってしまう。エンジニアの方が絶対的に足りない。いまの物価高対策に即効性はない」
その封印が解かれたのが、19日の会見でした。

高市総理(19日)
「軽減税率が適用されている飲食料品については、2年間に限り消費税の対象としないこと。私自身の悲願でもございました」

消費税をめぐる与野党の主張は“減税”でほぼ一致。どの程度引き下げるのか、期間をどうするのかといった点に違いはあるものの、野党には「争点隠しだ」といった受け止めが広がりました。
気をもむのは小売の現場。
横浜市内のスーパーをたずねました。

スーパーセルシオ和田町店 鶴田英明店長
「(Q.すべての商品を一括して消費税を変えることはできる)うちの店舗だと、そのシステムを組み込んでいますので、商品台帳から商品のデータを全部移行して、8%から0%に切り替えるということはできるんですけど、そういうシステムを組み込んでいないような会社は、一個一個、手作業で切り替えるような手順になりますね」
必要なのはレジの改修だけではありません。

スーパーセルシオ和田町店 鶴田英明店長
「(Q.この商品棚でも作業が発生する)そうですね、うちのすべて棚で作業が発生してしまいますね。(Q.どういった作業)こちらの税込み価格の金額を消し込む作業になりますので、これを、まず抜いて、データの打ち直しをして、ポップを印刷して、カットして、また入れなおすという一連の流れ。(Q.取り扱っている商品はどれぐらいある)当店で数万点はあるかなと思います。その分だけ、作業があるということですね」
物価高対策に本当につながるのかは、見通せないといいます。

スーパーセルシオ和田町店 鶴田英明店長
「根本的な物価高というところでは、まだいろんな要因、光熱費もあがっていますし、物流費もそうだし、人件費もあがってますよね。そういったところの根本的な解決をしていかない限り、物価高は、続いてしなうのではないかと思う」
◆減税されると、私たちの生活にどんな影響が出るのでしょうか。

現在、飲食料品の消費税は、2種類があります。
外食、酒類などは10%ですが、スーパーなどで売られている食料品、テイクアウト食品や宅配、有料老人ホームなどで提供される飲食料品は、軽減税率の対象となっていて、税率は8%です。
今回、高市総理が検討を加速するとした消費税ゼロは、どこまでが対象なのでしょうか。
19日の会見では「現在、“軽減税率が適用されている飲食料品”については、2年間に限り消費税の対象としない」としました。つまり、スーパーなどで買う食料品やテイクアウトは軽減税率の対象なので、消費税がゼロ。一方、外食、酒類は10%のままとなります。
消費税については、ほかの政党も減税や廃止を主張していました。新党『中道改革連合』は「食料品の消費税を恒久的にゼロにする」としています。ほかの政党は、去年の参院選の公約を含め、20日までに明らかになっている主張です。引き下げる品目や、期間に違いはありますが、ほとんどの党が消費者の負担を減らすべきだと主張しています。
◆消費税が下がると、家計の負担はどれくらい減るのでしょうか。野村総研エグゼクティブエコノミストの木内登英さんに聞きました。

現在は、税率8%の食料品が0%になった想定で、4人家族の家庭で試算すると、1カ月の食料品への平均支出は、税込み75681円。8%の消費税分は5606円です。1年間でみると、67272円の負担が減ることになります。
一方で、消費税は、年金、医療、介護といった社会保障費の基礎的財源になっています。食料品の消費税が0%になると、税収が約5兆円減るとされ、社会保障に影響が出る可能性もあります。

木内さんは「消費減税の財源確保ができないと、円安や債券安が進む恐れがある」といいます。「円安が進むと、輸入食品や、エネルギーなど食品以外の物価が上がる。債券安は、長期金利の上昇につながり、住宅ローンの返済額の増加につながる。消費減税は一見、消費者の負担を減らすように見えるが、日本の財政に対する信頼が損なわれると、かえって“負担増”になる可能性もある」と指摘します。
