急増「都市型ホワイトアウト」ってナニ?
この記事の写真をみる(10枚)

 寒さの中で気を付けたいのが「都市型ホワイトアウト」と呼ばれる現象です。一瞬で視界を奪われた時、どう行動したらいいのでしょうか。

「うわー、やば。やばすぎる」ホワイトアウトした道路

一瞬で視界不良…街消える?

 山ではありません。ここは、街の真ん中です。次の瞬間…街が消えました。都市部で起きた、異例のホワイトアウト。

運転手
「まさか札幌の街中で遭遇するとは思わなかった」

 危険な「都市型ホワイトアウト」。その正体を追いました。

 列島に居座る今シーズンの最強寒波。各地で吹雪が強まり、風で雪が舞い上がり、視界が白く染まるホワイトアウトが相次ぎました。

今シーズンの最強寒波
拡大する

 雪で視界が奪われると、深刻な事故につながりかねません。実は、ホワイトアウトは平野部で起きるものだという常識は、今崩れ始めています。

寒地土木研究所 松下拓樹上席研究員
拡大する

寒地土木研究所
松下拓樹上席研究員

「都市部だからと言ってホワイトアウトが起きないとは限りません。郊外の吹雪と違って交通量が多いので、非常に事故のリスクが高い」

札幌市内
拡大する

 都市部で起きるホワイトアウト。その恐怖が分かるのが、今月に札幌市内で撮影された映像です。強い風とともに、雪が一気に舞い上がり、一瞬で視界が奪われました。わずかに見えていた車道も車も見えなくなります。現場は地下鉄・新札幌駅のすぐ近く。巨大なホテルにショッピングセンター、マンションも立ち並ぶ札幌の都市部です。

見えているのは木の輪郭だけ
拡大する

 それが、一瞬にしてこの状況です。歩行者や車の往来が激しい街で起きると、その危険は深刻さを増します。市内の公園でも、この日は普段とはかけ離れた景色に。わずかに見えているのは、手前の木の輪郭だけです。

 同じ日、札幌市内の道路では、前を走る車のテールランプさえ見えません。

「視界が一瞬ゼロに」
拡大する

運転していた人
「うわー、やば。やばすぎる」
「一気にバーッと雪が舞うように。視界が一瞬ゼロになって、どこを走っているか分からない状態」
「(ホワイトアウトは)郊外では何回か遭遇したことがあるが、まさか札幌の街中で遭遇するとは思わなかった」

 では、なぜ都市部で起きたのでしょうか?専門家は、こう分析します。

ホワイトアウトの条件
拡大する

松下上席研究員
「背景としては発達した低気圧が通過」
「上空から降ってくる雪の量が多い。風が強い、あと気温が低い。この条件が重なると都市部でも十分起こり得る」

 札幌では、この3つの条件が重なりました。冬場に発達する低気圧が、この日に札幌の上空を通過。マイナス6℃の寒さで雪を降らせ、台風並みの風も吹き荒れました。

街の雪が一気に巻き上がった
拡大する

 さらに、ビル風が重なり、街の雪が一気に巻き上がって、都市型のホワイトアウトが発生したのです。

 雪・風・気温。この3つがそろえばどこでも起こりうる現象です。

「例えば、東京は普段雪は降らないし、積雪のない状況だが、ごくたまに低気圧の通過で雪が降ることがある。その時、一時的に雪の降りが強い、風が強い状況になると同じように視界が悪くなる。ビルの谷間を吹き抜ける風によって極めて強くなることがあるので、その影響はあると思います」

 ホワイトアウトはこれまでも、深刻な事故を引き起こしてきました。

見通しのいい道路で…
拡大する

 北海道北斗市を走る見通しのいい道路。普段ガードレールも前方の車も見えていますが、4年前の吹雪の日は多重事故が起こりました。道路は危険な状態でした。突然、前方に車が。その横には、2人の姿も見えます。約160台の車が一時立ち往生。60代の男性が死亡。16人がけがをしました。

 視界が奪われると、事故は連鎖的に広がります。これが、もし都市部で起きたら被害はさらに拡大しかねません。

「都市部ということで車の交通量が多いし歩行者も多い。視界の悪い中で運転したり歩行することになるので車同士の接触、車と人との接触。吹雪の時、信号機にも雪が付着する。赤か青か分からない状態で車が入ってくる可能性もある。特に交差点を通過するときは注意が必要」

 では、都市部でホワイトアウトが起きた場合、どう備えればいいのでしょうか?

どう備える?
拡大する

「ノロノロでも走り続けることが大事。道路上に止まってしまうと、後ろから来た車に追突される可能性」

 やむを得ず止まる場合は、できるだけ安全な場所に車を寄せ、エンジンを止めること。そのうえで排気口が雪でふさがれていないか、小まめに確認してほしいと強く呼び掛けています。

(2026年1月22日放送分より)

この記事の画像一覧
外部リンク
この記事の写真をみる(10枚)