「感動するような将棋を」将棋界を牽引した“レジェンド”加藤一二三九段死去 86歳
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将棋界の人気を牽引したレジェンド、加藤一二三九段が22日未明、東京都内の病院で肺炎のため亡くなりました。86歳でした。

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ひふみん
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晩年は「ひふみん」と多くの人に愛された加藤一二三九段。

加藤一二三九段
「今までに公式戦2505回戦っていますが、棋譜を見ると全部の将棋思い出せます。どうしてこういう手を指したかはよみがえってきますから」

最善手を追い求めた棋士
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序盤の読みは深く、時間がなくなっても崩れない。常に最善手を追い求めた棋士でした。

神武以来の天才
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福岡県嘉麻市で生まれ育ったあどけない少年が72年前の夏、将棋界初の中学生プロとしてデビューします。18歳で名人への挑戦者を決める順位戦でA級に昇格。「神武以来の天才」と呼ばれ、多くの名局を残してきました。

名人位を獲得
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1982年、中原誠十六世名人と争った名人戦。4勝した方がタイトル獲得となる中、勝敗がつかない持将棋や千日手が続きます。最終局は実質10局目。最終盤までもつれますが、加藤九段が勝利、初の名人位を獲得します。加藤九段の快挙に、取材陣がなだれ込む対局室。当の加藤九段はそれを横目に電話のもとに。「勝ったよ」と真っ先に家族に勝利を伝えました。

プロ棋士
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将棋に掛ける思いは終生、変わることはありませんでした。年を重ね、タイトル戦から遠ざかるようになっても、77歳までプロ棋士として将棋を指し続けました。2017年には最高齢での勝利記録を作ります。対峙していたプロ棋士が感じたのは。

飯島栄治八段
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飯島栄治八段
「すごい気迫でした。盤上に覆いかぶさる感じで盤面をにらみつけている。棋士たるものは何か。そういう姿だった。寡黙に盤上を探究して、一番いい将棋を追求する」

タクシーで帰宅
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家族への思いも変わることはありませんでした。現役最後の日、取材陣に言葉を発することもなく、対局室を後にします。名人を獲得したあの日のように。

加藤一二三九段
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加藤一二三九段
「私は思うんですよね。長年、苦楽を共にしてきた家族に『負けた』ってことをまず伝えるのが筋でしょう」

加藤九段は引退後、バラエティー番組での活躍も増える一方、将棋の魅力を発信し続けました。

加藤一二三九段
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加藤一二三九段
「例えばモーツァルトやベートーベンの大天才の作品は、今にしても世界中の人々に喜びを与えている。将棋の“名局”というものは、はるかにスケールは小さいけれども、私はすごく立派な将棋を指してきて、私も感動するような将棋を指した。将棋の好きな人にとっては人生の途上における、ある時の楽しみ、喜びになってもらえることが私の自負であり、誇りなんです」

現役生活63年、タイトル獲得は通算8期、史上最多2505局を戦い抜きました。

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