
インドで26日、憲法が公布されて76年の記念パレードが盛大に行われた。主賓としてEU=ヨーロッパ連合のフォンデアライエン委員長らが招待された。
【画像】女性部隊のバイクピラミッド インドの軍事力と文化的多様性の紹介
インドとEUが関係強化をアピール
インドの首都ニューデリーで26日、憲法公布を祝う共和国記念日に合わせ大規模な軍事パレードが行われた。
地上では戦車などが行進。上空では軍用ヘリなどが編隊飛行を行った。さらに、バイクスタントはインドの軍事力と文化的多様性をテーマとし、バイクピラミッドは女性部隊によるものだ。
他にもバイクの上で回転。さらには鉄棒。1台のバイクに数人が乗り、鳥のように羽ばたくパフォーマンスも行った。
そんなパレードをモディ首相と見ていたのが、EUのフォンデアライエン委員長やコスタ欧州理事会議長だ。インドは毎年このパレードに外国の首脳を主賓として招待してきた。
2014年には、日本の安倍晋三総理大臣(当時)が主賓としてパレードに出席した。
「日印の戦略的グローバルパートナーシップが発展しているということの象徴である」
この時はインフラ支援のため、2000億円の円借款供与を表明したほか、ビザの発給要件緩和などで合意した。
その翌年には、アメリカのオバマ大統領(当時)が主賓として出席。原子力発電所の建設に向けた協力などで合意した。
そして今回、インドがEU首脳陣を主賓として招待した目的は、自由貿易協定の交渉だ。それぞれアメリカとの関係が冷え込む、インドとEUが関係強化をアピールしている。
背景に“脱米国”の模索?
インドとEUは27日にも、FTA=自由貿易協定を正式に締結する見通しだ。
インドメディアによると、EUのフォンデアライエン委員長は「インドとEUの自由貿易協定の締結によって、人口20億人規模、さらに世界のGDP=国内総生産の4分の1を占める強大な市場が生まれる」と述べたという。
アメリカに輸入品の関税を去年50%に引き上げられたインドは、FTAが締結されれば、EUへの輸出が加速するとみられているとロイター通信は報じている。
締結へ 日本の影響は?
インドとEUのFTAで注目されるのが自動車分野だ。
ロイター通信によると、インドは中国、アメリカに次ぐ市場規模で新車販売は年間440万台に上るといい、2030年までに年間600万台に成長すると予想されているという。
インドの自動車市場はタタ・モーターズやインドに進出した日本のスズキなど主要3社で、3分の2を占めているという。現在は、輸入車に70%または110%の関税が課されているが、FTAの締結後は40%に引き下げる方針だということだ。
その狙いについて、インドなどアジアの政治情勢に詳しい第一生命経済研究所・主席エコノミストの西濱徹さんは「モディ首相は国内の製造業を強化したい狙いがある。自動車の関税引き下げに伴い、自動車部品の関税引き下げも考えられ、ヨーロッパの自動車メーカーの工場がインドに進出してくることを期待しているのではないか」と話した。
「また、インドはインド人のヨーロッパでのビザ取得要件の緩和を要望している。アメリカが移民政策を強化するなか、インドの優秀なITエンジニアが、ヨーロッパに流れるきっかけになる可能性も高い」と指摘している。
またインドとEUのFTAは日本企業にもチャンスだという。
西濱さんは「スズキは進出しているインドからコンパクトカーを中心にヨーロッパに輸出していて、さらなる輸出増が期待できる。また、ヨーロッパに進出している日本企業が、インドに進出する足がかりになることも期待できる。このように世界中の国が、インドを拠点化する可能性もあり、20億人規模の市場の誕生は世界に与えるインパクトが大きい」と話している。
(2026年1月27日放送分より)
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