
汚職事件が相次ぐ東京大学。総長が会見で調査結果を公表し、謝罪しました。
【画像】接待に賄賂も…汚職相次ぐ東大の総長が謝罪 声上げにくい“閉鎖的組織風土”影響か
高級クラブ・風俗店で接待か
東京大学大学院教授・佐藤伸一容疑者(62)。民間との共同研究をめぐり、高級クラブや風俗店などで接待を受けたとして逮捕されました。

東京大学 藤井輝夫総長
「教育研究機関として社会の信頼を著しく損ねることになり、深く心よりおわび申し上げます」

問題が表面化したのは去年5月。共同研究を持ち掛けた日本化粧品協会が「接待を強要された」として約4200万円の損害賠償を求めて東京大学などを提訴しました。
書類送検(贈賄の疑い)日本化粧品協会 代表理事
「私も未熟だった。東大とするのも初めて。先生も立派な方でしたから、もう言われるがままの状態」
佐藤容疑者が求めた接待は高級なクラブや風俗店でした。

接客した従業員
「お気に入りの女の子を見つけて一緒に飲んで楽しんでいる感じ。教授たちが主役って感じで、50~60万円をお連れ様が払っていた」
(Q.何回くらい)
「月に1回2回だったと思います」
風俗店で接待か LINEで“調整”

クラブには、佐藤容疑者の部下にあたる元特任准教授(46)が一緒に訪れていました。国立大学に所属する2人は“みなし公務員”です。捜査関係者によると、1年半ほどの間に飲食だけで約30回、月2回ペース。日取りなどは元特任准教授が“調整”していた痕跡があります。
【“接待”に関するLINEのやり取り】

日本化粧品協会
「人数調整しました!ルックス・若さ・テクニック重視で残して~のどちらかを選んでください」
元特任准教授
「先に佐藤先生に選ばせてあげることにしますね!」
要望はエスカレートしていったといいます。

日本化粧品協会
「お互いに、昼間ソープにお時間取られるのキツイじきですよね」
元特任准教授
「全くです…」

書類送検(贈賄の疑い)日本化粧品協会 代表理事
「私は『ノー』をいつ言えたのかは、やっぱり答えは出ずに。どこへ戻っても『ノー』を言えない」
飲食中に「殺すぞ」金銭要求か
高級レストランで打ち合わせを行い、その後、クラブへ向かう流れが定番でした。食事の席で伝えた、研究内容に関する要望が実際に採用されたものもあったということです。しかし。

書類送検(贈賄の疑い)日本化粧品協会 代表理事
「食事をしながら飲みながら延々『殺すぞ』『金持って来い』『なめてるのか』と。何かタガが外れたように。震えながらすごく怒っているような雰囲気で。具体的には1500万円」
民事裁判に資料として提出された代表理事と元特任准教授の会話の音声です。
代表理事
「『お金持って来い』って言って『殺す』とか言っちゃったら恐喝罪ですよね。いやそんなことあります?と思っていたんですけど」
元特任准教授
「あれが本性です」

共同研究の仕組みは、民間企業などが研究に必要な経費を負担する社会連携講座と呼ばれるものでした。民間にとっても研究成果を自社製品に活かせるメリットがあります。皮膚疾患に対する化学的エビデンスが十分に確立されていない『カンナビノイド』の研究を続けてもらうため、高額な接待が行われたとみられます。
巨額研究支援の認定に影響か
最新の技術を海外から取り入れ、日本初の手術を次々と成功させるなど、医学界最高峰とされてきた東京大学。世界トップレベルの研究支援が受けられる『国際卓越研究大学』の認定を目指し、去年6月から審査が始まっていましたが。
松本洋平文部科学大臣
「自立と責任のあるガバナンス体制を求めているところ」

結果は「審査継続」に。その背景にあったのが相次ぐ不祥事です。去年11月には、奨学寄附金の制度を悪用し、医療機器メーカーから賄賂を受け取ったとして、整形外科の准教授だった松原全宏被告が逮捕されています。
経営が厳しい国立大学病院。赤字や老朽化が続く中でも先端医療を続けてきました。

東大病院 田中栄院長(当時)
「臓器移植は赤字医療でやればやるほど赤字幅が膨らむ。なかなか民間の参入が少ない」
田中栄病院長は27日、引責辞任しています。
会見で30秒以上、頭を下げた藤井総長。

東京大学 藤井輝夫総長
「教授という立場を利用した点で、悪質な弁明の余地のない不適切な行為であると判断し、最も厳しい懲戒解雇という処分を行った」
佐藤容疑者を26日付で懲戒解雇したことを明らかにしました。
東京大学 藤井輝夫総長
(Q.一連の事件が起きた組織風土はどういうものだったか)
「医学部病院の場合は診療科、研究室単位で活動している。それらの間の壁が非常に高い。相互に隣の部屋で何をしているのか見えにくい。閉鎖性というような組織風土がある。もう一つはヒエラルキーが強い。おかしいんじゃないかと気がついても声を上げにくい」
5年後をめどに、抜本的な組織改革を行うと表明しました。

東京大学 相原博昭理事・副学長
「附属病院からの提案として、医局の制度見直しなどを通じ、過去の経緯に縛られて大きな変更が困難だった、附属病院内の人材の流動性を高め、適正な配置を実現する。従来の教授を頂点とするヒエラルキー構造を解体し、講師・助教レベルの若手研究者が独立研究者となる体制を立ち上げる」
今回、医学部に限らず調査した結果、22件の倫理規定に抵触する事例が見つかり、うち高額だった3件について懲戒手続きを進めているということです。
