いよいよ来月6日にWBC初戦を迎える侍ジャパン。松坂大輔さんが連覇へのキーマンと挙げる選手を直撃しました。
WBC連覇に欠かせない直球
松坂さん
「バッターが分かっていても、ストレートで勝負する。そして抑えてチームに勢いを与える。井端監督も非常に頼りにしている投手の一人」
「伊藤大海投手のストレート、これが武器になります」
WBC2大会連続出場、日本ハムの伊藤大海投手(28)です。昨シーズンは最多勝(14勝)、最多奪三振(195)の投手2冠。先発投手として最高の栄誉・沢村賞にも輝きました。
伊藤投手の存在が大きく際立ったのが、前回大会の準々決勝。先発・大谷翔平選手(31)の後を継ぎピンチで登板すると、4番相手にストレートで真っ向勝負!
大会通じて無失点ピッチングを見せるなど、今大会もフル回転の活躍が期待されます。
松坂さん
「抑えた時の吠え方。国際大会でも物怖じしない気持ちの強さはさすが」
伊藤投手
「ストレートで抑えるのは、チームとしても勢いがつく。ストレートには自信を持っている」
物怖じしない気迫のこもったストレートは最速154キロ。その精度は年々高まり、2023年と去年のデータを見てみると、平均球速はなんと2キロ以上アップ。打たれにくくもなっています。
型破りな方法で進化の直球
より進化を遂げた裏には、松坂さんも驚く型破りな工夫がありました。
伊藤投手
「ストレートの握りを変えた」
「そこからストレートは自信を持って、バッターに投げられるようになった」
松坂さん
「(Q.握り方を変えたんですか?)ガラッと変えましたね。親指をかなり握り込む。結構、力が入っている状態で握る」
ボールを強く握ること。これは、かなり珍しいんです。多くの場合は、一般的にはボールを軽く握りリラックスした状態から、腕をむちのようにしならせて投げます。
松坂さん
「ボールを握る強さは基本的にリラックスして、『たたかれたら落ちるくらいの強さで握りなさい』と、僕らが小さい時はそう教えられてきた。脱力することで体を柔らかく使える。可動域も出せる」
しかし、伊藤投手はこの真逆。ボールを強く握り、力を入れた状態で投げるというんです。その狙いは?
伊藤投手
「イメージは固めたまま出る感じです。あえて自由度を減らした」
松坂さん
「腕の動く幅が制限されるから、よりまとめやすい?」
伊藤投手
「まとめやすいが一番かもしれない。リリースポイントにどれだけ合わせていくか」
松坂さん
「あえて自分で制限をかけることによって、ブレ幅を小さくするイメージ」
「力を入れて握ることは可動域を出すデメリットと言われていたが、伊藤投手にとってはメリット」
伊藤投手が取り組んだのはボールを強く握ることで、腕の可動域をあえて小さくすること。つまり、動きを制限することで腕のブレは少なくなり、リリースポイントの安定につながっていたのです。
実は、これがストレートの平均球速が上がった大きな理由でもありました。
伊藤投手
「再現性が高くなった。思い切り自分狙ったところに投げられた時、一番いい投げ方で一番スピードが出る。平均球速が上がった理由も、そこにあると思う。同じことを同じところでずっとできる」
強く握る。型破りな工夫でたどり着いた、伊藤投手ならではのストレート。これが、大きな海を越えた世界の舞台で日本を支える武器となります。
伊藤投手
「(Q.WBCで対戦したいバッターは?)パドレスのタティスJr.(ドミニカ共和国代表)とか見てみたいですね。一番、自分が勝負できるのは真っすぐだと思うので。ああいうバッターに対して、どれだけ通用するのか」
「(Q.ストレートに強いと言われている)一番自信のあるストレートで勝負したい」
前回「世界一の影のMVP」
前回大会、松坂さんと取材時に「とにかくピンチでの活躍がすごすぎる!世界一の影のMVP」と絶賛していたのを覚えています。
伊藤投手があそこにいるだけで、安定感が違います。そこからさらに進化した姿は頼もしいですし、ストレートも楽しみだと思いました。
(2026年2月24日放送分より)
