
イスラエルがイランへの「先制攻撃」を開始したと発表しました。アメリカのトランプ大統領も、自身のSNSで「アメリカ軍はつい先ほど、大規模な戦闘を開始した」と発表しました。イスラエルはアメリカと連携しているということです。
イランはアメリカと核問題で協議を続けてきましたが、2月26日にスイスで実施された協議で隔たりは埋まらず、合意に至らないまま終わっていました。
アメリカとイランをめぐるこれまでの経緯を解説します。
2月26日の協議が「最後のチャンス」
核開発などをめぐるアメリカとイランの協議は、今年に入って再開され、3回行われています。
アメリカは空母を派遣するなどして、イランへの軍事的な圧力を強めていました。
イランでは2025年12月、経済状況の悪化などを背景に各地で大規模な抗議デモが起きました。
2026年1月には治安当局との衝突が激化。
イラン政府は、厳しい取り締まりを進め、インターネットの遮断にも踏み切りました。
一連の衝突で死傷者は3000人以上に上ったという報道もあります。
トランプ大統領
「もしイランが過去のように人々を殺し始めたら、我々は介入する。彼らの弱点を徹底的に攻撃する」
トランプ大統領の本意は、核開発問題でイランからの譲歩を引き出すことです。
アメリカに有利な形で要求をのませるための圧力として、空母2隻を中東地域に派遣します。
軍事的緊張が高まるなか、アメリカとイランの外交交渉も同時に行われていました。
アメリカのウィトコフ中東担当特使やイランのアラグチ外相らによる間接協議は、オマーンやスイスなどで2月26日までに3回実施されましたが、大きな進展はないままでした。
2月26日、スイスのジュネーブで開かれた3回目の協議について、アメリカメディアは、イランにとって「最後のチャンス」と報じていました。
大規模攻撃は2025年6月の「12日間戦争」以来
前回、イランが大規模な攻撃を受けたのは、2025年6月のことです。「12日間戦争」と呼ばれたこの軍事衝突では、核施設が標的となりました。
パレスチナ自治区ガザでの戦闘開始以降、イスラム組織「ハマス」の後ろ盾であるイランは、イスラエルと争いを繰り返してきました。
2025年6月、イスラエルがイランに先制攻撃を実施すると、激しい攻撃の応酬になります。イスラエルは核施設を標的にしたほか、ミサイルの発射装置を破壊し、制空権を掌握したと発表しました。
イラン側も反撃し、双方に犠牲者が出ました。死者はイラン側935人、イスラエル側28人でした。
この軍事衝突に加わったのが、当時、イランとの核交渉が停滞していたアメリカのトランプ政権です。地下貫通弾「バンカーバスター」を搭載したB2爆撃機などで、イランにある核施設3カ所を空爆したのです。
「施設は完全に破壊された」と主張するトランプ大統領に対し、被害は限定的との分析も報じられました。
IAEA=国際原子力機関のグロッシ事務局長は、攻撃のあとも「核の装備は大部分が同じ場所に残されている」と明らかにしています。
イランも報復攻撃にでます。
カタールにある中東最大のアメリカ軍基地にミサイルを発射し、一時は戦禍が中東全体に拡大することが危惧されました。最終的には、トランプ政権が提示した停戦案で合意が成立。「12日間戦争」と呼ばれた軍事衝突は終了しました。
しかし、その後も、不安定な停戦状態が続いていました。
