3日、衆議院予算委員会において、中道改革連合の西村智奈美議員が選択的夫婦別氏制度について質問する中、議場内からヤジが飛んだ。
西村議員は「私は、1日も早く選択的夫婦別氏制度を導入すべきであるという立場です」と切り出し、「昨年11月10日、予算委員会で自民党と日本維新の会の政策合意書にあります旧姓使用の法制化について『これは単記を考えてるのか? 併記を考えているのか』と総理の見解をお尋ねしたのですが、その時は全く答えていただけませんでした。その後、2月18日に総理が、旧姓を公的証明書に単独で記載する旧氏の単記も可能とする基盤整備の検討を、平口大臣と黄川田大臣に指示をされたということで『単記の方に舵を切られたんだな』と思いました。ですが、昨日の予算委員会の総理の答弁を伺って、また私、ひっくり返っちゃったんです。総理は、『パスポートと免許証とマイナンバーカード、これらに戸籍氏と旧氏の併記を求める検討が当然必要になる』と答弁をされたのですが、これらは個人の身分を表す上で一番大事な3つだと思います。そこに併記を検討するということは総理指示にあった旧姓単記の基盤整備の検討という指示は撤回されたのでしょうか?」と質問。
これに高市総理は「私が内閣発足時に黄川田大臣と平口法務大臣に対して指示をしたのは旧氏の単記『も』可能とする基盤整備の検討を進めるようにということです」と回答。
西村議員は「旧氏の単記『も』可能とする基盤整備の検討ということは、旧姓の単記もあり得たし、それから併記も元々含めていたという理解でしょうか? 平口大臣と黄川田大臣はこの指示をどういうふうに受け止めてこれまで検討しているのでしょうか?」と2大臣に質問した。
平口洋法務大臣は「今般の総理指示において、内閣府特命担当大臣をはじめ関係大臣と協力して、旧氏の使用の拡大・周知を一層進めるとともに単記を可能とする基盤整備の検討を進めるというご指示をいただいたわけでございます。ご指摘の基盤整備の検討とは、法制度を含めた制度面やシステム面の検討などを含むものと考えておりまして、単記も可能とするかどうかということについては今後の検討課題と考えております」と答えた。
黄川田仁志内閣府特命担当大臣は「今、平口法務大臣がおっしゃった通りなのですが、やはり旧氏の単記も可能とする基盤整備の検討を進めるにあたり、やはりこの厳格な本人確認に用いられる書類については、戸籍上の氏と旧氏の併記を求めるという検討は当然必要になってくると考えております」と答えた。
西村議員は納得がいかないような様子で「指示と答弁とこれまでの経過を考えると非常に混乱している状況だと思います。旧氏の単記も可能とする基盤整備の検討を総理の指示として出された時にやっぱり単記に舵を切られたと思ったのですが、その後『やっぱり戸籍制度の形骸化につながるんじゃないか』という批判が保守派の方から出てきたと。これを総理の方でどうお考えになったかわからないけれども、それに対する対応として、今回、重要な3つについて併記を検討するとおっしゃったんじゃないかと私の目には映るんですが、総理、いかがですか?」とさらに質問した。
高市総理は「最初に両大臣に出した指示書に『単記も』と書いてございます。そもそも戸籍は日本国民の親族的身分関係を登録公証する唯一の公簿です。旧氏使用の法制化については、1組の夫婦及びこれと氏を同じくする子を編成単位とする現行の戸籍制度を維持しつつ、住民基本台帳の旧氏を活用していくと考えています。だから、戸籍制度の形骸化とかではなく、住民基本台帳の旧氏を活用するということです。マイナンバーカードや運転免許証といった厳格な本人確認に用いられる書類については、戸籍上の氏と旧氏の併記を求めるという検討、これは当然必要になると思います」と回答。
さらに「今でも多くの方が旧氏を通称として使っておられます。私も使ってきました。だけれども、それをさらに便利にしていこうということで、今回、役所によって対応が違うとかではなく、全部の省庁、都道府県など地方自治体、公私の団体、民間事業者に至るまで、本人が希望して通称として旧氏を使いたい場合にはそれを幅広く認めていこう。それが利便性につながるということで、すでに旧氏を通称として使用されている方も、より利便性を高めることを考えてます。現在においても、旧氏の通称使用にあって、単記で届け出ができるものもあれば、併記でなければいけないものもございます。各役所などの届け出などが混在してるということです。でも、厳格な本人確認に用いられるものについては、併記を検討するべきだと私は考えております」と続けた。
西村議員は「これまでの取り組みをやってこられたことについては、私、前回も質問しておりますし、よく承知をしております。ただ、今言った3つ、パスポートと免許証とマイナンバーカード。これは一番、選択的夫婦別氏制度を望んでいる人たちにとっても非常に重要な柱になる部分なんですよね。これを併記と言われたら、一体何なんですかと。これまでいろいろな指示が出てきたけれども、一体何を政府として目指そうとしているのかっていうのはわからないと私は申し上げざるを得ません。ここも集中審議が必要なところだと思いますので、委員長のお取り計らいをお願いしたいと思います」と訴えた。
これを受けて坂本哲志委員長が「理事会で後ほど協議いたします」と話すと議場内に不満を訴えるようなヤジが起きた。
西村議員はヤジが上がった方を向きながら「総理の指示でございますので、私はこの場でお伺いをいたしております。今、答弁席の方からヤジがあったようなんですけれども、本当にいかがなものかと思います」と述べて、次の質問に移った。
(ABEMA NEWS)

