
最高指導者・ハメネイ師を殺害しても、なお続く、イランへの攻撃。
【画像】2つの想定外…“退避呼びかけ”の理由 トランプ大統領が“大規模攻撃”を示唆

イスラエル軍報道官
「今夜、情報局の精密な指示のもと、空軍の戦闘機がテヘラン中心部にあるイラン指導部施設を攻撃しました。これは体制にとって、最重要かつ、中枢的な司令部である。この施設は、テヘラン中心部の複数の通りにまたがり広がっています。大統領府、政権上級指導部会議施設、その他の指揮インフラを破壊しました」

狙ったものか、誤爆かは不明ですが、テヘランの病院も被害に。イランでの死者は、すでに787人に上っています。
アメリカとイスラエルによるイラン攻撃が、中東全体に戦火を広げています。
サウジアラビアのアメリカ大使館は、ドローン攻撃を受け、閉鎖に追い込まれました。

イラン アラグチ外相(2日)
「戦火が広がるのは、我々の責任ではなく、アメリカ軍基地が湾岸全体にあるからです。アメリカ本土には近づけないが、域内のアメリカ軍基地には到達できる。だから、アメリカ軍基地は、正当な攻撃目標になるのです」

イランからの相次ぐ攻撃を受け、アメリカの国務省は、中東全域15の国と地域から、いますぐ出国するよう呼びかけました。
トランプ大統領は、少なくとも言葉では、長期戦も辞さない姿勢を見せ始めています。

アメリカ トランプ大統領
「我々は楽に勝てるだろう。予定よりも大幅に進んでいるが、どれだけかかっても構わない。4~5週間の作戦を当初は想定していたが、我々には、それよりも長く継続できる能力がある」
トランプ大統領は、さらに、CNNの取材で「大きな波が間もなく来る」と発言。
政府高官は、24時間以内にイランへの攻撃が大幅に増える事態に備えているとしています。

アメリカは、最初の48時間で、1250を超える標的を攻撃。イランの防衛力の弱体化を達成しました。次の段階では、ミサイルの生産拠点や、ドローンなどの破壊に重点を置くといいます。
ロシアのウクライナ侵攻にも投入され、現代の戦争のかたちを変えたといわれるドローン。
自爆ドローンが、アメリカ軍基地や周辺国の大きな脅威になっています。

ドローンやミサイルの多くが、迎撃システムによって撃ち落されていることは確かです。ただ、そのたびに迎撃ミサイルを消費。300万円あまりの安いドローンが大量に撃ち込まれ、迎撃ミサイルの弾薬不足が指摘されています。
ブルームバーグによりますと、カタールの迎撃ミサイルの在庫は、現在の使用率では、4日分しかないそうです。

アメリカ ルビオ国務長官(2日)
「イランのミサイル製造能力は月100発以上。我々の迎撃ミサイルは月に6、7発だ。それに数千機の自爆ドローンが加わるのだ」
弾薬の不足は、アメリカ軍のトップが開戦前から、トランプ政権に警告していたと言われています。それでも、イラン攻撃への道を突き進みました。
アメリカ兵の死者は、2日より増え、6人となりました。

開戦の“大義”をめぐっては、イランが先制攻撃する兆候があったとするトランプ政権の主張を国防総省当局者が否定。さらに、ここへ来て、「イスラエルが単独でもイラン攻撃をしようとしていたから」との主張も出てきました。
アメリカ ルビオ国務長官(2日)
「イスラエルが行動を起こすことも、アメリカ軍への攻撃を招くことも知っていた。イランよりも前に先制しなければ、より多くの死者が出ていた。世界の安全と安定には正しく重要な決断だった」

長期化も見えてきたイラン攻撃に、アメリカの世論は懐疑的です。兵士の死亡が伝えられる前の世論調査でも、イランへの軍事作戦に賛成が41%、反対が59%でした。

民主党 シューマー上院院内総務
「トランプ氏は アメリカを全面戦争に踏み込ませた。相手は最も苛烈な敵国だ。計画も、終結の見通しも議会承認もない。国民との議論さえもない。終わりのない中東の戦争は、もうたくさんだ。我々は、その道に突き進む危うさに直面している」
◆アメリカ政府は、中東のほぼ全域にいるアメリカ人の退避を呼びかけました。
アメリカの安全保障が専門の拓殖大学の佐藤丙午教授は「中東退避の背景には、アメリカの“2つの想定外”があったのでは」と指摘します。

佐藤教授は「一つは、サウジアラビアなどへの攻撃。イランとサウジアラビアは、イスラム教の宗派や民族の違いで、長年対立する“中東の大国同士”。真正面から攻撃するのは、これまでには考えにくいものだった。こうした動きを見て、アメリカ側は、イランが今後どこまで攻撃するか読めなくなったため、事前に退避させた可能性がある」といいます。

そして、もう一つがドローン攻撃の警戒です。イランにとって、ドローン攻撃は、安価で大量に行えるものです。
佐藤教授は「イランのドローン攻撃は“9割撃ち落とされても、1割が着弾すれば成功”という作戦。一方、アメリカ軍にとっては、
迎撃用のミサイルは、高額で限りがあり、民間施設を攻撃をされたら、すべて防ぎきるのは難しいため、退避を呼びかけたのでは」としています。
日本を含めた他国の対応です。

日本政府は、イラン全土、イスラエルの一部に退避勧告を出しています。滞在する日本人に希望者を募り、国外退避の支援を始めていて、イランの退避希望者は、4日にも国外に出る見通しです。
また、海外メディアによりますと、イギリスは、イランに滞在する政府職員に退避を呼びかけていて、韓国も大使館の協力のもと、避難を始めているということです。
